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業務効率化や生産性向上を図れる仕組みとして注目を集める「RPA」。
この記事では、RPAとは何かやRPA化できる業務の例、導入のメリットやデメリット、RPA化の手順についてFAQ形式で解説します。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation・ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ロボットによる業務自動化のことで、一般的には、人間がPCで行う作業をソフトウェアを組み込んだロボットが代行し自動化する仕組みのことを指します。
RPAによって、業務の効率化や生産性向上の実現が期待できますが、RPAには次のような長所と短所があります。
長所
- ミスなく正確に作業を実施できる
- 人間に比べ作業スピードが圧倒的に速い
- 24時間365日ずっと休まず働き続けることができる
短所
- アクシデントや例外処理に弱く、それらに遭遇した際には作業が停止する
- 学習や判断ができないので、事前に指示されたことしかできない(AIをソフトウェアに組み込んだ場合を除く)
- 複雑なオペレーション実施には、タスク分解し多工程の命令を与える必要がある
Q. RPAで何ができるのか?
RPAでは、人間がPCで行う作業のほとんどを自動化することが可能ですが、得意とするのは、手順とルールが決まっている定型的で反復性の高い業務です。
RPAに向いている処理には、転記、データの照合、データのモニタリング、メール送付、データの集約と加工などがあります。
Q. RPA化できる業務の例は?
次に、人事業務の中で一般的に多く採用されているRPA化の具体例を紹介します。
RPAの得意分野は、繰り返し規則通りに処理する単純作業・反復作業のため、人事業務の中では次のような業務が向いています。
- 勤怠管理や給与計算、経費の計算
- スコアリング(人事評価)のフォーマット反映や人事考課表の作成と本人へのメール送信
- 従業員や派遣社員の情報更新、及び、担当者への変更内容の通知
- 複数のWeb求人サイトをまたぐ応募者データを採用管理システムに取り込み管理
- 採用・登用試験の採点、合否判定、通知、次の面接日程調整
Q. RPA化のメリット・デメリットは?
RPA化には、次のようなメリットやデメリットが挙げられます。
メリット
- 入力や転記などの手作業を削減でき業務の効率化が図れる
- 削減した作業時間をコア業務に有効活用できるため成果の向上が期待できる
- 業務効率化によるコストが削減できる
- 入力や転記作業における作業ミスが抑制できる
- 多言語翻訳に特化したRPAを導入することで、翻訳を行う工数の削減や、異言語コミュニケーションをサポートする
- 作業時間が短縮され、また、24時間365日稼働できるため対応スピードが早まり、業務スケジュールも短縮できる
- RPAにどの業務を代行させるかを検討することで業務内容やフローを見直すきっかけとなる
- プログラミング技術なしで、業務フローやルール変更に合わせ現場でカスタマイズしながら運用できる
デメリット
- 導入や活用に相応のコストが発生するため、必ずしも費用対効果が高いとは限らない
- 定型のルールに従った作業を行うため、項目やフォーマット変更の際に逐一ルール変更の対応が必要となる
- Wi-Fiの切断やブラウザのバージョンアップ、OSのアップデートなどで突如停止するリスクがある
Q. RPA化の手順は?
最後に、RPAの一般的な導入手順を説明します。
STEP1. RPAで自動化する業務を見定める
RPAの得意な作業を踏まえ効果が期待できる業務を見定めましょう。RPA導入にあたり最も重要なステップです。
STEP2. 対象業務のフローを可視化する
業務の選定後は、プロセルマップなどを作成し対象業務のフローを可視化していきます。この際、導入後との比較のために現在費やしている工数も可視化しておきましょう。
STEP3. RPA運用ルールの整備
RPAの導入・ロボット開発を行う前に、各部署の権限や責任の所在を明らかにした運用ルールを整備することが大切です。
トラブルが発生した場合の対応部署・対応フローも決めておきましょう。
STEP4. RPAの導入・ロボット開発
RPA用のロボット開発は、開発ベンダーに一括依頼するか、自社開発するかの2択です。
一般的に、ベンダーに一括依頼した方が、短期間でエラーの発生頻度の低い良質なロボットを導入できる可能性がありますが、導入後もベンダーと密なコミュニケーションをとる必要があり、更新作業を行う際に手間と時間がかかってしまうこともあります。
もし、自社にRPAの導入・ロボット開発について専門スキルを持った人がいるならば、自社開発も可能で、運用中のロボットの更新作業もすぐに行えるメリットがあります。
STEP5. RPAの動作テスト・検証
開発されたソフトウェアロボットが適切に作動するかテストを実施・検証します。誤作動や見落としている動作があれば改修を行いましょう。
STEP6. RPA運用開始
実際の業務で運用を開始します。
運用後は、導入の目的である業務効率化や生産性向上が実現されているか、定期的に数値でチェックしていく必要があります。
今回はRPAについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。