【人事用語FAQ】アンコンシャスバイアスとは

2023.04.10
【人事用語FAQ】アンコンシャスバイアスとは

女性が活躍できる社会の実現や高齢者の労働参加など、ダイバーシティを積極的に推進しようという動きがある一方で、ダイバーシティ推進における弊害となりうるものに「アンコンシャスバイアス」というものがあります。

この記事では、アンコンシャスバイアスの内容や事例、影響や改善方法などについてFAQ形式で解説します。

Q. アンコンシャスバイアスとは?

アンコンシャスバイアスは「無意識の思い込み、偏見」と訳され、人が過去の経験や周囲の環境、性別、年齢、人種などを根拠として無意識の内に決めつけてしまう行為全般のことを指します。

 

Q. アンコンシャスバイアスが注目される理由は?

アンコンシャスバイアスが注目されるようになったのは2010年代頃だとされており、その背景には、国籍や人種、雇用形態、性別などに捉われることなく多様性を享受しようという社会の流れや、組織のあり方も多様化したことがひとつに挙げられます。

 

また、企業内での不祥事やハラスメントなどの発生により、企業倫理を見直す必要性が高まったことから、アンコンシャスバイアスが注目されるようになりました。

 

Q. アンコンシャスバイアスの具体例は?

アンコンシャスバイアスは日常生活のさまざまな場面で見られます。

主な具体例は以下の通りです。

 

ステレオタイプバイアス

自身のこれまでの経験や文化的背景から、他者を性別や出身国、肌の色や職業などに基づく先入観や固定観念で判断することです。

 

正常性バイアス

予期せぬ事態が発生した際、無意識にそれを正常の範囲内だととらえて平常心を保とうとすることです。

 

集団同調性バイアス

他人と同じことをすれば大丈夫だろうと思い込み、周囲に同調しようとすることです。この場合、たとえ、自分が他人と異なる意見を持っていても表明はしません。

 

権威バイアス

組織における上位職者の意見は正しいという思い込みから、たとえ他の意見の方が有益だったとしても蔑ろにされてしまうことです。

 

確証バイアス

根拠なく自分が賛同する意見を肯定するような情報のみを参考にし、否定するような情報には注意を払わないことです。

 

現状維持バイアス

現状維持にこだわり変化を好まず、たとえ有益なことであっても未経験のことは安定した状態が崩れるとマイナスとして捉えます。

 

その他のアンコンシャスバイアス

アンコンシャスバイアスには上記以外にも多くのケースがあり、例えば認知バイアスには下記のようなものがあります。

 

  • 慣れ親しんだ解決方法を重宝してしまうアインシュテルング効果
  • 一部の長所だけに注目しすべてを良く捉えるハロー効果
  • 自分の能力が信じられない心理傾向に陥っているインポスター症候群
  • 自分の意見は他人よりもバイアスの影響を受けていないと思い込むバイアスの盲点

 

Q. アンコンシャスバイアスが与える影響は?

アンコンシャスバイアスは、以下の3つの観点で組織や人の成長を妨げ悪影響を及ぼすとされています。

 

評価や意思決定

性別や人種、職位や職級に紐づく先入観や固定概念は、正当な評価や意思決定に悪影響を及ぼします。例えば、同じ能力を持っていても女性より男性を評価したり、新入社員の意見が革新的であっても重要視しなかったりするケースが生まれます。

 

人材配置や昇格、現場意見の採用などにおいて正当な判断ができなくなれば、企業の成長を妨げてしまう可能性があります。

 

ハラスメント

ステレオタイプによる判断は、ハラスメントを引き起こす可能性もあります。たとえば「妊娠中や出産後の女性は仕事よりも家庭を優先したいと考えている」という先入観によって、復職の際に閑職に異動させるといったケースなどです。

 

本人の意向を聞かずに思い込みでキャリアを決めるようなことがあれば、従業員のモチベーション低下を招いてしまうことになりかねません。

 

ダイバーシティ

グローバル化の進展によって、グローバル人材の雇用に積極的な企業も増えつつありますが、肌の色や出身国に対するアンコンシャスバイアスを持っていては、多様な価値観や発想を企業内に取り込むことが難しくなってしまいます。

これによってダイバーシティ推進は妨げられ、グローバル化への適応ができなくなってしまう可能性があります。

 

Q. アンコンシャスバイアスを改善する方法は?

アンコンシャスバイアスを改善する方法として次のようなものがあります。

 

研修などの実施

研修などを通じて従業員のアンコンシャスバイアスに対する理解が深まれば、自身の持っている無意識の偏見や思い込みに気付きやすくなり、対処しやすくなるでしょう。

 

認知テストやアンケートなどの実施

認知テストやアンケートなど、従業員の自己認知力を高めるような施策も有効です。また、判断の前に背景などへ意識を向けて「他に選択肢はないか」と自身に問いかけるよう、従業員に働きかけることも大切です。

 

今回はアンコンシャスバイアスについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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