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【人事用語FAQ】リテンションとは

Posted by en world Japan

9日前

​現代社会では、少子高齢化などによる人材不足が企業にとって大きな問題点となりつつあります。そのため、採用した人材の流出を防ぐために、リテンションという考え方を用いる企業が増加傾向にあります。

この記事では、リテンションとは何か、それが注目される背景や強化施策、その際のメリット・デメリットや具体的な事例などについてFAQ形式で解説します。

|Q. リテンションとは?

リテンション(retention)とは、英語で「保持・維持」といった意味を持つ言葉です。人事用語としては、優秀な人材の流出を防ぐための施策を指し、報酬や福利厚生といった金銭的な施策に加え、働きやすい環境作りやワークライフバランスの推進なども含まれます。

|Q. リテンションが注目される背景は?

リテンションが注目される背景のひとつには、少子高齢化による労働力人口の減少などを起因とした慢性的な人材不足があります。また、終身雇用という概念が薄れつつある中で人材の流動化が進んでいるという点もあげられます。

優秀な人材が流出すれば採用・育成コストは増加しますし、機密情報の漏洩や既存顧客の流出といった利益の損失につながる可能性もあります。そのため、多くの企業にとってリテンションの強化は重要なテーマのひとつとなっています。

|Q. リテンションを強化する施策とは?

リテンションを強化するための施策としては、以下のようなものがあげられます。

  • 適正な人事評価、給与体系を構築する

  • 働きやすい就業環境を整備し、ワークライフバランスの実現につなげる

  • スキルアップやキャリア形成の支援をおこなう

|Q. リテンションを強化するメリット・デメリットは?

ここでは、リテンションを強化するメリットとデメリットを解説します。

メリット

リテンションを強化して離職率が低下すれば、採用や研修費の削減はもちろん、従業員のモチベーション向上や良好な人間関係の構築による生産性の向上、情報漏洩の防止などのさまざまな効果が期待できます。

また、働きがいや成長につながる職場環境が整えば、従業員のスキル向上にもつながるでしょう。

デメリット

リテンション施策にはコストと労力がかかります。また、離職率の低下や従業員のスキル向上などは、成果が見えるようになるまでに時間を要することも少なくありません。

加えて、リテンション施策の導入にストレスを感じて離職率が一時的に上がることも考えられます。無理のないよう長期的なスパンで計画を立てるようにしましょう。

|Q. リテンションの例は?

最後に、効果の期待できるリテンション施策の取り組み事例をご紹介します。

従業員のスキルアップ支援

従業員のスキルアップを支援するような具体的で前向きな体制づくりは、効果の高いリテンション施策のひとつとなり得ます。

例)

  • キャリアパスに関する相談窓口の設置

  • 専門的スキルの向上に関するサポート体制の確立

従業員のキャリアアップ支援

従業員の自発性を尊重し、キャリアやスキルの可視化・実現を支援することでも効果が期待できます。

例)

  • 異動先の部署を指定して申告できる人事異動制度(社内公募制度、社内FA制度)

  • キャリアプランを考えられるような研修やセミナーの実施

  • スキルやキャリアアップを確認、実感できるイベントの開催


給与体系や評価システムの見直し

職種や職級に応じた給与体系や評価システムの構築を見直すことは、金銭的報酬という側面から考えても重要です。

例)

  • 直接部門:業績貢献に紐づく個人的な価値観にマッチした報酬の仕組み作り

  • 間接部門:サンクスカードなどを活用した評価システムの導入

部門への異動や人材交流

長期的な成長をサポートする施策として、個人の適性に合ったスキルや知識を習得する機会の提供も効果的と考えられます。

例)

  • 従業員個人に対する定期的な異動を通じた新たなチャレンジの場の提供

  • 他部門との活発な人事交流の機会の創出

社内コミュニケーションの推進

社内コミュニケーションを活発にすることで経営理念や企業理念が広く従業員に浸透し、経営層と現場が一体となって目標達成に取り組むようになれば、組織全体のモチベーションの維持・向上が期待できます。

例)

  • 上司から部下へのフィードバックの場の設置

  • 経営層と従業員の対話の機会の創出

ワークライフバランスの実現

働き方改革の中でも取り上げられている「ワークライフバランスの実現」に着目した施策もリテンションに有効です。

例)

  • 時短勤務制度やフレックス制度の導入

  • リモートワークやテレワークの環境整備と推進

  • 各種休業制度、副業制度の拡充

職場の環境整備

気持ちよく働ける衛生的で快適な職場環境を社員に提供することも大切です。

例)

  • 5S(整理・清潔・整頓・清掃・しつけ)の見直し

  • オフィスのデザインなどの変更

  • カフェテリアなどの設置

今回はリテンションについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。