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カバーレターって何を書けばいいの?英文履歴書とどう役割が違うの?――外資系・日系グローバル企業への応募で求められる“cover letter”ですが、日本の応募書類と形式も目的も異なるため、戸惑う方は少なくありません。実はカバーレターは単なる添え状ではなく、採用担当者が「この人のレジュメを読みたい」と思うかどうかを左右する重要書類。
本文では、必ず押さえるべき記載項目、志望動機・自己PRの伝え方、サンプルを使った具体的な書き方、そして提出前のチェックポイントまでわかりやすく整理しています。初めて作成する方はもちろん、「自己流で作ってきたけれど本当にこれでいいの?」という方にも役立つ内容です。
カバーレター(cover letter)とは
カバーレター(cover letter)とは、英文履歴書(レジュメ)に添える送付状、いわゆる添え状のことです。一般的に外資系・日系グローバル系企業への就職・転職活動の際、英文履歴書とあわせて提出します。
しかし、カバーレターは添え状といっても、日本語の履歴書に添付するもののように簡単な挨拶を述べる役割だけではありません。
カバーレターには志望動機や自身のスキル経験をふまえ、いかに自身が応募職種にて貢献できるかを記載し、採用担当者はその内容次第で英文履歴書に目を通すかどうか、面接に進めるかどうかを判断します。
そのため、カバーレターは単なる添え状に留まらない、採用における重要な書類のひとつといえます。
カバーレター(cover letter)と英文履歴書(レジュメ)の違い
カバーレター(cover letter)と英文履歴書(レジュメ)では、役割が異なります。
カバーレターは熱意を伝える志望動機のほかに、自分の経歴や保有するスキルを簡潔に挙げ、応募したポジションに求められる能力があることを主張するのが主な役割です。そして、その裏付けの役割を果たすのが英文履歴書(レジュメ)にあたります。
英文履歴書には志望動機や自己PRを記載しないため、内定を獲得するには、まずカバーレターで採用担当者の興味・関心を引くことが重要です。このように、カバーレターは英文履歴書を補完する書類といえます。
関連記事:【例文】英文履歴書(英文レジュメ・CV)の書き方|基本ルールから提出前のチェックリストまで
【サンプル付】カバーレター(cover letter)の記載項目・書き方
▼カバーレターのサンプル
ここでは、カバーレター(cover letter)に記載する項目とそれぞれの書き方を解説します。
自分の氏名・連絡先
カバーレターでは最初に自分の氏名と連絡先を記載します。具体的には氏名・住所・電話番号・メールアドレスの順が基本です。なお、住所は日本語で記載するときとは逆で、建物名と部屋番号を最初に、番地・市区町村・都道府県・郵便番号と続けて書きましょう。
日付
日付は書類を提出する日、あるいは投函する日を、月・日・年の順に記入します。ただし、カバーレターはフォーマルな書類のため、「February 6th, 2020」のように月の表記は数字でなく月名で表記しましょう。
宛名・宛先
宛先・宛名の記載も必要です。応募企業の住所や名称、採用担当者の名前を記入しましょう。
「Dear Hiring Manager(採用担当者様)」「To Whom It May Concern(ご担当者様へ)」など、相手を特定しない記載方法もありますが、可能であれば担当者の名前を問い合わせたうえでフルネームを記載すると、より丁寧な印象を与えられます。
件名
提出書類がどのような目的の書類であるかを件名として記載します。
件名を記載する際は「RE:」という書き出しがよく用いられます。「RE:」とは「~について」という意味で、英文レターにおいてよく使われる表現です。電子メールにおける「Reply(返信)」の意味はありません。
「RE:」に続く形で、どのような仕事に応募したいと考えているかを簡潔に伝えましょう。
担当者名
本文へ入る前に「Dear ○○(担当者名)」と、挨拶を兼ねて担当者名を記載しましょう。宛名と同様に、担当者名はフルネームを記載すると、より丁寧な印象につながります。
なお、担当者名はスペルミスがないよう十分注意しましょう。相手の名前を正しく記載することは、ビジネスコミュニケーションにおける基本的なマナーといえます。
本文
本文には主に3つの内容を記載します。
希望職種・応募経緯
本文の最初の要素として、どの職種へ応募しているのか、どのような経緯で応募に至ったのかを記載します。希望職種・応募経緯を具体的に記入することで、カバーレターが使い回しではないことをアピールするのにも役立ちます。
志望動機・自己PR
本文の次の要素は志望動機と自己PRです。英文履歴書(レジュメ)に書ききれないことは、ここでアピールしましょう。
保有するスキルや経歴を述べるとともに、応募した職種でどのように貢献できるのか、これまでの実績をふまえながら具体的なエピソード・データを用いて伝えていきます。
感謝の気持ち
本文の最後の要素は、カバーレターをここまで読んでくれたことに対する感謝の気持ちです。一般的には「Thank you for ~」と書き出します。
また、ここでは応募企業で働きたいという熱意や意欲、本気で面接を希望していることをあらためて伝えることが重要です。そのためには、いつどのようにコンタクトがとれるか、電話番号やメールアドレスを再度添えるように記載しておくと効果的です。
結びの言葉
日本語で手紙を書くときに「敬具」といった結びの言葉を用いるのと同様に、カバーレターでも結びの言葉を本文の最後に添えます。
カバーレターで使える結びの言葉には、以下のようにいくつかの種類があります。
- Sincerely
- Yours faithfully
- Best regards
- Cordially
なお、結びの言葉は感謝の気持ちを述べたあと、1~2行の間隔を空けてから記載するのが基本です。
署名
日本語の書類は押印することが多い一方、多くの国ではサインによって自分の作成した書類であることを証明します。自分のフルネームを印字した少し上に自筆でサインをしましょう。
同封書類の説明
採用に影響を与えるものの、カバーレターはあくまでも添え状です。そのため、必ず英文履歴書(レジュメ)を同封したうえで、最後に封入している書類の説明を入れましょう。
具体的には「Enclosure(複数ある場合はEnclosures)」と記し、「Resume(履歴書)」など同封書類の種類を明記します。
提出前に確認!カバーレター(cover letter)の作成・送付における9つの注意点
カバーレター(cover letter)作成・送付時の注意点を9つ解説します。提出前に必ず確認し、魅力的な応募書類に仕上げましょう。
A4用紙1枚にまとまっているか
カバーレターはA4用紙1枚にまとめるのが基本です。採用担当者は何人もの応募書類に目を通すため、一人ひとりにじっくり時間をかけられないこともあります。
そのため、カバーレターに記載する内容は要点を絞り、簡潔な文章で効果的にアピールすることを心がけましょう。
一人称「I」を多用していないか
一人称「I」を多用していないかを確認しましょう。一人称「I」を多用することは、日本語に置き換えると「私は」を連呼するのと同じです。
多くの文章を「I」ではじめてしまうと、すべての物事を主観的な視点から語っているような印象になるため、自己中心的な印象を持たれてしまう可能性があります。
英文履歴書(レジュメ)と内容が重複していないか
カバーレターの英文履歴書(レジュメ)は役割が異なるため、内容が重複していないかを確認しましょう。
カバーレターには、強みやアピールポイントを端的に述べる目的があります。そのため、特に重要な部分をカバーレターに記載し、詳細は英文履歴書で語る形をとりましょう。
内容の重複を避けるためには、英文履歴書の文章をカバーレターへそのままコピーするのではなく、要点を抜き出してカバーレター用にまとめることをおすすめします。
自己PRは応募するポジションと関連性があるか
カバーレターに記載する自己PRは、自分が応募職種に適しているとアピールできるよう、応募するポジションと関連性のある内容にしましょう。
自己PRとしてスキルを述べる際は、単にスキルを羅列するのではなく、どの程度のレベルなのか、どのような実績があるのかを具体的かつ客観的に書くのがおすすめです。
文法・スペル・言い回しに間違いがないか
カバーレターはフォーマルな書類のため、誤字脱字がないことはもちろん、文法や言い回しに間違いがないかも確認しましょう。
誤字脱字は丁寧さに欠ける印象を与える可能性があるほか、文法や言い回しに間違いがあると「英語力が備わっていないのではないか」という懸念を持たれる恐れがあります。
そのため、可能であればネイティブに確認・添削を依頼し、記載内容に問題がないかを確かめてもらいましょう。
複数の企業で使い回していないか
求人内容と記載したアピールポイントにズレが生じることもあるため、カバーレターの使い回しは避けましょう。使い回しを疑われてしまうと、魅力的な応募書類であっても面接につながらない恐れがあります。
カバーレターは選考の第1段階であると考えることが大切です。一つひとつのカバーレターに企業研究の結果を反映させ、採用担当者に入社意欲を感じてもらえるよう仕上げましょう。
提出する際のファイル形式に指定はないか
カバーレターを含む応募書類を提出する際は、指定されたファイル形式がないかを必ず確認しましょう。
最近は紙ではなくメールでの提出を求められるケースが増えています。メールでの提出が求められる場合、企業からPDFやWordなどのファイル形式を指定される場合もあります。
指定されたものとは異なるファイル形式で送付すると、確認不足としてマイナスな印象につながりかねません。
ファイル形式に指定がないかを確認したうえで、もし指定がない場合は文字化けやレイアウトの崩れを防げるPDFでの提出がおすすめです。
メールの件名は見分けやすい文言になっているか
応募書類をメールで送付する場合、件名には自分の氏名と応募する求人を記載し、採用担当者が見分けやすい文言にしましょう。
なお、メールソフトによってはテキストの色を変えたり、下線や太字などの装飾ができたりすることもあります。
しかし、採用担当者が使用しているメールソフトの種類によっては、意図した結果が現れないことや表示が崩れる恐れもあるため、テキストの装飾は避けておくと安心です。
メールで送付する添付ファイルは正常にダウンロードできるか
応募書類をメールで送付する際は、添付したファイルが正常にダウンロードできるかを確認しておくと安心です。
確認のため、採用担当者に送る予定のメールを自分に向けて送信し、添付ファイルを一度ダウンロードしてみてください。
正常にダウンロードでき、文面にも問題がなければ、同じメールを採用担当者へ送付しましょう。
まとめ:効果的なカバーレター(cover letter)で外資系・日系グローバル企業への転職を目指す方はエンワールドへの登録をご検討ください
カバーレター(cover letter)は添え状の役割があると同時に、英文履歴書(レジュメ)には書ききれない入社に対する熱意や意欲を伝えるための重要な応募書類です。
そのため、基本的な記載項目・書き方を押さえたうえで、効果的かつ魅力的な内容に仕上げる必要があります。日本語の応募書類とは異なる注意点もあるため、作成時だけでなく、提出前にも内容や書き方を再確認しておくと安心です。
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執筆者: エンワールド編集部
外資系・日系グローバル企業のハイクラスに精通するエンワールドの編集部員が、転職やキャリア、日々の仕事のお悩みに役立つ情報を執筆します。