ヨーロッパの労働環境はとても恵まれており、働きやすいといった話を耳にした人もいるでしょう。そのような環境で働いてみたいとか、グローバルな企業に勤めてみたいと考えている人もいるかもしれません。
この記事では、そのような人に向けてヨーロッパの労働環境やそのメリット・デメリット、日本の労働環境との違いなどを解説しています。グローバル企業に転職を検討する際の参考にしてください。
■ヨーロッパの労働環境とは?
ヨーロッパの労働環境に関して、長期休暇が取れる、合理的に仕事をするため残業がない、仕事に対するストレスがなく、過労死もない、といった印象を持っている人もいるようです。実際、ヨーロッパの職場では、定時に帰社し、オフを満喫している人もいます。
一方で、管理職ともなると確実に成果を上げることが求められ、ストレスを抱えていることも少なくないのが実情のようです。以下の表は、日本とヨーロッパ主要各国の「一人当たりの年間労働時間」と「1時間当たりの労働生産性」をまとめたものです。
日本は労働時間が長く、そのため労働生産性が低くなっていることが分かります。労働生産性は、労働者の能力や業務の効率化により向上するといわれています。
| 労働時間(時間/年) | 労働生産性(USドル/時) |
日本 | 1,680 | 46.8 |
ドイツ | 1,363 | 72.9 |
フランス | 1,520 | 72.2 |
イタリア | 1,723 | 57.9 |
イギリス | 1,538 | 60.6 |
スウェーデン | 1,474 | 72.0 |
1時間あたりの労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)
参考:Employment - Hours worked - OECD Data
労働生産性の国際比較│公益財団法人日本生産性本部(2019年度版より)
■ヨーロッパ主要各国の労働環境
続いて、ヨーロッパ主要各国の労働環境について解説します。
|ドイツ
ドイツでは、国民一人あたりのGDP(国内総生産)が高く、労働時間がヨーロッパ諸国の中でも少ないことで知られています。これは、1日平均8時間を超える労働が許されていないなど、厳しい法律があることが一因となっているようです。
これはドイツに限ったことではありませんが、労働者を守るための法律によって、経営者がこれに違反した場合には禁固刑や罰金刑を受けることになります。
|フランス
フランスの法律では、労働時間が1週間に35時間までと制限されています。また、やむをえず残業が発生した場合も、超過時間分を振替休日として取得・消化することが法律で定められています。しかしながら、パリなどで観光関連業や接客業についている場合は、他のフランスの地域に比べると労働環境も厳しめでサービス残業もあるようです。
|イタリア
イタリアでは、家族との時間を大切にするために、お昼に1時間半から2時間ほどの休憩(シエスタ)が与えられ、自宅で昼食をとる人も少なくありません。ポンテという、祝日と休日に挟まれた日を休みにするシステムがあり、連休が多いのも特徴です。
割り切って仕事をするタイプの人が多いといわれており、仕事上の人間関係がシンプルなのもイタリアで働く上での特徴といえるでしょう。
|イギリス
イギリスでは、月曜日から金曜日までの5日間、週35時間から40時間の労働が基本です。特殊な専門業以外、残業を行うことはほとんどないようです。この根底には「仕事は大切だが、最優先すべきものは家族」「ワークライフバランスが大事」というイギリス人の考え方があり、オンとオフがはっきり区別されているといわれており、
休むべきときにしっかり休むといった意識が強いのがイギリスの特徴といえるでしょう。
|スウェーデン
スウェーデンでは、労働時間の短縮に向けて、フレキシブル・ワークが推奨されています。最近では1日を6時間勤務とする企業も増えており、業務を効率化させることで、短時間に集中して仕事をこなすという試みが盛んのようです。
フィーカという習慣があり、就業中にお菓子をつまみながら談笑する時間があります。オンとオフの切り替えができ、リフレッシュにつながるため、労働生産性が向上するといわれています。育児休暇制度も充実しており、子ども1人につき両親を合わせて最長16ヶ月の有給休暇を取得できるのもスウェーデンの特徴といえるでしょう。
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■ヨーロッパの労働環境のメリット
ここでは、ヨーロッパで働くメリットを解説します。
|労働時間制限により、残業が少ない