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「コーチング」は、変化の激しいビジネス環境に対応できる人材を育成するために活用されている手法です。
この記事では、コーチングの概要やメリット、デメリット、実施方法などについてFAQ形式で解説します。
Q. コーチングとは?
「コーチング」とは、対象者の話に耳を傾け、観察や問いかけを行いながら、時には提案して対象者の目標達成を助ける人材開発手法の一つです。
対象者の自主性を促すことがコーチングの大きな特徴で、コーチングを行うコーチが対象者を指導し行動を強制するのではなく、対象者とのコミュニケーションを重ねることで、対象者のモチベーションを高め、自発的な行動を促します。
Q. コーチングを構成する3つの要素とは?
コーチングを実施する側には、さまざまなスキルが求められますが、ここではその中でも基本となる、傾聴・質問・承認スキルの3つを解説します。
傾聴スキル
対象者が何を伝えようとしているのかを深く理解するコミュニケーション技法です。傾聴スキルによって、コーチと対象者の信頼関係を築くことができ、自分の道を、自ら切り開くよう促せます。
具体的には、自分が話すのは2割、話を聴くのは8割を意識しつつ、例えば対象者が心を開き安心して話せるようあいづちを交えながら話を聴くとよいでしょう。
質問スキル
対象者への質問を通じ、対象者が新たな気づきを得て原因や問題点を内省し、改善行動をおこせるよう導くスキルです。
ポイントは、状況把握や情報収集をする質問ではなく、対象者が自分の言葉で失敗を分析できるような質問を行うことです。
例えば、以下のような質問を行います。
「問題解決・目標達成を100%とすると、今は何点だと思いますか?」
「現在抱えている問題がどのような状態になれば、解決したと言えますか?」
「そのような状態になるために、優先して進めること・やめることはなんですか?」
「もし、同じ問題を抱えている人が近くにいたら、どのようなアドバイスをしますか?」
承認スキル
対象者のモチベーションアップやパフォーマンス向上のため、対象者の良い部分を見つけ言葉や態度で相手に伝えるスキルです。
対象者を褒める際には、すぐに・具体的に・一貫性を持って行うよう意識すると効果的です。
Q. コーチングを行うメリット・デメリットとは?
ここでは、コーチングを行う主なメリットやデメリットを解説します。
メリット
メリットには次のような点が挙げられます。
- 内省・思考する習慣を育み、自発性・主体性・応用力・再現性などを高める
- 内発的な動機を引き出し能動的な行動につなげることでパフォーマンスが向上する
- 潜在能力や内に秘めた可能性を引き出せる
- コミュニケーションが円滑化し上司と部下、特に新人との信頼関係が作りやすい
デメリット
一方、デメリットには次のような点が挙げられます。
- 効果が出るまでに時間を要する
- 多人数を一斉に育成することが困難である
- コーチの能力やコーチと対象者の相性によって効果の差が大きい
- 個別の対応が求められるためマネジメントが複雑になる
Q. コーチングの実施方法とは?
コーチングは、一般的に大きく7つのステップで実施します。
STEP1. セットアップ(プレ・コーチング)
対象者の心理状態に配慮し、表情や声のトーンなどに気を配ることで相手が話しやすい雰囲気や環境作りを行います。
STEP2. 目標の明確化
5W1Hのフレームワークで対話を進め、目標を明確に設定します。目標達成に対するコミットメントを高めるために、目標を実現するための理由についても対話を深めましょう。
STEP3. 現状や問題点の把握
現状把握や目標の達成を目指す上での問題点は何なのかについて、対象者自身が気づきを得られるよう促します。
STEP4. 現状と目標とのギャップの明確化
STEP2とSTEP3を元に、対象者が目標に対する自分の現在地のギャップを認識できるよう促します。
STEP5. 行動計画の立案
5W1Hなどをベースに具体的に行動計画を考えていきます。
コーチが計画を作るのではなく、対象者自身が目標実現のために何をすべきなのかを気づけるようサポートすることが大事です。
STEP6. 対象者の意欲を高める
設定した行動計画に対して「まず何から手をつけようか?」「いつまでにやろうか?」などと問いかけ、対象者の意志を確認しながら意欲を高めていきます。
STEP7. フォローと振り返り
定期的に進捗確認やフィードバックを行います。前述のコーチングスキルを活用しながら進めて行きましょう。
Q. コーチングを行う際の注意点とは?
最後にコーチングを行う際の主な注意点を解説します。
時間を要することを認識しておく
効果的なコーチングを実施するには、コーチがスキルを身につけることが必要です。書籍やセミナーで学ぶ方法などがありますが、習得に相当の時間を要する可能性があります。
また、コーチングの実施自体も1・2回で済むものではなく根気と時間がかかります。
目標が曖昧にならないよう指標を明確化する
コーチングの成果は直接的な数値として得られないケースもあります。その場合は、達成イメージをより具体的に設定し、コーチングの途中過程で「仮に達成した状態が100%だとすると、今は何%の達成状況か」などと確認していくと良いでしょう。
今回はコーチングについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。