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コーポレートガバナンスの強化やコンプライアンス意識の高まり・経営リスクの多様化などを背景に、内部統制やリスク管理の専門人材の需要が高まっています。
内部監査に関する専門知識・専門性を客観的に証明できる公認内部監査人(CIA)取得者の場合、どのくらいの年収を期待できるのでしょうか?
本記事では、公認内部監査人(CIA)取得者の平均年収について、日本企業と外資系企業における年収水準を紹介します。あわせて、需要の高い業界やキャリアパスの選択肢についても解説するので、公認内部監査人(CIA)の資格を活かしてキャリアアップを目指している方はぜひ参考にしてください。
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公認内部監査人(CIA)は内部監査の国際資格
公認内部監査人(CIA:Certified Internal Auditor)は、アメリカで創設された内部監査の国際資格です。内部監査分野では世界的に高い知名度を誇り、多くの国と地域で試験が実施されています。 ここからは、公認内部監査人(CIA)の概要を解説します。
内部監査やリスク管理の専門知識を証明する
CIA資格は、内部監査はもちろんリスク管理や内部統制、ガバナンス、コンプライアンスといった、企業経営に欠かせない幅広い分野の知識と実務能力を証明する資格です。
資格取得者は、企業や組織の内部統制やリスク管理体制を評価し、業務改善・不正防止につながる提案を行います。内部統制報告制度(J-SOX)対応のレビューや経営層への報告・助言を担うこともあり、経営を支えるアドバイザーとしての役割も期待されています。
国内外で需要が高まっている
近年はM&Aや海外進出、国際取引の拡大に伴い、企業を取り巻くリスクが複雑化しています。企業経営では不正防止や法令遵守に加え、高いレベルの内部統制やガバナンスを構築・維持することが重要です。
このような背景から、内部監査やリスク管理の専門知識を持つCIA資格取得者への需要は国内外で高まっています。特に、内部監査体制の強化や海外拠点を含めたガバナンスの整備が求められる上場企業や金融機関、グローバル企業では、CIA資格が専門性を示す資格として高く評価されています。
CIAは世界共通の国際資格であるため、日本企業だけでなく外資系企業や海外企業でも知識やスキルをアピールしやすい点が特徴です。企業活動のグローバル化が進むなか、公認内部監査人の活躍の場は今後も広がっていくと考えられます。
公認内部監査人(CIA)有資格者の年収
公認内部監査人(CIA)の年収は、勤務先の企業規模や業界、役職、経験年数によって大きく異なります。
ここでは、日本企業と外資系企業に転職した場合の年収の目安を紹介します。
「内部監査人」として日本企業に転職した場合
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、日本企業における内部監査人の平均年収は525.2万円です(令和7年賃金構造基本統計調査をもとにjob tagが算出)。
日本企業で内部監査人として働く場合は、基本的に正社員として採用され、給与や勤務時間、福利厚生などは勤務先の就業規則に従います。年収がどのくらいになるかは、企業の規模や業界、役職、経験年数、保有資格などによって大きく異なります。
内部監査人の業務は、監査計画の策定や監査の実施、報告書の作成、関係部署との打ち合わせなどが中心です。定時で勤務する企業も多く、比較的規則的な働き方がしやすい職種といえます。
参考:内部監査人 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
外資系企業に「内部監査人」として転職した場合
外資系企業で働く内部監査人の年収は、企業規模や業界、役職、経験年数、英語力などによって大きく異なります。
| 役職 | 経験年数の目安 | 年収レンジ |
| 内部監査担当者(Internal Auditor) | 3〜5年 | 700〜1,200万円 |
| シニア内部監査人(Senior Internal Auditor) | 5〜10年 | 1,000〜1,500万円 |
| 内部監査マネージャー(Internal Audit Manager) | 8〜15年 | 1,300〜2,000万円 |
| シニアマネージャー/ディレクター(Senior Manager / Director) | 15年以上 | 2,000〜3,000万円 |
| 内部監査責任者(Head of Internal Audit) | 20年以上 | 3,000万円以上 |
経験年数3〜5年の内部監査担当者(Internal Auditor)であれば、年収の目安は700〜1,200万円程度です。ここからシニア内部監査人(Senior Internal Auditor)へとステップアップすると、1,000〜1,500万円程度まで年収が上がっていきます。
さらに経験を重ねて内部監査マネージャー(Internal Audit Manager)に昇進すれば、年収は1,300〜2,000万円程度が一般的な水準です。そしてその上のシニアマネージャー/ディレクター(Senior Manager / Director)クラスになると、年収2,000〜3,000万円となるケースも珍しくありません。
内部監査部門のトップにあたる内部監査責任者(Head of Internal Audit)まで出世すれば、年収3,000万円以上という高い水準も視野に入ってきます。
また、ジョブ型雇用を採用する外資系企業では、役割と責任に応じた評価体系のもと、内部監査職にも業績賞与や株式報酬などのインセンティブが設定されている場合があります。特に管理職層では、基本給に加えて一定の変動報酬が支給されるケースも見られ、一般的な給与水準を超える年収を達成できる可能性があるでしょう。
公認内部監査人(CIA)の主な仕事内容
公認内部監査人(CIA)の主な仕事は内部監査です。従業員や取締役などが不正を行っていないかどうか、ルールにしたがって業務が行われているかどうかを、あらかじめ定められたチェック項目を用いて監視・助言し、必要に応じてチェック項目の見直しも行います。
また、経営者の視点から現場の職務を観察し、業務の効率化やより高い収益性をもたらす改善案を経営陣に意見することも内部監査人の重要な業務です。全社を横断して業務に目を配る内部監査部門は、欧米では経営幹部への登竜門ともみなされています。
より高い年収を求める公認内部監査人(CIA)有資格者が選択できるキャリアパス
公認内部監査人(CIA)の有資格者は、経験を積みながら役職を目指したり、経営に近いポジションへキャリアを広げたりすることで、より高い年収を実現できる可能性があります。ここでは、CIA資格取得者が目指せる代表的なキャリアパスを紹介します。
幹部に近いポジションを目指す
基礎的な実務を担当するスタッフクラスからスタートした方は、現場の指揮を執るマネージャー、部門の運営方針を決定するディレクター、シニアマネージャーへと昇進していくルートがあります。
キャリアアップに伴って基本給や各種手当が底上げされていけば、自ずと年収も上がってくるはずです。現在の勤務先で昇進の機会が限られている場合は、マネージャーやディレクターなどのポジションを募集している企業へ転職することも、有効な選択肢となります。
なお一般的に、内部監査部門のトップはCAE(内部監査最高責任者)です。CAEは経営層に対して直接レポートを行う立場であり、単なる監査業務の統括者ではありません。組織の戦略的な意思決定にも深く関与するため、多くの企業では役員クラスと同等の高い年収や報酬体系が用意されています。
関連資格を取得して専門性を極める
内部監査の業務においては、リスク管理やIT監査、不正調査、内部統制など幅広い知識が必要です。CIA資格取得者は関連資格を取得して専門性を客観的に示すことが、市場価値の向上につながります。
例えば、不正調査の専門資格である公認不正検査士(CFE)や、IT監査の専門資格である公認情報システム監査人(CISA)を取得すれば、それぞれの分野に強みを持つ人材として評価されやすくなります。また、リスク管理に特化した公認リスク管理監査人(CRMA)や、IPO準備企業で役立つIPO・内部統制実務士なども、キャリアの幅を広げる資格として有効です。
資格手当を支給する企業であれば、資格の取得が収入アップに直結します。また、ダブルライセンスやトリプルライセンスで市場価値を高めれば、より年収の高い企業・ポジションへの転職も選択肢に入れやすくなる点もメリットです。
英語力を高めて転職する
企業のグローバル化が急速に進むなかで、国境を越えた事業管理や海外子会社の監査に対応できる人材の価値は高まり続けています。CIA資格取得者がより高い英語力を身につけることで、外資系企業やグローバル展開する日本企業への転職の選択肢を広げることが可能です。海外監査や国際プロジェクトに携わる機会が増えれば、年収アップを実現しやすくなるでしょう。
外資系企業や、海外展開のある日系ハイクラス企業への転職を目指す場合の英語力は、TOEIC700点以上が目安となります。さらに、高度なビジネスシーンにも対応できるTOEIC850点レベルになると、海外拠点との連携が多い内部監査・内部統制ポジションなどを担当することで、年収アップを実現できる可能性があります。
公認内部監査人(CIA)有資格者が年収アップを目指しやすい業界
内部監査やリスク管理の重要性が高い業界ほど、CIA資格取得者への需要が高い傾向が顕著です。ここでは、CIA資格を活かして活躍しやすく、比較的高い年収を実現できる可能性がある業界を紹介します。
金融業界
預金者や顧客の資産を直接扱うという性質上、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関は、厳格な法令・規制のもと、法令遵守とリスク管理体制の整備が強く求められています。高い専門知識と実務能力を持つ内部監査人の需要は高く、高年収を提示する求人も少なくありません。
さらに、大手金融機関や外資系金融機関では、海外拠点を含めた監査やグローバルなリスク管理に携わるポジションの募集も散見されます。CIA資格に加えて高い英語力・法務領域に関する幅広い知識を備えていれば、年収レンジの高いポジションへの応募・昇進のチャンスが広がりやすくなります。
IT・テクノロジー業界
IT・テクノロジー業界は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により急速に成長する一方、不正アクセスや情報漏洩、システム障害などのリスクも高まっています。強固な内部統制やガバナンス体制を構築・運用できるCIA有資格者への需要が、特に高い業界の一つです。
また、クラウドやAIを活用した新たなビジネスモデルの普及に伴い、情報セキュリティやITガバナンスの専門人材の重要性も増しています。公認情報システム監査人(CISA)などのIT監査関連資格を併せて取得している人材の需要は高く、高年収で採用されることも少なくありません。IT企業だけでなく、日系ハイクラス企業や外資系IT企業でも活躍の機会が多くあります。
コンサル業界
近年は、内部統制やガバナンスの強化を進める企業が増えており、内部監査体制の構築や改善を支援できる人材への需要が高まっています。コンサル業界も、公認内部監査人(CIA)有資格者が年収アップを目指しやすい業界の一つです。
コンサルティングファームでは、内部監査体制の構築支援や内部監査業務のアウトソーシング・コソーシング、J-SOX対応、IT監査、ERP導入に伴う内部統制の整備など、幅広いサービスを提供します。CIA資格を持つ人材は、内部監査に関する専門知識と実務能力を備えた即戦力として評価されやすく、採用やプロジェクトへのアサインで有利になることも少なくありません。
またコンサル業界は、ジョブ型雇用を背景に、役割と責任に応じた評価体系を採用する企業が多く見られます。十分なスキルや実績を備えた方は、成果や働きに見合った年収やポジションを得やすい傾向です。
公認内部監査人(CIA)に関してよくある質問
Q. 公認内部監査人(CIA)有資格者にはどのような転職先がありますか?
A. CIA(公認内部監査人)の資格は、内部監査をはじめ、リスク管理、コンプライアンス、内部統制など、企業のガバナンスに関わる職種で活かせます。一般企業の内部監査部門だけでなく、金融機関や監査法人、コンサルティングファームなどで、内部統制の評価やリスク管理、監査業務に携わるキャリアも考えられます。
ただし、CIA資格だけで転職先が決まるわけではなく、実務経験やこれまでの専門性も重要です。転職を検討する際は、資格に加えて、監査・経理・財務・リスク管理などの経験をどのように活かせるかを整理することをおすすめします。
Q. 未経験からでも公認内部監査人(CIA)を取得すれば内部監査へ転職できますか?
A. CIAを取得することで内部監査に必要な知識を証明しやすくなりますが、資格を取得すれば必ず未経験から内部監査へ転職できるわけではありません。中途採用では、内部監査の実務経験に加え、経理・財務、コンプライアンス、リスク管理、内部統制など、関連する業務経験が評価されるケースがあります。
未経験から内部監査を目指す場合は、CIAの学習と並行して、これまでの業務で培った分析力やリスク管理、業務改善などの経験を整理し、内部監査でどのように活かせるかを具体的に伝えることが重要です。
Q. 公認内部監査人(CIA)資格を生かして転職するコツはありますか?
A. CIA資格を転職に活かすには、資格を取得した事実だけでなく、そこで得た知識を実務でどのように活用できるかを具体的に伝えることが重要です。例えば、内部統制の評価、リスクの特定・分析、業務プロセスの改善など、応募先の業務に関連する経験があれば、具体的な成果とともにアピールするとよいでしょう。
また、外資系企業では海外拠点や本社との連携が必要な求人もあるため、英語力やグローバルな監査・内部統制に関する経験が評価される場合があります。資格だけを強みにするのではなく、これまでの実務経験や専門性とCIAを組み合わせ、自身ならではの強みとして伝えることをおすすめします。
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企業を取り巻くリスクが複雑化するなか、企業にとって内部監査やリスク管理の重要性は高まる一方です。公認内部監査人(CIA)有資格者の市場価値は高く、高年収を提示する求人もさまざまあります。
さらなるキャリアアップ・年収アップを目指す方は、CIA資格を強みに転職を検討することも一つの方法です。
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エンワールド編集部
外資系・日系グローバル企業のハイクラスに精通するエンワールドの編集部員が、転職やキャリア、日々の仕事のお悩みに役立つ情報を執筆します。