世界No.1シェアの東芝テックが描く、技術革新とグローバル人財育成のビジョン

2026.06.12
世界No.1シェアの東芝テックが描く、技術革新とグローバル人財育成のビジョン

東芝テック株式会社

仁礼 英銘 / 尾木 雄貴

POSシステム市場で国内シェア50%超、世界でもトップクラスの実績を誇る東芝テック株式会社。現在、同社ではグローバルな組織づくりを促進させるため、海外採用や社内支援を強化し、世界で活躍できる人財の育成を加速させています。今回はCDO室次長 仁礼 英銘氏とDX技術戦略担当 尾木 雄貴氏に、東芝テックの魅力やAI時代に向けた新たな挑戦について伺いました。

CDO室を牽引するお二人のキャリアと東芝テック参画の背景

お二人のこれまでのキャリアと、東芝テックへ参画した経緯を教えてください。

仁礼氏:前職では株式会社マネーフォワード、その前は株式会社ファーストリテイリングで、エンジニアリングマネージャーを務めていました。これまで一貫して、グローバル組織の拡大やアーキテクチャの横断的な整備、組織全体の底上げに取り組んできました。東芝テックへの参画は、ファーストリテイリング時代に親交のあったCDO石川からの声がけがきっかけです。日本発の内製開発組織を基盤にグローバル体制を強化し、時差を越えて各国が連携できる組織を目指す構想に共感し、入社を決めました。

尾木氏:私は、新卒で東芝テックに入社しています。就職活動では「自らの仕事が日常に息づく実感を得られる企業」を軸にしていました。当初は自動車業界を中心に検討していたのですが、次第にPOSシステムを展開する東芝テックにも興味を持つようになりました。POSシステムは、日々の買い物で誰もが目にする存在であり、学生時代のアルバイトでも使っていたものです。実際に使っていたからこそ、開発後にどう活用されるかまでリアルに想像でき、それが入社の決め手になりました。

大企業のスケールとスタートアップのスピード感を併せ持つ組織文化

実際に入社して感じた組織の印象はいかがですか?

仁礼氏:入社前は「1万人規模の大企業のため、意思決定には時間がかかるのではないか」という印象を持っていました。しかし、ロジカルに物事を進めることで、柔軟に変化を受け入れる土壌があると感じています。私が所属するCDO室も、スタートアップのようなカルチャーへと変化しつつあります。大企業ならではのスケール感とスピード感を兼ね備えた、非常にやりがいのある組織です。

世界No.1シェアのPOSシステム市場、ELERAを軸にしたリカーリング成長へ

現在のグローバル展開の位置づけや、貴社の強みについて教えてください。

仁礼氏:東芝テックは、POSシステム市場で世界No.1の地位を確立しています。国内においても50%以上のシェアを有しており、幅広い業態で導入されているため、日常生活の中で東芝テックのレジに触れている方も多いのではないでしょうか。
強みとしては、単にハードウェアや保守を提供するだけでなく、お客様に寄り添いながら店舗全体の課題解決まで踏み込める点が挙げられます。全国に展開する営業やSEチームが各店舗と密に連携し、店舗ごとのワークフローやオペレーションに合わせたソリューションを提案することが特長です。

さらに現在は、米国の東芝グローバルコマースソリューション社とリテール基盤のグローバル共通化を進めています。米国先行で開発した基盤、ELERAはすでに米国のトップリテーラーに採用されており、成長ドライバーになっています。今後は、国内事業においても、グローバル連携を深めながら同基盤をさらに発展させ、リカーリング型ビジネスやパートナーとのエコシステムを拡大していきます。

ハードの確実性とソフトの機動力を掛け合わせた独自の開発体制

グローバル化を進める中で、組織や開発面にどのような変化がありましたか?

尾木氏:CDO室では中途入社のメンバーも増え、スタートアップのようなスピード感や柔軟な進め方が浸透してきました。従来のようにすべてを整えてから着手するのではなく、まずは大まかな方向性を定めて動き出し、走りながら改善を繰り返していくスタイルへと変わってきています。

仁礼氏:東芝テックは、高い信頼性が求められるハードウェアを扱っているため、一つひとつの工程を慎重に設計・検証する文化が根付いています。一方で、システムなどのソフトウェア領域では、プロジェクトによって短いサイクルで開発と改善を繰り返すアジャイルを取り入れています。プロジェクト全体としては計画的に進めつつ、各チームは状況に合わせて柔軟に動いています。こうした環境の変化に伴い、メンバー一人ひとりが主体的に技術を習得していく風土も醸成されつつあります。

グローバル人財の積極採用と多様性のある組織づくり

採用や人財戦略の面では、どのような取り組みを推進されているのでしょうか。

尾木氏:日本だけに留まらず、グローバルに活躍できる人財を積極的に受け入れる方針へとシフトしています。実際に外国人財の採用も進んでおり、組織の多様性が高まっています。

仁礼氏:人財戦略においては、グローバルを見据えた組織づくりを加速しています。象徴的な取り組みの一つが、インドにおけるグローバル新卒採用です。東芝グループの現地法人と連携し、現地大学での説明会や現地法人でのインターンシップを通じて優秀な学生を採用し、教育プログラムを提供しながら、長期的な視点で次世代のグローバルリーダー育成に取り組み始めたところです。

また、日本や北米、インドなど各拠点でシステム全体の設計を担うトップクラスの技術者たちが参加する多国籍な会議を実施し、国境を越えた技術連携を強化しています。さらに、全社員を対象にグローバルマインドの形成に向けた研修や語学プログラム、海外派遣制度を展開し、組織全体で国境を越えて活躍できる人財の育成に取り組んでいます。

AIを活用し開発効率の大幅向上を目指す

今後の技術的な展望や、AI活用の取り組みについてお聞かせください。

仁礼氏:CDO室主導で、ELERAに蓄積された設計書やソースコードなどの資産を活用し、AIによる仕様提案や開発効率化を進めています。量販や飲食など業界ごとの複雑な仕様にも対応できるよう、RAG(検索拡張生成)などの生成AI技術を活用し、社内データを安全に活用できる仕組みを構築中です。これにより、AIに問い合わせるだけで仕様・ソースコードを横断的に把握できるようになり、開発効率の向上につながることを目指しています。

さらに、各種SaaSアーキテクチャのレビューを通じて設計を最適化し、エンジニアがスピード感とスケーラビリティを両立できる開発体制を整えています。組織全体としてもAIへの関心が高まっており、週次の勉強会やベータテストなどを通じて、全社的にAI活用の動きが広がっています。

自分の意思でゼロから道を切り拓ける人が輝ける場所

今後、どのような方と一緒に働きたいとお考えですか?

尾木氏:目的に向かって「自分はこうしたい」という意思を持っている人です。目標を実現するためにはどうすればよいかをしっかり議論できる人が、今進めているRAGの取り組みにもマッチすると思います。あわせて、素直さや誠実さも大切だと感じています。

仁礼氏:チャレンジ精神のある人です。CDO室にはビジネス寄りと技術寄りの方がいますが、技術者の視点で言うと、膨大な設計書やソースコードと向き合うことは一種の挑戦です。一般的なRAGのソリューションでは追いつかないスケール感なので、ゼロベースで「まだ道がないところに道を作る」ことを面白いと思える人が理想です。

また、1万人規模の会社なので、横の連携も非常に重要です。自分だけで完結させるのではなく、共通の目標に向かって周りと連携しながら物事を進められる方が合うと思います。

手厚いキャリア支援制度で、一人ひとりが主体的に成長できる

弊社では “Enabling Success” をミッションに掲げています。東芝テックの皆さまが持続的に活躍されるよう取り組まれていることがあればお聞かせください。

仁礼氏:東芝テックでは、2011年より「キャリアデザイン」の取り組みを行っています。これは、社員が自身のキャリアを自律的に考える機会として、毎年、自らのキャリアを形成・策定して働くための仕組みです。

また、階層別教育や技術・営業など職種別の研修の種類も充実しています。キャリアステージに応じた研修も用意されており、例えば30〜40代向けには、これからのキャリアをどうするかを見つめ直すような機会も提供されています。

尾木氏:制度面では社内公募制度もあります。部門が公開するポジションに対して、従業員が自らの意思で立候補できる仕組みです。私自身もこの制度を利用して、ソフトウェア開発部署からCDO室への異動を実現しました。一定の条件を満たせば応募できるため、自分の描きたいキャリアにチャレンジできる環境が整っています。

独自開発のRAGとグローバルな開発基盤、その双方がもたらす挑戦の機会

最後に、この記事の読者へメッセージをお願いします。

尾木氏:生成AIやRAGの領域は進化のスピードが非常に速く、とてもチャレンジングな領域です。東芝テックのような企業規模だからこそ扱える膨大なデータや、多様な事業領域にまたがる知見を活用しながらRAGを開発できる経験は、エンジニアにとって大きなやりがいとなるはずです。新しい挑戦で大規模な開発経験を積みたい方には、非常にフィットする環境だと思います。

仁礼氏:東芝テックと聞くとPOSシステムのハードウェアの会社というイメージを持たれがちですが、実際にはその裏側をグローバル規模のSaaS基盤が支えています。そのため、業界経験は問わず、SaaS開発の経験があり、グローバルな環境で新しいことに挑戦したい方にとって、とても魅力的な舞台になるはずです。

さらに東芝テックの特徴は、ハードとクラウドが一体となっている点です。同じフロアに基盤やハードウェアのチームとSaaSチームが共存しており、デバイスからクラウドまで幅広い技術領域に触れられます。こうした環境で、「新しい技術に挑戦したい」「スケールの大きな開発に関わりたい」「ハードからクラウドまで一貫して価値を生み出したい」と考える方は、ぜひ一度お話しできればうれしいです。

仁礼 英銘

仁礼 英銘

東芝テック株式会社
CDO室 次長

1992年にNTTでキャリアをスタート。その後複数社で開発責任者、開発PM、CTOなどを歴任。ファーストリテイリングでは開発組織統括を担い、マネーフォワードではMFBC-CTO室副室長としてSRE組織立ち上げと開発標準化を推進。
2024年12月に東芝テックへCDO室次長として就任。現在はエンジニア組織のグローバル化、クラウドPOS関連システムのアーキテクチャレビュー、AIによるSaaS開発効率化と、全社向けRAG開発PO / 設計方針を担当。

尾木 雄貴

尾木 雄貴

東芝テック株式会社
CDO室

2015年に新卒入社し、ショッピングセンター向けマルチターミナルや決済端末のソフトウェア開発に従事。
2022年よりCDO室にて、事業部と連携しながらクラウド基盤のアーキテクチャ設計およびインフラ設計を支援。あわせて、全社RAGシステムについて構想策定、要件整理、技術設計、構築推進まで一貫して主導している。

宮田 望

宮田 望

エンワールド・ジャパン株式会社
Nikkei部門 シニアチームマネージャー

2021年エンワールド・ジャパン入社。 IT業界に特化した人材紹介で13年以上のキャリアを持つ。
現在は、日系IT企業を中心に、ベンチャー企業やグローバル企業の非IT系の事業者や開発、ものづくりのサービスを提供するITベンダー企業への人材紹介に携わる。人材紹介だけでなく社内のシステムの整備や若手メンバーのフォローアップにも積極的に取り組んでいる。

※2026年3月現在の内容です

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