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人材不足が慢性化する中、限られた人員で企業の成長を目指す人材管理手法が「タレントマネジメント」です。
この記事では、タレントマネジメントとは何かに加え、メリットやデメリット、導入方法についてFAQ形式で解説します。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に活用し企業の成長につなげていく人事管理手法のひとつです。
従業員が持つタレント(才能)やスキル、経験値など、経験値などの情報を人事情報として一元管理することで、採用や育成、配置・評価などの人事施策を統合的に実施することができるようになります。
タレントマネジメントシステムの導入効果・メリットは?
タレントマネジメントを行うための管理ツールとして、タレントマネジメントシステムがあります。システムを導入することで得られる主な効果・メリットは次の通りです。
適材適所に従業員を配置できる
各従業員の能力やスキルなどをデータで一元管理するので、従業員を最大限に生かせるポストに配置でき、企業全体のパフォーマンス向上と業績アップが期待できます。また、従業員側のモチベーションアップも図れるので、結果として優秀な人材の離職防止にもつながります。
従業員の育成が計画的・効率的に行える
各従業員のスキル情報が可視化されるので、今後の育成計画をより具体的に立案し実行できます。会社全体を見渡した育成計画が立てられることは、効率的な人材育成につながります。
採用の基準が明確になる
現在、どのような能力や業務経験を持った人材が不足しているかも可視化できるので、自社の事業推進のため新しい人材を採用する際の基準が明確になります。
タレントマネジメントシステム導入のデメリットとは?
システムを導入すると業務の効率化ができる便利なシステムですが、次のようなデメリットもあります。
導入と運用の課題が大きい
タレントマネジメントシステムを導入・活用するには、システム理解などの課題が多く、検討段階で躊躇してしまう企業も多くあります。また、導入したものの運用ができていない企業も少なくありません。
システムに初期投資や運用コストがかかる
システムの価格帯はサービスや企業規模によって変動しますが、自社サーバーにソフトウェアをインストールする場合は数百万〜数千万円かかります。初期費用や運用コストを抑えたい場合はクラウド型がおすすめですが、少なからずコストはかかります。
従業員が煩わしさや不満を感じる可能性がある
自身の情報を人事に提供する手間が増えるため、煩わしく感じる人がおり、そもそも情報が集まらない可能性もあります。また、運用を始めても効果がわからなければ、従業員の不満が出るようになることもあるでしょう。
タレントマネジメントの対象は?
対象となる従業員は目的によって異なり、主に3つのパターンがあります。
- 一定以上の成績や評価を持つ優秀な従業員を対象とし、さらなる育成を目的に行います。
- リーダー以上、管理職以上などの一定階層以上の従業員を対象とし、上記より幅広く育成します。
- 全従業員を対象とし、人材育成や全社規模での人事戦略を考えます。
タレントマネジメントの導入方法は?
一般的に多く採用されている導入手順は以下の通りです。
ステップ1. 人材管理の現状を知る
人材管理に関連する従業員のスキル・目標・評価など、現状の情報を数字やデータで可視化し、人事戦略と比較して双方のギャップを把握します。
ステップ2. 課題を洗い出す
現状をもとに経営戦略の実現のための自社の課題を洗い出します。
ステップ3. 目標とゴールを設定する
課題をもとに目標とゴールを設定し、「どんなスキルを持った人材が何人必要なのか」「育成・採用のどちらを実施するか」などの人事施策やKPIを詳細に決めていきます。
ステップ4. 分析と運用の見直し
導入後も、定期的に現状と理想とのギャップをチェックし、要因の分析、課題の洗い出し、目標の軌道修正などを行います。
タレントマネジメント運用後の課題と対策とは
よくある4つの課題とその対策例を紹介します。
必要な人材がどこにどれだけ存在するのかわからない
人材情報の集約ができていないことが原因なので、人材情報を一元管理し可視化できるようにすることが解決策の一つです。タレントマネジメントシステムを利用すると、経歴やスキル情報を検索でき必要な人材を発掘しやすくなります。
効率が悪く人事業務を圧迫している
タレントマネジメントでは必要なデータの収集に手間がかかります。効率が悪いと感じているなら、タレントマネジメントシステムの導入を検討し、効率化できる仕組みを整えましょう。
スキルや能力に合わせた人材配置ができていない
原因として、配置検討に必要な社員情報の不足かデータの散在が考えられます。やはりシステム導入をすることで、配置検討に十分な情報が集約できるよう整備できます。
計画的な育成ができていない
計画的な育成を行うには、育成状況を長期的にモニタリングできる仕組みを整える必要があります。定期的に従業員のアンケート調査や面談などの機会を設け、計画をブラッシュアップしましょう。
今回はタレントマネジメントについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。