「キャリアパス」とはどういう意味? 制度のメリットやデメリットも解説!

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2024.03.22
「キャリアパス」とはどういう意味? 制度のメリットやデメリットも解説!

日本企業でも終身雇用制度を採用しない企業が出てきており、今の時代は転職が珍しいことではなくなってきています。そのなかで、長い目で見たキャリア形成の必要性が高まりを見せています。

キャリア形成を考えるうえでさまざまな言葉がありますが、そのなかでも近年注目されているのが「キャリアパス」という言葉です。人事制度の一つとしてキャリアパス制度を導入する企業も増えてきており、今後のキャリアを成功させるためにも正しく理解しておく必要があります。

本記事では、キャリアパスの言葉の意味や、キャリアパス制度のメリット・デメリットを解説するとともに、自身でキャリアパスを立てる際のポイントも解説します。また、キャリアパスが転職の際に重要な理由も解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

キャリアパスとは?

キャリアパスの「キャリア」は「職歴」、「パス」は「道」を意味しています。つまり、キャリアパスとは企業内での仕事における最終的な目標を定め、そこに向かって進んでいくための道筋を表しています。

なお、キャリアパスと似た言葉には、以下の3つがあります。

  • キャリアアップ
  • キャリアデザイン
  • キャリアプラン

それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。

キャリアアップとの違い

キャリアアップとは、ある特定の分野でより高い知識を身につけて能力を向上させることで、経歴を高めていくことを指します。

また、企業がキャリアパスで明示した道筋のなかで、昇進・昇給することもキャリアアップと言われます。

キャリアデザインとの違い

キャリアデザインとは、将来のありたい姿を実現するために、職業人生を主体的に設計し、実現していくことを指します。キャリアパスとは違い、一つの企業に限定したものではありません。

また、仕事における将来像に加え、プライベートな面も含めた人生全体を設計することがキャリアデザインの大きな特徴です。

キャリアプランとの違い

キャリアプランとは、昇進や転職、独立など、職業人生の計画のことを言います。この計画のなかには、プライベートな面は含まれません。

また、キャリアデザインと同じように一つの企業での道筋を明示するものではなく、キャリア形成のための転職や独立も視野に入ります。

企業側がキャリアパス制度を重要視している理由

キャリアパス制度とは、企業内での昇進や昇格において、どのようなスキル・実績を積んでキャリアをたどるのかという基準や条件を明確に定めて、社員に示す制度のことを言います。

転職が当たり前になってきている今の時代、スキルのある人材の確保・定着が難しいと感じている企業は少なくありません。そこで、企業側はキャリアパス制度を導入し、キャリアパスを社員に明示して労働環境を整えることで、人材の確保・定着を図っています。

また、キャリアパスを明示することは、企業に適応できるかを判断する材料にもなり、人材のミスマッチ防止にもつながります。結果、企業としては短期の離職を防ぐことも期待できるでしょう。

働く側から見たキャリアパス制度のメリット

ここでは、働く側から見たキャリアパス制度のメリットについて解説します。

今の自分に何が必要か明確になる

キャリアパス制度があることで、入社した企業のなかで最終的に自分が目指す役職に就くためには、今何が必要なのか明確になるでしょう。

例えば、以下の点についてはっきりするため、努力の方向性を間違えることなく迷わず行動できるようになります。

  • どのようなスキルを身に付ければよいか
  • どのような資格を取得すればよいか
  • どのような経歴を積んでいけばよいか

また、今必要なことが明確になるだけでなく「今待っているスキルや今までの経験をどのように活かせるのか」ということも分かるようになります。

モチベーションの向上につながる

今の自分に何が必要かわかることで、目標がはっきりと定まります。現在行っている業務もその目標を達成するための過程だと捉えられるので、前向きな気持ちになり、モチベーションを維持したまま仕事ができるでしょう。

目標までの道筋も明確なので、そのステップを一つずつ達成することで、その都度、自己達成感や満足感も得られるようになります。

また、目的意識を持って仕事をすることで成果が出やすくなるため、更なるモチベーションアップが期待できます。その結果、仕事の質も高まり、企業にとってなくてはならない存在になるでしょう。

ワークライフバランスが実現できる場合がある

キャリアパス制度が確立されていれば、適材適所への人員配置が可能になるため、効率的に仕事ができるようになります。業務効率化が実現できれば残業時間削減も期待でき、ワークライフバランスを実現できる可能性が高まります。

仕事の場だけでなくプライベートも充実すればストレスが軽減され、仕事のパフォーマンス向上にもつながります。

働く側から見たキャリアパス制度のデメリット

ここでは、働く側から見たキャリアパス制度のデメリットについて解説します。

他のキャリアを選びにくくなる可能性がある

キャリアパス制度においては、昇進のための条件が明確に示されているケースが多くなります。そのため、条件を満たすための努力が昇進への近道となるでしょう。

 しかし、特定の役職やポジションを目指すことで、場合によっては他のキャリアが選びにくくなるという可能性もあります。また、実際には働くなかでキャリアに対する考え方が変化することも少なくありません。

そのため、キャリアパス制度だけを意識せず、視野を広げて仕事をこなしていくことが重要になります。

要件を満たしても昇進できないことがある

キャリアパス制度は、一定のキャリアに到達することを目指すためのものです。ただし、状況によっては、要件を満たしても昇進できない場合があります。

 例えば、役職やポジションに空きがなければ、要件に合致する経験やスキルがあっても昇進できないこともあります。また、経営状況の変化があった場合も、昇進が認められない可能性があるでしょう。

納得できない場合はそのままにせず、上司や人事担当者などに面談の機会を設けてもらい、会社と意見のすり合わせを行うことが大切になります。

条件によってはモチベーションが低下する可能性がある

キャリアパスは、半年後、1年後といった短期的な視点ではなく、5年後、もしくは10年後といった、長期的な視点でキャリアを見据えたものになっているケースが多くなります。そのため、見据える目標が現在地から遠く、レベルが高いものであればあるほど手応えを感じられず、モチベーションの低下を招く可能性があります。

また、企業が用意したキャリアパスの内容に納得できない方にとっては、前向きになれず、モチベーションの低下につながってしまう恐れもあります。

これから転職を考えている方は、求人情報などで企業のキャリアパス制度をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

自身でキャリアパスを立てる際のポイント

自身でキャリアパスを立てることは、自分自身のキャリア形成について考えるきっかけにもなります。以下では、自身でキャリアパスを立てる際のポイントについて解説します。

具体的なゴールを設定する

キャリアパスは目標に向かうための道筋になるため、最初にキャリアの具体的なゴールを設定することが重要になります。ゴールは一般的なものなどではなく、自分の価値観や本心に基づいて設定します。

 例えば、将来的に仕事よりも家族を優先して生活したいのであれば、それが実現できるポジションや仕事を目指してもよいでしょう。

自分の適性を把握する

キャリアパスについて考える際には、自分自身の適性を理解することも大切です。理想とされることを目指すこと自体は問題ありませんが、それが自分に合っていて、自分の強みが活かせるようなゴールかどうかはよく考える必要があるでしょう。

例えば、人の上に立って指示を出すのが得意な方もいれば、一人で地道に作業に取り組むのが得意な方もいます。

自分の適性に合わせることで実現性の高いキャリアパスを立てられ、努力の方向性が定められます。

転職市場の動向を把握する

転職を考えている方は、転職市場の動向をリサーチしておくことも重要になります。

目標とする業界に関連する企業のホームページや求人の募集要項などを確認し、具体的に必要な経験やスキル、さらにはどんなポジションが存在するのかを把握しておきましょう。リサーチした内容をキャリアパスに落とし込むことで、目標がより明確になります。

特に外資系企業の採用市場は即戦力が求められるため、現在持っているスキルや経験をどうアピールするか準備しておく必要があります。

定期的に見直す

キャリアパスはあくまで現時点で設定している仮の道筋になるため、定期的に見直すことが重要になります。

世の中は常に変化していくため、一度立てたキャリアパスをそのまま指標にしていると、想定していた目標を達成できない可能性もでてくるしょう。また、経験を積んでいくことでやりたいことが変わり、目標そのものが最適ではなくなる可能性もあります。

できれば毎年更新し、キャリアパスの精度を高めていきましょう。

転職の際にキャリアパスを立てておくことが重要な理由

自身でキャリアパスを立てておくことは、転職の際にも大いに役立ちます。その理由について、以下で詳しく解説します。

面接でキャリアパスを聞かれる可能性がある

「この会社で何年後にどうなっていたいか」など、面接時にキャリアパスについて聞かれることがあるため、答えられるように準備しておく必要があります。

外資系企業は転職が当たり前な世界ではあるものの、採用にはかなりの費用がかかるため、すぐに辞めてしまいそうな方は採用したくないと考える企業も少なくありません。面接でキャリアパスを聞かれたときに、数年後のキャリアまで具体的にイメージできている方は、長く働く意思があると判断してもらえる可能性が高まります。

必ずしも面接でキャリアパスを聞かれるとは限りませんが、自分自身のキャリア形成を考えるよいきっかけにもなり、準備しておいて損はないと言えます。

転職後のミスマッチを防げる

自身でキャリアパスを立てておくことで、企業が明示するキャリアパスと相違がないか確認できるため、転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

企業によっては求人情報や採用サイトなどにキャリパスが明示されているので、確認してみるとよいでしょう。公開されていない場合は人事担当者に連絡する方法もありますが、おすすめなのは転職エージェントを活用することです。

転職エージェントは転職市場の動向や転職成功事例などにも詳しいため、自身のキャリアパスにマッチしている企業を紹介してもらえます。コンサルタントにキャリア形成についても相談に乗ってもらうとよいでしょう。

まとめ

働き方が変化している現代では、キャリアパスを意識して計画的にキャリアを積み上げていくことが重要になってきています。そのため、転職を検討する際にも、応募先の企業がどのようなキャリアパス制度を導入しているのか確認することをおすすめします。

よりよい転職を目指すなら、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。外資系企業や日系グローバル企業の転職に強いエンワールド・ジャパンなら、その人のキャリアに適した転職先の紹介が可能です。まずは無料面談にぜひご応募ください。

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