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外資系化学メーカーへの転職を考えると、「専門知識が必要でハードルが高いのでは?」と不安を抱く方も多いのではないでしょうか。実際、技術系職種では高度な専門性が求められますが、営業・マーケティング・バックオフィスなど、これまでの経験を活かして挑戦できるポジションも数多く存在します。外資系と日系の文化の違いや、求められるスキル、平均年収の水準などを理解すれば、自分に合うキャリアの方向性が見えてきます。
本記事では、外資系化学メーカーの転職事情、主要職種の特徴、未経験者が押さえるべきポイントまで、わかりやすく整理して解説します。知っておくべき情報を先に把握することで、転職後のミスマッチや後悔を避け、安心して次のキャリアに踏み出せるはずです。
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外資系・日系化学メーカーの違い
化学メーカーは外資系か日系かによって、それぞれ企業の特徴が大きく異なります。
例えば、日系大手は海外売上比率が高く、グローバル展開も積極的であるものの、一般的に日系化学メーカーは国内市場に強みを持ち、日本顧客向けに製品やサービスを展開する企業が多いです。一方、外資系化学メーカーは世界市場に向けてグローバルに事業展開を軸に、日本市場にもローカライズ対応を行う企業が大半です。それにともない、職種や役職によっては高い語学力が求められることも珍しくありません。
また、日系化学メーカーは人事異動などを通して、社員一人に幅広い業務を経験させる人材育成スタイルが基本ですが、外資系化学メーカーではより専門分野に特化した人材を求める傾向があります。
このほか、一般的な傾向として、日系化学メーカーは合意形成を重視するのに対し、外資系化学メーカーは個人の裁量権が大きく、業務上の意思決定がスピーディーです。
化学メーカーへの転職を希望している方は、転職後のミスマッチを防ぐためにも、両者の違いを事前にしっかりと理解しておきましょう。
外資系化学メーカーの転職事情
外資系化学メーカーの転職事情を、経験者・未経験者の2パターンに分けてそれぞれ見ていきましょう。
経験者の市場価値は高め
外資系化学メーカーの多くは、特定分野への専門性が高い人材を積極的に採用しており、特に技術職においてはその傾向が顕著です。
例えば、特定の製品の研究・分析の実務経験がある方や、商品開発のプロセスに役立つ国際規格や安全規制に関する知識などを保有している方であれば、関連領域において外資系化学メーカーへの転職をスムーズに叶えられる可能性が高いです。
このほか、企業によって、アプリケーションエンジニア、テクニカルアカウントマネージャーなどと称されることもあるテクニカルセールスやテクニカルサポートなどの経験者も、外資系化学メーカーで重宝されやすい人材といえます。特に、近年成長が著しい半導体や電子部品分野への知見が深い方は、より効率的にほかの転職者と差別化を図れるでしょう。
業界未経験者は職種選びに注意
業界未経験者の場合は、上手に職種選びすることで外資系化学メーカーへの転職を実現しやすくなります。
上述したように、技術職への転職は経験者でないとハードルが高いですが、営業職やバックオフィス職など、今まで他業種で培ってきた知識や経験を活かして働ける職種であれば、未経験からでも外資系化学メーカーへ転職することは可能です。
さらに応募先企業が求める人物像や企業カラーなどを事前に詳しくリサーチしておくことで、より自身と親和性の高い企業への転職を叶えやすくなるでしょう。
外資系化学メーカーの平均年収ランキングTOP10
後悔のない転職を実現するには、外資系化学メーカー各社の平均年収を理解しておくことも重要なポイントです。
ここでは、「エンゲージ会社の評判」をもとに、外資系化学メーカーの平均年収ランキングTOP10(※)を紹介します。
(※)本ランキングは、2025年11月時点で参照したデータをもとに作成しています。ランキングとデータは、時期によって変動する可能性があります。
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企業名 |
平均年収 |
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1位 |
SHPPジャパン合同会社 |
930万円 |
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2位 |
メルク株式会社 |
897万円 |
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3位 |
エボニック ジャパン株式会社 |
891万円 |
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4位 |
BASFジャパン株式会社 |
779万円 |
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5位 |
シンジェンタジャパン |
767万円 |
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6位 |
ヘンケルジャパン株式会社 |
728万円 |
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7位 |
日本エア・リキード株式会社 |
666万円 |
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8位 |
サンゴバン株式会社 |
639万円 |
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9位 |
日本ゴア合同会社 |
636万円 |
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10位 |
ジョンソン・マッセイ・ジャパン合同会社 |
624万円 |
上位企業の多くは、日本市場だけでなくグローバル市場においても高い利益を挙げています。
特に1位のSHPPジャパン合同会社は、再生可能原料を使ったポリカーボネート樹脂の開発など、環境に配慮した事業展開に強みを持っています。化学業界は原料や生産工程での環境負荷が大きいため、サスティナビリティを意識した技術や製品開発に注力する企業は、今後も業界内での競争力を高めていくでしょう。
これらの要素が複合的に影響したことで、トップ企業は日本法人においても比較的高い給与水準を維持していると考えられます。
また、国税庁が発表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、国内民間企業の正社員の平均年収は約545万円でした。上位10社はいずれもこれを上回っており、外資系化学メーカーの給与水準の高さが伺えます。
参照:国税庁長官官房企画課|令和6年分 民間給与実態統計調査 調査報告書
外資系化学メーカーの主な職種
ここからは、転職先の候補となる外資系化学メーカーの主な職種を5つ解説します。
技術系
技術系の職種は、主に研究開発(R&D)と技術開発の2職種があります。
研究開発(R&D)
研究開発(R&D)職は、主に新素材や化学製品の開発・改良などを担当する職種です。高度な化学知識やデータ解析力、独自性の高い発想力などが求められます。
専門性が高く経験やスキルの有無が重視されるため、経験者の転職に向いており、業界未経験者には転職の難易度が高いといえます。
技術開発
技術開発職は、研究開発(R&D)で得られた成果を、実際の製品に応用するのが主な業務です。化学の専門知識に加え、既存製品の性能や課題を理解する力や、研究成果を製品化するための応用力などが求められます。
研究開発(R&D)と同様に、専門性が高く高度な知識や経験が求められるため、未経験からの転職は難しい職種といえます。
生産管理
生産管理職は、工場運営や生産過程の管理、製品の品質管理を行う職種です。生産の効率化や安全性の確保など、製品化において重要な役割を担います。
生産管理職に求められるのは、品質管理や在庫管理の経験に加え、生産プロセス全体を見渡して管理できる力です。そのため、これまでに同様の業務経験があれば、業界未経験でも生産管理職に転職できる可能性はあるでしょう。
営業
営業職は、外資系化学メーカーのなかでも特に未経験者が転職しやすい職種のひとつといえます。
たとえ業界未経験であっても、社内の研修や勉強会などで正しい知識を身につければ、業務で通用するレベルの製品知識を習得することは可能です。
営業職においては専門知識よりも、顧客のニーズを汲み取り、的確に提案できる営業力が求められることが多いです。同様のスキルがあれば、業界未経験者でも活躍できるでしょう。
なお外資系の企業においては、技術系と営業のハイブリッド型職種を明確に求める傾向があります。
マーケティング
マーケティング職は、市況や業界のトレンド、顧客ニーズを調査・分析し、販売戦略を立案する職種です。
化学の専門知識よりも、調査・分析力やマーケティング経験が重視される傾向が強いです。そのため、業界未経験者でも比較的転職しやすく、マーケティングスキルがあれば即戦力として評価されやすい職種です。
バックオフィス系
バックオフィス職も、業界未経験者が転職しやすい職種のひとつです。
バックオフィスの仕事は総務・経理・人事など、製品そのものに直接関わらないものも多く、化学の専門知識がなくても業務に支障をきたすことがあまりありません。
これまでの事務経験や管理業務のスキルを活かしやすく、未経験でも比較的狙いやすい職種といえます。
未経験から外資系化学メーカーに転職するには?4つのポイント
未経験から外資系化学メーカーに転職するための、4つのポイントを解説します。
経験スキルを活かせる職種を選ぶ
技術職においてはどの企業でも経験者が優遇される傾向にありますが、これまでのスキルや経験を活かせる職種に絞って転職活動を行えば、未経験者であっても外資系化学メーカーへの転職を叶えることは可能です。
例えば、営業経験がある場合は、セールス部門やカスタマーサクセス部門など、顧客対応力や提案力を活かせる現場で活躍できます。マーケティング経験がある方は、市場分析や販売戦略の立案など、販売促進に関わる業務で力を発揮できるでしょう。
未経験から外資系化学メーカーへの転職を目指す際には、自分の経験をどの職種に応用できるかを見極めることが非常に重要です。
英語力をアピールする
職種や役職によって程度の差はあるものの、本社とのやりとりや海外顧客対応などの場面で、外資系化学メーカーでは業務中に英語を使用する機会があります。
一定レベルの英語力があれば、他の転職者との差別化を図りやすくなり、外資系化学メーカーへの転職を叶えやすくなるでしょう。
応募先企業の募集要領に英語力に関する記載がなかったとしても、TOEICで高得点を取っている場合や英語での実務経験がある場合は、面接で積極的にアピールすることをおすすめします。
業務に活かせる資格を取得する
上述したように、外資系化学メーカーでは専門性の高い知識や技術、経験が求められる職種が多々あります。そのため、企業が求めるスキルを保有していることを客観的に証明できる資格を取得しておくことで、面接時に好印象を与えやすくなるでしょう。
特に危険物の取り扱いや法規制チェックなどの業務は、資格保有者でないと従事できない場合が多いです。そのような業務に活かせる資格を取得しておくことで、未経験者の市場価値がぐっと高まります。具体的な資格例として、以下のようなものが挙げられます。
- 危険物取扱者(甲種)(※1)
- 衛生管理者(第一種)(※2)
- 公害防止管理者(※3)
- エネルギー管理士(※4)
- 有機溶剤作業主任者(※5)
(※1)参照:一般財団法人消防試験研究センター|危険物取扱者試験
(※2)参照:公益財団法人安全衛生技術試験協会|第一種衛生管理者試験
(※3)参照:一般社団法人産業環境管理協会|公害防止管理者等国家試験
(※4)参照:一般財団法人 省エネルギーセンター|エネルギー管理士試験
(※5)参照:一般社団法人労働技能講習協会|有機溶剤作業主任者技能講習
外資系化学メーカーに強い転職エージェントを利用する
化学メーカーに限らず、高年収を狙いやすい外資系企業は転職市場で競争率が高く、特に未経験者はさらにハードルが上がる傾向があります。
そのため、効率的に理想の転職を実現するには、単独で活動するよりも実績のある転職エージェントを活用する方法がおすすめです。
外資系化学メーカーに強いエージェントを利用すれば、業界知識を持つコンサルタントから適切なサポートを受けられるほか、一般には公開されていない非公開求人にもアプローチできるため、よりスムーズな転職を叶えやすくなるでしょう。
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業界未経験者でも、職種選びに注意しポイントを押さえて転職活動を行えば、外資系化学メーカーへの転職を実現できる可能性はおおいにあります。
自身の市場価値を高め、ほかの転職者との差別化を図りたい場合は、業務に活かせる専門性の高い資格を取得しておくのもよいでしょう。
より効率的に外資系化学メーカーへの転職を実現させたい方は、実績が豊富な転職エージェントを利用するのも一案です。
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執筆者: エンワールド編集部
外資系・日系グローバル企業のハイクラスに精通するエンワールドの編集部員が、転職やキャリア、日々の仕事のお悩みに役立つ情報を執筆します。