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外資系の金融企業へ転職したいと検討しているものの、実際に外資系金融がどのような業界なのか、転職するために必要なスキルは何なのかなどを具体的に把握できていない人もいるでしょう。
この記事では、外資系金融の代表的な企業や推定される平均年収、働く上でのメリット、デメリットについて解説します。外資系の金融企業に転職するために必要なスキルや資格も紹介していくので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
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外資系の金融企業とは?
そもそも外資系の金融企業とは、どのような企業を指すのでしょうか。ここでは、外資系金融企業の種類について解説します。

銀行系
金融企業と言えば、「銀行」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、一口で「銀行」と言っても、金融機関や政府機関を取引先とした投資銀行、個人投資家を取引先とする証券、預金や融資がメイン業務となる商業銀行などいくつかの種類があります。
2008年のリーマン・ショックで一度は落ち込んだ世界経済も、各国の大規模な金融緩和政策により回復傾向にありましたが、2020年から本格的に到来したコロナ禍や国際展開の規制強化などにより投資事業は縮小気味のようです。
生命保険会社
近年、日本企業が伸び悩む反面、外資系企業が勢力を拡大しているのが生命保険業界です。少子高齢化の影響で、日本企業が主力商品にしていた死亡保険は契約減が続いているといわれています。そのため大手企業の中には、活路を求めて海外市場へと進出しているところもあります。その一方で、国内において勢力を拡大してきたのが外資系企業だとされています。
日本で活躍する代表的な外資系企業は、郵便事業を運営する企業と提携したり、国内大手生命保険会社を買収したり、テレビCMでもおなじみだったりする生命保険会社ばかりです。
損害保険会社
外資系企業が勢力を拡大する生命保険業界に対し、国内において日本企業がほとんどのシェアを占めているのが損害保険業界といえるでしょう。とはいえ、世界的に大きなシェアを占めているのは外資系企業です。
一般的に、外資系の損害保険会社は特定の店舗を持たず、インターネットや電話でやり取りを行う通販型(ダイレクト型)の商品を販売しています。昨今ではなじみ深いものとなった、通販型の損害保険の先駆けとなったのは外資系企業です。
クレジットカード会社
上場企業の基本情報などが掲載された季刊誌によると、世界シェアの高い上位3社のクレジットカード会社を合わせたカード発行枚数は、約45億枚とされています。銀行からの即時ないしは翌日払いが特徴のデビットカードは、中国のクレジットカード会社が圧倒的シェアを獲得しており、その発行枚数は約50億枚とされています。
こうした外資系クレジットカード企業の業務は、提携企業を増やすための営業活動や企画が多いのが特徴となっています。
投資ファンド
投資ファンド業界は、国内における業界全体の勢いが減退傾向にあります。2008年のリーマン・ショックを受けてなされた国際的な金融規制により、外資系大手投資ファンド会社が日本市場から事実上撤退したり、規模を大幅に縮小しています。一方で、好調な外資系投資ファンドも存在しています。
外資系投資ファンドでは、近年コンサル経験のある人材を求める傾向があるため、ファンド業界での経験がない場合でも、チャレンジできる可能性があります。
外資系の金融企業で働くメリット・やりがいとは?
ここでは、外資系金融企業で働くメリットと働く上で感じるやりがいについて、順に解説していきます。
給与水準が高く、営業職はインセンティブ給が多い
外資系金融企業は、売上の40~60%を人件費が占めていると言われています。人件費が高いということは、それだけ売上金額が社員に還元されているということでしょう。実際に、外資系金融企業の営業職は経営目標の達成度合いに応じて支払われるインセンティブ給の割合が高く、一般的には基本給よりも多くなっています。働いた分だけ報酬をもらいたいという人におすすめです。
実力が評価される
外資系企業は人事評価基準として年功序列主義ではなく成果主義を採用しています。金融企業も例に漏れず、性別や年齢、勤務年数ではなく実力や成果を評価の対象としています。そのため実力さえあれば、年収アップや昇進が可能です。若くして大きな仕事を任せてもらえる可能性があり、やりがいを感じることができるでしょう。
世界経済の最前線で働ける
外資系金融企業の特徴のひとつとして、世界経済の最前線で働けるという点が挙げられるのではないでしょうか。外資系金融企業は、世界中に拠点を持っています。成果主義なので、実力次第では入社してから日が浅いうちに世界中を股に掛けながら働ける可能性もあります。常に動き続ける金融市場で働くことで多くの刺激を受け、成長意欲も高まるでしょう。
高い専門性がつく
外資系金融業界では、高度な知識やスキルを必要とする専門性の高い仕事が求められます。さまざまな取引に関わっていくことで、金融業界のスペシャリストとしての経験を積んでいくことができるでしょう。そこで得た知識やスキル、経験は、その後の転職でも自身の強みとしてキャリアアップに役立てられるでしょう。
外資系の金融企業で働くデメリット・大変なところは?
一方で、外資系金融企業で働く上でのデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。また、大変な点についても解説します。

競争が厳しく成果が出せないと給与が下がる可能性がある
成果主義の外資系企業ですが、中でも外資系金融業界は、徹底した成果主義であることが特徴だとされています。成果を出せなければインセンティブがもらえず、報酬額も下がる可能性があります。場合によっては、減給や解雇になることもあるかもしれません。
人材の流動性が高い業界でもあるため、成果を上げられないことによるデメリットもあることは理解しておいた方がいいでしょう。
世界の市場の時差に耐えうる体力が必要
一般的に、外資系金融企業は海外本社との時差や、国内市場と海外市場との時差によって、不規則な勤務時間になりがちだといわれています。そのため、体力に自信がないと厳しい業界と言えるでしょう。
福利厚生が充実していない可能性がある
外資系の金融企業は日本企業と比べて、福利厚生が充実していないのもデメリットのひとつだといわれています。一般的には、住宅手当や退職金がないことも多いため、気になる人は事前に確認しておくとよいでしょう。
外資系の金融企業における推定年収はどれくらい?
外資系証券・投資銀行の推定年収の目安としては、インセンティブ給を含んだ年収で900万円から1,300万円ほどになるとされています。一方、保険会社の推定年収の目安としては、インセンティブ給を含むと400万円から1,000万円になるとされています。
いずれも役職給、インセンティブ給を含んだ金額の平均値になりますので、入社したからといって必ずしもこの金額をもらえるわけではないことは理解しておきましょう。
外資系の金融企業に転職するためには
それでは、外資系の金融企業に転職するためには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、転職するために必要な能力やスキルについて解説します。
英語力・語学力のレベルは?
外資系の金融企業で必要とされる英語力は、部門によって異なります。外資系の金融企業であっても日本国内における営業が主軸となる場合、日本人顧客がほとんどなので、英語を使う機会は少ないでしょう。一方、バックオフィスの仕事の場合、多国籍の人が働いている外資系金融企業において、英語力の重要度はより高くなるでしょう。
いずれにしても、外資系の金融企業においては、ビジネスレベルの英語力があるほうが転職に有利とされています。あくまで目安ですが、TOEICのスコアは860点以上が望ましいといわれています。また、本社が英語圏でない場合、本社がある国の母国語を話せるとさらに有利となるでしょう。
学歴は重視される?
新卒の場合を除いて、外資系の金融企業では学歴が重視されることはほとんどないようです。転職の場合は学歴よりも、むしろ金融業界での経験のほうが重視される傾向にあります。ただし、学歴がそこまで重視されることはありませんが、MBA(経営学修士)は優遇されることが多いため、取得者はしっかりアピールするようにしましょう。
実績が求められる?
日本の金融企業でも同様ですが、外資系の金融企業への転職の際には、同じ業界における実務経験や実績が重要視されます。金融業界における経験があるのなら、職務経歴書に具体的な実績(実務年数や成果、それにいたるまでに何をしたのか)をアピールすることで、より転職活動を有利に進めることができるでしょう。
優遇される資格は?
ここでは、外資系の金融企業における優遇される資格に、どのようなものがあるか解説します。
☑MBA
Master of Business Administrationの略称で、日本語では経営学修士と呼ばれています。資格ではなく学位になるため、取得するためには大学院(ビジネススクール)を卒業する必要があります。
☑USCPA
U.S. Certified Public Accountantの略称で、米国の公認会計士資格を指します。国際会計基準に対応できるため外資系金融企業においては、日本の公認会計士よりも優遇される資格とされています。
☑USCMA
US Certified Management Accountantの略称で、米国公認管理会計士と訳されます。取得するためには会計・監査についてはもちろん、統計などさまざまな数値の分析やリスクマネジメントなど、経営に関する幅広い知識が必要になります。
まとめ
外資系の金融企業は、銀行や保険会社、投資ファンドなど多岐にわたる業界に存在します。給の比率若くして重要な仕事を任せてもらえる可能性があったり、営業職であればインセンティ給の比率が高いことからやりがいを感じられたりするため、金融系への転職を目指す人には人気の業界といえるでしょう。
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