【人事用語FAQ】インポスター症候群とは

2023.06.08
【人事用語FAQ】インポスター症候群とは

実力があり大きな成果をあげても、それは偶然のこと、あるいは周囲のおかげと思い込んでしまいがちな従業員はインポスター症候群の可能性があります。
この記事では、インポスター症候群とは何かやその特徴、この心理傾向に陥る原因、インポスター症候群の対策のために人事ができることなどについてFAQ形式で解説します。

Q. インポスター症候群とは?

「インポスター症候群」とは、自分の力で何かを達成したり成功させたりして周囲からも客観的な高い評価を得られているにもかかわらず、自分の能力や実績を認められず、評価されるに値しないと自己を過小評価してしまう心理傾向のことです。

インポスター(impostor)は詐欺師やペテン師を意味する英語で、インポスター症候群は詐欺師症候群とも呼ばれており、インポスター症候群の人は「自分に能力や実力があるかのように周囲を欺いている」という考えに陥っていることもよくあります。

インポスター症候群自体は正式な病気ではありませんが、抑うつ症状やうつ病の要因となり仕事や生活にも支障が出てくる可能性もあるので注意が必要です。

 

Q. インポスター症候群の特徴は?

インポスター症候群には次のような特徴があります。

 

自信が持てず自己評価が極端に低い

前述のように、インポスター症候群の人は、自分に自信が持てず自己評価が極端に低い傾向にあります。そのため、他人からの良い評価も重荷に感じることもあります。

また、常に他人と自分を比べてしまうのも特徴で、有能な人と自分を比べ自分は何もできないと感じてしまい、自己評価がさらに下がってしまうこともあります。

 

失敗や批判を恐れ新たな挑戦を避ける

インポスター症候群の人は、「今回はたまたま成功しただけ」「失敗したら周りから批判されてしまう」などと失敗を恐れ、新たな挑戦を避ける傾向もあります。

 

女性が陥りやすい

インポスター症候群は、一般的に男性よりも女性の方がが陥りやすく、また、高いキャリアを持つ女性や専門職の女性に多い傾向があるともいわれます。

例えば、昇進のチャンスに「自分には無理だ」と尻込みしてしまうケースなどが考えられます。

 

Q. インポスター症候群の原因は?

ここでは、インポスター症候群に陥ってしまう主な原因を解説します。

 

自分は変化しない・目立たない方が良いと思い込む

次のような経験や心理的負担が一種のトラウマとなり、自分が変わらなければ、目立たなければ大丈夫と思いこむことでストレスや不安から心を守ろうとするケースがあります。

 

  • 自分の成功に対する周囲からの嫉み
  • 失敗したときに叱れたりからかわれたりする
  • 仲間外れやいじめによる孤独感
  • 成長の結果、難易度の高い業務を与えられたり仕事量が増えたりすることに対する抵抗感
  • 責任感が強すぎるため、期待されると失敗できないというプレッシャーを強く感じる

 

育ってきた家庭環境

幼少期に次のような教育を受けたことが原因のケースもあります。

 

  • 褒められることがなく、兄弟や周りの子供と常に比較されたことで自己肯定感が育まれず常に低い自己評価を持つ
  • 個性より同調が求められ、他の人と同じように振る舞う

 

Q. インポスター症候群の部下とのコミュニケーション方法は?

インポスター症候群の部下と上手にコミュニケーションを行うには、次のような方法があります。

 

  • インポスター症候群の社内認知度をあげ、誰もがその症状に悩まされる可能性があると認識し合うことで当人の孤独感を減らす
  • 周囲の目を気にせずに安心して本音を話せるよう1on1を定期的に行う
  • 数値やデータなどを用いて具体的にどう良いかを頻繁に伝え続けることで自信を持って仕事に取り組めるよう導く
  • 当人よりも優れたメンターやサポート役を配置し、常に言葉をかけ適切なアドバイスを行うことで心理的負担を軽減させる

 

Q. インポスター症候群対策のために人事ができることは?

インポスター症候群対策のために人事はどのようなことができるのかを解説します。

 

完璧主義にならないようにする

全てが完璧でなくても急に評価は下がらないと伝え、80%の成果でも評価する制度などを設定する方法があります。

 

自分をポジティブに評価する場を作る

自分をポジティブに評価するのが得意ではないため、日報などに自分を褒める項目を作るなど無理にでも自分を褒める癖をつけてあげることも大切です。

 

従業員を否定しない社風づくり

他人に否定されるとさらに自信をなくし自己評価も下げてしまう可能性があります。そのため、従業員の行動や意見に対し、まずは肯定し、その後に他の意見や方法もあると伝えるようにすることも大切です。

 

1on1ミーティングを定期的に行う

複数人から話をされると責められていると思ってしまいがちなため、定期的に上司と部下の1on1ミーティングを設定し対面で話す機会をつくりましょう。

 

能力に応じた業務を任せる

本人の能力では失敗する可能性の低い業務を任せることで、小さな成功体験を積み自信を持てるように促す方法もあります。

 

また他に、信頼できる人に不安やストレスを相談するよう勧めたり、人の良いところと自分と比較して自己肯定感を下げてしまう可能性のあるSNSの利用を控えるようアドバイスすることもおすすめです。

 

 

今回はインポスター症候群について解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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