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金融業界に転職する人は年々増えており、今後も多くの人材が必要とされる業界といえます。そのため、金融業界への転職を検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では金融業界への転職を検討している方に向けて、金融業界の現状や転職市場、転職先となる業種・職種、金融業界に向いている人の特徴などを解説します。
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金融業界の現状・転職市場
金融業界の現状や転職市場について解説します。
金融業界への転職者は増加傾向
金融業界への転職者は年々増加傾向にあります。厚生労働省が毎年発表している雇用動向調査によると、金融業・保険業への転職者数は以下のとおりです。
調査対象年 |
転職入職者数 ※転職前1年間就業経験がある者で、パートを除く |
令和5年 |
6万2,700人 |
令和4年 |
4万8,900人 |
令和3年 |
3万9,300人 |
出典:雇用動向調査 年計 報告書掲載表(入職者に関する事項)|厚生労働省
このように、金融業界への転職者が増加傾向にある背景として考えられる要因は、以下のとおりです。
- 2021年銀行法改正での規制緩和による新規事業への参入
- バブル世代の役職定年・定年退職への備え
- AIやフィンテックなどに対応できるIT人材の需要増加
フィンテックとは、Finanse(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、スマートフォンを使った決済や資産運用など、新しい金融サービス全般を指します。
このような背景から、金融業界では中途採用が活発化しており、その結果転職者数も伸びていると考えられます。
未経験でも金融業界への転職は可能
未経験でも金融業界への転職は可能です。実際、金融業界における未経験可の求人も少なくありません。
特に第二新卒や20代での転職であればポテンシャル採用がされやすいですが、30代以降は年齢とともに難易度が高くなります。
ただし、30代以降でも業界研究を徹底し、簿記やFP技能士などの関連資格を取得することで可能性を高めることができます。
年齢に関係なく、未経験から金融業界への転職を考えている方は、転職理由を明確にし、これまでの経験をどう活かせるかを整理するなど、事前の対策が重要です。
金融業界の主な転職先
金融業界の主な転職先を業種と職種に分けて紹介します。
金融業界の業種5つ
まずは、金融業界の主な転職先である5つの業種について解説します。
銀行
銀行は、個人や企業から預金として預かったお金を、別の個人・企業へ貸し出す際に発生する金利によって利益を生んでいます。
銀行には、以下の5つの種類があります。
- メガバンク:銀行のなかでも企業規模が大きく、大企業を相手に多額の融資を行う
- 地方銀行:特定の地域に根差し、各地域の中小企業や個人に融資を行う
- ネット銀行:実店舗を持たず、すべてのサービスをインターネットを通じて提供する
- 信託銀行:預金業務にくわえて、資産運用や相続対策などの専門的なサービスを提供する
銀行での業務は預金や融資、為替、資産運用など多岐にわたるため、幅広い金融知識を身につけたい方におすすめです。
保険会社
保険会社は、加入者から保険料として集めたお金や、そのお金の運用によって利益を生んでいます。
保険会社の種類は、以下の2つです。
- 生命保険会社
- 損害保険会社
生命保険会社では「人」に関する保険を取り扱います。契約内容に従って加入者から定期的に保険料を受け取り、加入者が病気やケガ、死亡した場合に、約束していた保険金を支払う金融機関です。
一方の損害保険会社は「モノ」に関する保険を取り扱います。災害や事故などにより建物・自動車に損害が出た際、加入者に約束していた保険金を支払う金融機関です。
保険会社では顧客に寄り添った提案を行う必要があるため、顧客と信頼関係を築くことが得意な方におすすめです。
証券会社
証券会社は、株式や債権といった有価証券の売買や取引を顧客から引き受ける際の手数料、自社で運用した有価証券の利益などで収益を上げています。
証券会社は、以下の3つの種類に分かれます。
- 日系証券会社
- 外資系証券会社
- オンライン証券会社
日系証券会社および外資系証券会社は実店舗を持つことがほとんどですが、オンライン証券会社は実店舗を持たず、すべてのやり取りや取引をオンライン上で行うのが特徴です。
金融市場の動向分析や顧客への投資アドバイスなど専門性の高い仕事が多いため、自らの金融知識を活かして高度な業務に挑戦したい方におすすめです。
資産運用会社
資産運用会社は投資家から資金を集め、投資家に代わって資産運用を行います。運用する際の手数料や運用で発生した利益の一部を報酬として受け取ることで収益を上げています。
資産運用会社の種類は、主に以下の2つです。
- 日系運用会社
- 外資系運用会社
日系運用会社は、社員数百人〜1,000人超の規模が多く、多数の営業部隊が顧客サポートに力を入れている傾向があります。一方、外資系運用会社は比較的小規模で、顧客対応および運用を効率的に行う傾向があるのが特徴です。
預かったお金の運用成績が顧客の利益に直結するため、プレッシャーに強く、結果重視でやりがいを感じる方におすすめです。
クレジットカード会社
クレジットカード会社は、利用者にクレジットカードを支給することで、手元に現金がなくても支払いができるサービスを提供しています。
クレジットカード利用者からは、分割払いやリボ払いの際に発生する手数料や年会費を徴収し、クレジットカード加盟店からも加盟店手数料を徴収することで収益を上げています。
キャッシュレスが主流になってきている現在、今後も成長が期待されている業種です。
競争が激化するクレジットカード業界には、独自の価値を生み出せる創造力のある方、顧客体験やサービス改善に情熱を持てる方におすすめです。
金融業界の職種3つ
次に、金融業界の主な転職先として3つの職種について解説します。
事務職
金融業界における事務職の主な業務内容には以下が挙げられます。
- 窓口・電話・メールでの顧客対応
- 書類・データの作成・管理
- 為替業務(国内外の送金・料金・決済など)
- 専門職の補助(データの収集・入力など)
顧客対応については、銀行でいうと入出金対応、口座の開設・解約、金融商品の紹介など、多岐にわたります。
顧客と接する機会が多いため、コミュニケーションスキルが求められるほか、顧客のお金を取り扱うという点で業務の正確性も必要です。
営業職
金融業界における営業職の主な業務内容は、以下のとおりです。
- 金融商品や融資の提案
- 資産運用に関するアドバイス
金融商品といっても業種によって異なり、銀行であれば各種ローン、保険会社であれば自社の保険が金融商品にあたります。
また、顧客が個人なら住宅ローンや資産形成など、企業であれば融資審査やM&Aなど、必要となる知識は異なり、それぞれ高い専門性が求められます。
専門職
金融業界では、特定の業務に精通した専門職が数多く存在します。代表的な専門職とその仕事内容は、以下のとおりです。
- ディーラー:株式・債券・為替などを自社資金で売買して収益化
- ファンドマネージャー:投資家から預かった資金の運用方針を指示
- エコノミスト:国内外の景気や金融市場の動向を分析
- 証券アナリスト:企業や業界の経済状況を分析し投資価値を評価
- ファイナンシャルアドバイザー:個人・法人の資産運用プランやM&A案件を提案
上記以外にもさまざまな専門職があり、いずれも高い専門知識が必要です。そのため、他の職種に比べて年収が高くなる傾向があります。
金融業界への転職が有利になる資格・スキル7選
金融業界への転職が有利になる資格・スキルを7つ紹介します。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、税制や年金、住宅ローン、保険、教育資金などの幅広い知識を証明できる資格です。相談者のライフイベントに向けて、総合的な資金計画を立てるサポートを行います。
なお、ファイナンシャルプランナーには日本FP協会が認定するものと金融財政事情研究会(きんざい)が認定するものに分かれています。どちらも「FP技能士」という国家資格です。金融業界未経験者であれば、まずは3級の取得から挑戦してみましょう。
日商簿記検定
日商簿記検定は、財務諸表の作成や読み取りに関する知識を証明できる資格です。融資や運用を行ううえで、融資先・運用先の業績を把握するのに役立つことから、金融業界への転職にも有利に働くことがあります。
金融業界未経験者であれば、ファイナンシャルプランナーと同様に3級の取得から目指すのがおすすめです。
証券アナリスト
証券アナリストは、証券分析や財務分析ができる証明になる資格です。
証券アナリストになるために必須の資格ではありませんが、転職活動では専門性を客観的に示せるため有利に働くことがあります。
資格を取得するには、日本証券アナリスト協会主催の講座を受講したうえで、1次試験と2次試験に合格することが必要です。
そのあとに3年以上の実務経験を経れば、「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)」として登録できます。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題の診断や解決に向けた助言を行えることを証明する国家資格です。
経営に関するさまざまな課題に対して、客観的かつ多角的に課題を解決できる人材は、金融業界でも重宝されます。
なお、中小企業診断士の合格率は年によって変動するものの、ここ数年では第1次試験の合格率は28%前後、第2次試験の合格率は18%前後です。
参照:中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移|一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会
USCPA(米国公認会計士)
USCPA(米国公認会計士)は米国各州が認定する公認会計士の資格で、100年ほどの歴史があります。そのため、日本だけでなく世界各国の人々が取得を目指す資格です。金融業界未経験者など、他業種から挑戦する人も多いといわれています。
USCPAは科目別の合格率も40〜50%台と高い傾向にあります。また、試験を通じて英語力を身につけることもできる点が魅力のひとつです。
BATIC(国際会計士検定)
BATIC(国際会計士検定)は東京商工会議所が主催する試験です。英語で会計知識を習得できるほか、日商簿記検定の知識が活かせるという特徴があります。USCPA取得前のステップとして活用できるなど、注目度が高いといえます。
英語力を身につけながら会計や金融の知識を養えるため、勉強時間の効率化も実現可能です。初学であれば通信講座の活用を検討してもよいでしょう。
英語力
英語力の必要性は勤務する企業や担当部署でも異なりますが、スキルとして身につけておくと転職において有利に働きます。特に外資系や日系グローバル企業への転職では、英語力は高く評価される可能性があります。
英語力を示すものにはTOEICやTOEFL、IELTSなどがあり、これらで高得点を取得しておけば、英語力をアピールする際の説得力が増すでしょう。
金融業界へ転職する2つのメリット
金融業界へ転職するメリットは2つあります。
高い収入が期待できる
金融業界はほかの業界に比べて収入が高い傾向にあります。
厚生労働省の調査によると、主な業界ごとの平均賃金は以下のとおりです。
業界 |
平均賃金 |
金融業・保険業 |
41万600円 |
情報通信業 |
39万1,000円 |
卸売業・小売業 |
34万3,600円 |
医療・福祉 |
30万6,400円 |
宿泊業・飲食サービス業 |
26万9,500円 |
出典:令和6年賃金構造基本統計調査の概況(p10(5)産業別にみた賃金)|厚生労働省
特に金融業界の営業職や専門職は、自らの業績が収入に反映されるインセンティブ制度を導入している企業もあります。頑張り次第でさらに高い収入が期待できる点は、金融業界へ転職するメリットのひとつです。
経営や金融に関する知識が培われる
経営や金融に関する専門的な知識が培われる点は、金融業界だからこそ得られるメリットです。金融業界で働きながら得た知識は、業務だけでなく私生活にも役立てられます。
例えば、銀行で窓口業務をしていると住宅ローンに関する知識が身につき、自分が活用する際にどのようなリスクがあるかなども把握できます。
このように、業務で得られる金融知識は私生活のなかでも役立つ機会があるでしょう。
金融業界への転職が向いている人の特徴
金融業界への転職が向いている人の特徴には以下の内容が挙げられます。
- 物事を論理的に考えられる
- 責任感がある
- 学習意欲が高い
- コミュニケーション能力がある
例えば、金融業界では顧客から預かったお金を動かします。そのため、その場の感情ではなく、論理的かつデータに基づいた冷静な判断ができる人、責任を持って仕事を遂行できる人が、金融業界に向いているでしょう。
また、金融業界は社会の動向に応じて経済環境や市場が変動するため、学習意欲を高く持ち、常に新しい情報に敏感になることが求められます。
さらに、金融業界では顧客と接する機会も多いことから、コミュニケーション能力がある人にもおすすめです。
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金融業界は転職市場で高い人気があり、実際に転職者数が増加傾向にある業界です。
金融業界といっても銀行や保険会社、事務職や営業職など、業種・職種は多岐にわたります。なかでも外資系の金融機関への転職では、キャリアアップを目指しやすいといわれています。
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エンワールド・ジャパン編集部
外資系・日系グローバル企業のハイクラスに精通するエンワールドの編集部員が、転職やキャリア、日々の仕事のお悩みに役立つ情報を執筆します。