自社に合った優秀な人材を採用するために「面接」で大切なこと

2023.08.30
自社に合った優秀な人材を採用するために「面接」で大切なこと

企業の成長や発展のために自社で活躍してくれる優秀な人材を獲得するためには、採用面接の場で、企業側が「いかに候補者の適性や資質を見抜いていくのか」という点が挙げられます。同時に、応募者側が自社に好印象を持ち理解を深め、入社意欲をより高く持ってもらえるような対応を行うことも重要です。

この記事では、せっかく自社に興味を持ってくれた候補者が「面接での良くない対応」が理由で辞退を選択しないよう、その重要な役割を果たす面接官の心構え・注意すべきポイントなどについてお伝えします。「自社採用で活躍できる優秀な人材を獲得したい」とお考えであれば、ぜひ参考にしてください。

|入社意欲を高めるための「面接官の役割」とは 

候補者が入社意欲を高められるような「面接」を目指すためには、「面接官の役割」の明確化とその把握実践がキーポイントとなります。 

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面接官が担う役割には、主に次の4つがあります。 

候補者に寄り添い不安や疑問を解決する「フォロワー」 

採用プロセスの始まりから終わりまで、一貫して候補者の味方に徹し、候補者に寄り添いながら、不安や疑問を一つひとつ解決していく役割です。 

一般的に「フォロワー」は、窓口となる人事担当や現場マネージャーメンバーなどが担います。候補者から聞き出した本音を他の面接官に共有することで、候補者に適した選考フローを組み立てたり、候補者がインパクターやクローザーに会いたいと思うよう話をしたりします。 

 

入社意欲を高め志望動機をつくる「モチベーター」 

基本的に最初に面接を行うのはモチベーターで、候補者が描く将来像を察し、「入社後、会社でどのような役割を担っていけるのか」を候補者が具体的にイメージできるよう導くことで、候補者の入社意欲を高め志望動機を形成し次のステップに繋げます。 

一般的には、人事担当や現場マネージャーがモチベーターを担うことが多く、フォロワーとモチベーターは同じ人が兼ねることもあります。 

 

新たな視点を与え強烈な印象をつくる「インパクター」 

候補者に対し、新たな気づきや視点(=インパクト)を与えることで、「この会社はやはり素晴らしい!」「この会社で一緒に働きたい」と確信できるような強い動機づけを行う役割です。インパクターは、社内での活躍が目覚ましく優秀な従業員、例えば、トップ営業マンやエンジニア、部長役員クラスに担ってもらうことが効果的です。優秀な人材を獲得するためには、インパクターの役割が特に重要となるため、候補者へインパクトを与えるには誰が最適かを十分に検討しましょう。 

 

不安や懸念を排除し入社への決断へと導く「クローザー」 

候補者を見極め、候補者に覚悟を持って入社を決断することを迫り、内定承諾・入社へと導く役割です。一般的には、社長や役員が担います。 

候補者に不安要素や懸念要素があれば払拭し、入社へ導きます。  

 

人事担当者は、候補者のタイプや選考フローに応じて、これらの役割を担う一人もしくは複数人として、社内の誰が適切かを見極め、アサインすることが重要です。 どうしても獲得したい優秀な候補者の場合、全ての役割を社長や役員が担うこともあり得るでしょう。 

 

|自社採用を行う際の面接官としての心構え 

面接官として前述のどの役割を担うにしても、候補者に好印象を与えたり、話しやすい環境をつくったりすることは大切なことです。ここでは、面接官として心がけるべきスタンスや振る舞いの主なポイントを説明します 

会社の代表であるという気持ちで臨む 

候補者にとって面接官は出会える数少ない会社の人間であり、面接官が与える印象次第で企業のイメージは大きく変わります。また、面接官は候補者にとって、未来の同僚・先輩・上司になり得る人物であり、面接官の振る舞いや行動は候補者の動機形成にも大きく影響します。 

面接に望む際は、企業の顔として、信頼感や安心感を与えられるような対応を心がけることが大切です。特に昨今は、不適切な対応があればSNSなどで広がってしまうリスクもあるので、注意が必要です。 

 

候補者がリラックスして話せる場をつくる 

候補者ができるかぎりリラックスした気持ちで自分の状況や考えを素直に表現できるような場づくりも大切です。場の雰囲気を和らげるために、明るい表情を心がけたり、適度な相槌を意識したりと細かい配慮を心掛けましょう。候補者の本音を引き出すことで、その人のことをより正しく理解でき、有意義な面接を行うことができます。 

 

候補者からも選ばれる関係であることを忘れない 

時に、面接とは、面接官(企業)が候補者を見極めるプロセスと誤解してしまうことがありますが、そのような意識で高圧的な態度をとってしまうと、候補者に悪い印象を与え採用に至らない可能性があります。 

面接において、面接官と候補者はお互いが選び、選ばれる対等な立場であることを意識し、丁寧に接することを心がけましょう。 

 

身だしなみやマナー、清潔感を大切にする 

面接官同様、候補者も限られた時間の中で、あらゆる角度から企業を評価しようとします。面接官の見た目や振る舞いなどにもある程度判断を左右されるため、好印象を与えられるよう身だしなみを整えたり、マナーには気をつけましょう。 

また、自身の身だしなみやマナーだけでなく、面接会場や候補者の控室、それまでの通路など、清潔感のある環境整備にも力を入れることが大切です。 

 

|優秀な人材を採用するための自社採用面接のポイント 

これまで面接官の役割や心構えについて説明してきましたが、ここでは実際に転職者へ実施した採用面接に関する調査結果を参考に、自社採用面接の際にさらに押さえておきたいポイントについて見ていきます。

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転職者の8割が面接・選考内容による志望度の変化を経験 

エンワールド・ジャパン株式会社が2022年に実施した中途採用における面接実態調査によると、次のような結果が見られました。 

 

  • 転職者の8割が面接・選考内容による志望度の変化を経験したことがある 
  • ミレニアル世代の6割で、「人事担当者が丁寧・親切だった」「面接官の人柄が良かった」が企業の志望度に好影響を与えた 
  • 志望度を下げる理由の第1位は「面接官の人柄・マナーの悪さ」と約5割が回答 
  • 面接時にオンライン・対面形式を選択できるかどうかが志望度へ与える影響は5%以下に留まる 

ミレニアル世代:2539歳、X世代:4059歳、ベビーブーマー世代:60歳以上とする 

 

このように、面接官の人柄やマナーが候補者の志望度に実際に大きく影響していることがわかり、前述の面接官の心構えで挙げた事柄の大切さがわかります。 

 

また調査において「志望度が下がった、企業に良くない印象を持った」理由として、 

 

  • ほとんどの質問に明確な回答がなく、面接官に活力が感じられなかった。(医療・福祉・製薬/課長・係長・主任クラス/40代) 
  • 無意味な質問ばかりで、面接官としてのレベルが低いと感じた。(コンサルティング/課長・係長・主任クラス/50代) 

 

などがあり、面接における質問の重要性や面接官としてのレベルアップの必要性も見られます。 

 

 

【参考】エンワールド|エンワールド・ジャパン登録者に聞く、世代別 面接実態調査 

 

採用面接のポイント 

調査結果からもその重要性が浮き彫りになった質問をはじめ、有意義な採用面接のために準備しておきたい事柄のポイントをいくつか説明します。 

・適切な質問を行うため事前準備を行う 

就職差別につながるおそれがある質問やハラスメントにつながるおそれがある質問はNGです。 

面接という限られた時間の中で、「候補者が自社業務への適性や能力を持っているのか」、「自社の価値観に合った人材なのか」を判断できるような質問を複数事前に準備しておきましょう。 

万が一、的外れな質問をしてしまうと、候補者の志望度に影響する可能性もあります。面接を進める中で、準備しておいた質問内容を候補者に合わせて調整することも必要です。 

 

・質問されそうなことを洗い出して準備しておく 

逆に、候補者からの質問に適切に答えることも、候補者に良い印象を与え志望動機を強く形成するために重要です。 

候補者からの質問には、志望に際しての不安などが反映されているものもあるため、回答によって入社への迷いを取り払うこともできます。 

最近中途採用で入社した従業員にヒアリングなどを行い、想定される質問に対する回答を準備しておくことも有効です。 

 

・ロールプレイングを行い面接スキルを上げる 

面接に対する注意ポイントを頭で理解するだけでなく、実践してみることも大切です。 

面接官と応募者役に分かれ、実際の面接に近い環境で面接のロールプレイングを行うことで、「スムーズな進行」や「話しやすい場づくり」、「アイスブレイクの会話」、「面接官からの質問」、「応募者からの質問への回答」などの各項目について、スキルアップを図りましょう。 

  

・オンライン面接時に気を付けること 

また、オンライン面接を行う際には、対面式面接に比べ特に次のようなことに気をつけましょう。 

 

  • 候補者に目線が合っていると感じてもらえるよう、意識的にカメラを見る 
  • 対面時より反応が伝わりにくいので、相づちや声色の変化はオーバーにする 
  • 対面時より丁寧にアイスブレイクを用い、話しやすい環境づくりを心がける 
  • 意思疎通の配慮を行うため、通信環境や説明内容に不明点がないかを都度確認する 

 

まとめ 

優秀な人材を獲得するには、面接官は候補者が自社に合う人物かどうかを正しく見極めるとともに、面接官としての自分の役割を理解し、候補者の志望動機を高める働きをすることが大切です。 

また、会社の代表として候補者に好印象を与えることができるよう、身だしなみやマナーはもちろん、あらかじめ質問を想定し準備したり、ロールプレイングなどを行ったりと事前準備を積極的に行うことで最適な人材獲得につなげましょう。 
 
今回は自社採用の面接について解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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