
大手日系化粧品メーカー ⇒ 外資系化粧品メーカー ⇒ 外資系製薬会社コンシューマー事業部長
N様
大学院で農学を専攻したN様は、卒業後、大手日系化粧品メーカーで、メーキャップ商品の開発や、スキンケア商品の開発・マーケティングを担当。さらに、ニューヨークで現地マーケティングに携わり、13年間の海外勤務経験を積んできました。
新しい挑戦を柔軟に受け入れてきたN様は、キャリアの次なるステップとして未経験の経営領域に挑戦するため、大手外資系製薬会社への転職を決意します。
本インタビューでは、転職のきっかけやプロセス、転職において苦労したことや成功エピソード、日系企業と外資系企業の違いについて、お話を伺いました。
未経験の「経営」に挑むため転職を決断
転職を考えたきっかけをお聞かせください。
転職を考えたきっかけは、私自身の「好奇心」と「チャレンジ精神」です。前職においても、目の前に訪れる新しい機会を「やってみよう」と柔軟に受け入れる姿勢を大切にしてきました。研究職からキャリアをスタートし、商品開発やマーケティング、海外勤務まで、未知の領域に積極的に挑戦したことで、幅広い経験を積めたと感じています。
ただ、その中で欠けていると感じていたのが「経営」の視点でした。特に営業の統括やブランド全体の収益管理といった経営面での経験がなく、それを補うことがキャリアを完成させる大切な一歩になると考え、転職を決断しました。
転職において、どのようなことを重視しましたか?
転職先を探す際に最も重視したのは、これまでの経験を最大限に活かせる環境であることです。日本とアメリカの双方で培った知見をもとに、「日本企業のグローバル展開」や「外資系企業の日本市場適応」に関わることを重視しました。化粧品業界だけではなくラグジュアリー領域全般にも関心があったので視野を広げながら、未経験の経営領域にも挑戦できるポジションを探しました。
私の強みとして、コミュニケーション力と複雑なステークホルダーマネジメントがあります。グローバル本社・地域本社・現地法人の全てを経験したことで、異なる立場を理解しつつ利害を調整し、解決策を導き出す力を培ってきました。次のステージでもこの強みが発揮できるかどうかが、転職先を選ぶ上での判断基準となりましたね。

信頼できる伴走者との出会いが転機に
どのようにエンワールドや今の会社に出会ったのでしょうか?
転職活動では、特定の業界に絞らず、複数のエージェントを通じてさまざまな案件を検討しました。心掛けていたのは、少しでも興味を持った求人は面接まで進み、自分に合うかどうかを見極めるという点でした。エンワールドとの出会いは、LinkedInに掲載された求人に興味を持ったことがきっかけです。エンワールドという名前は知っていましたが、実際にコンタクトを取ったのは、今回が初めてでした。
担当コンサルタントからは、自分に合った最適な案件を紹介してもらい、円滑なサポートもあって一件目の案件で、内定を得ることができました。エンワールドで信頼できる担当コンサルタントの方と出会えたことが、転職の成功につながったと考えています。
エンワールドのコンサルタントは、どのような存在でしたか?
担当してくださったコンサルタントの方は、私の転職活動における、まさに「優れた伴走者」でした。後から年齢を聞いて驚きましたが、私からの各質問に対して迅速に回答いただき、面接後のフィードバック対応も素早く、明確なコミュニケーションによって、すぐに安心感を覚えました。
転職において苦労したことを教えてください。
今回の転職で苦労したのは、選考プロセスそのものというよりも、自分にとって最も適したポジションをどう絞り込むかという点でした。本当に自分に合うのは、どのポジションなのか。それを見極める作業は、簡単ではありませんでした。エージェントに相談するだけでなく、自分でも積極的に情報を集めて、知人や元社員へのヒアリングも重ねました。また、疑問点があれば追加面接を依頼するなど、納得できる判断を下すために自ら動くことを大切にしました。最終的に、自分で選び取ったという実感を持てたことが、苦労の末に得られた大きな成果だと感じています。
一方で、面接自体は複数回にわたり階層ごとの面接官とお会いしましたが、コンサルタントの助言で自主的にプレゼン資料を準備したことで議論がスムーズに進み、自信を持って臨めました。
心理的安全性を育み安心できるチーム作りに取り組む
現職ではどのような仕事をしていますか?
私は現在、外資系製薬会社のコンシューマ事業部長として、スキンケアブランドの日本市場展開を統括しています。マーケティング、eコマース、セールスの3部門を担当し、売上・利益目標の達成に責任を持つ立場です。私が担当しているブランドは海外では高い知名度とシェアがありますが、日本での認知度はまだ低く、大きな成長のチャンスがあると感じています。米国在住時から親しんできたブランドを日本で広められることに、大きなやりがいを見出しています。
前職との違いや、転職するにあたって不安を感じたことなどはありますか?
これまで未経験だったドラッグストアなどのマスマーケット向けチャネルに初めて挑戦したことが、前職との大きな違いでした。前職で培ったスキンケア領域での経験は活かせたものの、マスマーケットについては一から学ぶ必要がありました。幸運なことに、セールスには経験豊富なメンバーが揃っており、上司からも「任せて大丈夫」と言われたので、安心してマーケティングに注力できました。不安よりも、新しい領域に挑戦できる期待の方が大きかったです。
組織面では人材定着率の向上のため、チームメンバーの課題や強みを把握し、安定したチームを築くことが大きなミッションだと認識していました。
現職で成功したエピソードを教えてください。
チームとの積極的なコミュニケーションが、現職での成功を支えてくれています。まず、着任直後に全メンバーと1on1を実施し、課題や改善点を率直に話してもらいました。半年後にも全メンバーと面談し、信頼関係を築くことを意識してきました。直属の部下とは毎週1on1を続けていて、他のメンバーからの相談にも必ず応じることで、心理的安全性の確保にも務めています。いつでも話せる雰囲気作りを大事にしており、声を掛けられたら絶対に断らないようしています。また、部門間の情報共有不足を解消するため、自ら橋渡し役となり、情報が迅速に循環する仕組みを築きました。
こうした取り組みにより、メンバーが安心して意見を出せる環境を整え、チームとして成功体験を積み重ねられたことが大きな成果だと考えています。

外資系企業で知った日米における意思決定のスピードの差
現場ではどのようなことを重視して仕事に取り組んでいますか?
現場で最も心掛けているのは、属人的になりがちな業務を仕組み化・見える化し、誰もが働きやすい環境を整えることです。現場の状況を最も理解しているのはメンバー自身なので、その声に真摯に耳を傾け、課題を正確に理解した上で適切な解決策を導くようにしています。また、問題をため込まず迅速に判断し、メンバーが安心して力を発揮できるよう支えることが私の役割だと考えています。
このような姿勢の原点となっているのは、米国駐在時に出会ったオープンで決断力のある女性社長からの学びでした。その経験を活かしながら、本来の内向的で調和を大切にする性格と、培った推進力を掛け合わせながら、日々の成長と改善に取り組んでいます。
日系企業と外資系企業で違いを感じるところはありますか?
日系と外資で特に違いを感じるのは、意思決定のスピードです。日本では、熟考するあまりチャンスを逃す場面を時折見かけます。アメリカでは、7〜8割の完成度であっても先に結論を出して前に進み、必要に応じて修正するスタイルが一般的だと感じます。
近年は日本企業にも確実な変化が見られます。グローバル化が進み、中途採用や外国籍人材の登用が増えるなど、着実に変化している点は大きな前進だと感じています。

自分らしいキャリアを築くために人脈を通じた情報収集を
N様の将来の目標や、キャリアにおけるゴールを教えてください。
将来的には、これまで化粧品業界で培ってきた経験を活かし、スタートアップや若い世代を支援する立場を目指しており、コンサルティングのような形で力になれればと考えています。また、キャリアの節目ごとに360度評価やコーチングを通じて自己認識を深め、求められる役割に合わせてスタイルを柔軟に変化させてきました。こうした学びを糧に、幅広いリーダーシップを発揮しながら、今後も成長を続けていきたいと思っています。
最後に、これから転職を考えている人に向けてメッセージをお願いします。
転職を考える際に大切なのは、「できること」と「やりたいこと」をしっかり切り分けることだと思います。これまでできてきたことが、必ずしも自分の強みや情熱と一致するとは限りません。興味を持てる分野や、働く姿をイメージが具体的に浮かぶ業界を選ぶことが重要です。また、面接では企業文化や働き方をしっかり確認し、入社後のギャップをできるだけ減らす工夫も大切です。
普段から人脈を通じて実際に働いている人の声を集めることで、リアルな情報や学びが得られます。そうした準備と情報収集が、自分らしいキャリアを築く力になるのではないでしょうか。
※2025年10月現在の内容です
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