CFO（最高財務責任者）とは？似た役職との違いや仕事内容をわかりやすく解説

公開日：2025.12.05

CFOという役職に関心はあるものの、「自分でも目指せるのか」など、疑問が次々に浮かんでいませんか。企業の成長を財務面から支えるCFOは、いま日本でも需要が高まっている重要なポジションです。本記事では、CFOの基本的な役割や種類、CEO・COO・CAOとの違い、さらに財務戦略・経営戦略・資金調達・IR・M&A判断といった主要業務をわかりやすく解説します。また、求められるスキルや有利になる資格、キャリアパスとしての社内昇進や会計士・監査法人からの転職ルートも紹介。年収水準や外資系企業でのニーズにも触れ、具体的なイメージがつかめる内容になっています。CFOを目指す方はもちろん、経営層へのキャリアアップを検討している方にとっても役立つ情報が満載です。

この記事を読むことで後悔を避け、安心して次のキャリアに踏み出せます。

CFO（Chief Financial Officer / 最高財務責任者）とは

CFOとは、日本語で「最高財務責任者」と訳される役職です。企業の財務面の管理にとどまらず、あらゆる財務戦略の立案・実行を行いながら、企業価値の最大化を図るという重要な役割を担います。

欧米ではCEO（最高経営責任者）と並ぶステータスとして重要視されているほか、近年は日本企業でもCFOの存在が注目されています。

ここからは、CFOが注目される背景や主な種類、似た役職との違いを解説していきます。

日本企業でもCFOが注目されている背景

社会の変遷やAIの進化など、さまざまな変化が著しい時代のなかで企業が成長を続けるためには、将来を見据えた経営戦略が欠かせません。

バブル崩壊以降は、金融機関の融資の消極化が課題となり、投資家から資金調達を行う必要性が高まりました。直接投資家から資金を調達するためには、より自社の事業戦略や成長性、株主価値などを最大化する財務戦略の策定、透明性のある情報開示が重要です。

また、資金収支を重視するキャッシュフロー経営も重要であり、これらを策定・実行できるCFOの必要性が注目されています。

CFOの主な種類

CFOの役割は多様で、様々なタイプ分けがありますが、ここでは日本国内や海外の経営人材論でよく使われる、「ファイナンス型」「ガバナンス型」について取りあげます。それぞれの主な違いは以下のとおりです。

ファイナンス型：財務・会計の専門性が強く、資金調達や財務戦略に強みを持ち、企業成長を数字で支える
ガバナンス型：内部統制やリスク管理、コンプライアンスに強みを持ち、企業価値の持続的な向上に貢献する

ベンチャー企業や中小企業などでは、企業成長のために投資家から繰り返し資金調達を行うことがあります。そのため、金融系出身のファイナンス型CFOを重宝する傾向が強いです。

一方、すでに安定的な黒字を計上し、さらに上場を目指しているような企業では、監査法人出身が多いガバナンス型のCFOを積極的に選任しています。

CFOとCEO・COO・CAOの役職との違い

CFOと似た役職には、CEO・COO・CAOがあり、それぞれ役割が異なります。各役職の概要は以下のとおりです。

役職	概要
CEO	長期的な経営に対して責任を負う最高責任者
COO	経営陣の指揮のもと、事業の業務執行を統括する最高責任者

CAO	バックオフィス部門（人事・総務・経理・法務）の最高責任者

CEOは長期的な企業成長を目指し、経営戦略の策定を行う重要な役職です。一方、COOはCEOから経営戦略に関する指揮を受け、実際の業務執行を統括する役割を担います。

一方、CAOはバックオフィス部門を管理する最高責任者です。CFOは、あらゆる財務戦略の立案・実行を行いながら、企業価値の最大化を図る財務部門の最高責任者であり、それぞれポジションや役職が異なります。

CEO・COOについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事：CEOとは？社長・代表取締役・COOとの違いや具体的な役割を解説

CFOの平均年収

正式なデータは発表されていませんが、CFOの平均年収は1,500万円〜2,000万円ほどがボリュームゾーンとされています。

ただし、CFOの平均年収は、企業規模や日系・外資系などの違いによっても異なります。ベンチャー企業や中小規模の日本企業で平均年収1,000万円以下の場合もあれば、外資系企業では2,000万円を超えるケースもあり、業績連動型ボーナスやストックオプション、RSU（譲渡制限付き株式）といった報酬制度が導入されていることも多く、成果次第で年収が大きく変動するのが特徴です。

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CFOの主な仕事内容

CFOの業務は、単に財務面の管理を行うだけではありません。ここでは、CFOの主な仕事内容を紹介します。

財務戦略

CFOは、経営目標を達成するために、資金の調達・投資・配分に関する長期的な計画を立案し、実行します。企業価値の最大化を目指し、コスト構造の分析や利益目標の設定を行い、財務面から経営戦略を支えるのが、CFOが担う重要な業務の一つです。

また、外部環境の変化や為替、市場金利、規制動向などを把握し、リスク管理をしつつ企業の成長機会を最大化するための財務施策を検討します。さらに、経営陣や各部門と連携し、財務データに基づく意思決定を促すことで、組織全体の戦略遂行力を高める役割も担っています。

経営戦略

CEOが策定する経営戦略に対して、財務の専門家という立場から実現可能性やリスクを評価し、助言するのもCFOの役割です。例えば、事業ポートフォリオの最適化や成長分野への資本配分の決定など、経営陣の一員として重要な意思決定に深く関与します。

数値だけでなく、市場動向や競合状況も踏まえたうえで、経営戦略の実効性を高めるためにシナリオ分析や長期的な収益予測なども行います。

また、経営ビジョンを財務的観点から具体的な行動計画に落とし込み、組織全体が一貫した戦略のもとで動けるよう管理・調整する役割も求められます。

資金調達・管理

銀行融資・投資家からの出資など、最適な手段で事業運営や成長に必要な資金を調達するのもCFOの業務の一つです。

また、調達した資金のコストやリスクを管理しつつ、効率的な運用計画を立て、財務の健全性を保ちながら企業の成長を支える強固な資金基盤を確立します。これらを統合的に管理することで、企業は長期的な投資や事業展開を安心して進められます。

財務報告・IR

CFOは、投資家や株主などの外部ステークホルダーに対して、決算情報・財務状況・経営戦略を正確かつ透明性の高い形で報告する責任も担っています。

決算説明会やIRイベントを通して企業の現状や将来の見通しを伝え、双方向の対話を行うことが重要です。適切な情報開示と継続的なコミュニケーションにより、企業への信頼と公平な評価を獲得することで、資本市場での競争力向上に貢献します。

投資・M&Aの判断

新規事業投資や設備投資、M&A（合併・買収）といった大型案件について、収益性・リスク・資金効率を財務の観点から分析するのもCFOの役割です。

市場環境や将来キャッシュフローを踏まえて企業価値を最大化できるかどうかを判断し、実行の可否を経営陣に提言します。また、投資後の統合プロセスや効果検証にも関与し、長期的な成長戦略を支える意思決定を主導します。

CFOに必要な資格・スキル

CFOを目指すうえで「これがなければCFOになれない」という資格はありません。ただし、高度なファイナンススキルは必須であり、経営層視点でのマネジメントスキルも求められます。

また、必須ではないものの、会計や財務に関する資格を取得することで、CFOへの転職活動を有利に進めやすくなります。選考が有利に進みやすくなる資格・学位は以下のとおりです。

公認会計士
FASS検定
MBA
CFO資格認定

また、外資系や日系グローバル企業のCFOへの転職を目指す場合は、英語力を身につけておくことで、より選考通過率を高められます。求められる英語レベルは職種やポジションによって異なるものの、一般的にはTOEIC700点以上のスコアを獲得しておくのが望ましいとされています。

なお、円滑に会議やプレゼンテーションなどを行える英語力を備えていることを証明するためには、TOEICで800点以上のスコアを獲得しておくとよいでしょう。

関連記事：外資系企業への転職に必要なTOEICスコア目安は？重要スキルも解説

CFOになるには？

CFOになるには、主に以下の方法があります。

社内昇進を目指す
会計士・税理士・監査法人から転職する

現職の企業にCFOが設置されている場合は、経理や財務部門で経験を積むことで、CFOを目指せます。ただし、CFOという一つのポストへの社内昇進は時間がかかるほか、時間をかけたからといって、必ずしもCFOに選任される保証はありません。

会計士や税理士、監査法人などから、他社のCFOへ転職を目指すのも一つの手です。CFOへの転職は容易ではないものの、専門性に優れた転職エージェントに相談することで、効率的に転職活動を進められます。

まとめ：CFOや外資系企業・日系グローバル企業への転職を目指す方は、エンワールドへの登録をご検討ください

CFOとは、企業や組織の経営戦略の策定・実行を担う重要な役職です。財務面の管理だけでなく、企業成長に欠かせない財務・経営戦略や資金調達、投資判断など、幅広い業務に携わります。

近年は日本企業でもCFOを設置する企業が増加傾向にあり、今後も注目度は高まると予想されます。CFOへの転職を目指す場合は、高度なファイナンススキルやマネジメントスキルを身につけたうえで、専門性に優れた転職エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。

エンワールドでは、CFOを含む経営層クラスの求人を多く保有しているほか、優れた専門性を持つキャリアコンサルタントが一人ひとりに合ったサポートを行っております。CFOや外資系・日系グローバル企業への転職を検討している方は、ぜひお気軽に新規会員登録からご登録ください。

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執筆者：エンワールド編集部

外資系・日系グローバル企業のハイクラスに精通するエンワールドの編集部員が、転職やキャリア、日々の仕事のお悩みに役立つ情報を執筆します。