中途採用でさらなる飛躍と変革を、製薬業界のリーディングカンパニーの新たな挑戦

2024.08.05
中途採用でさらなる飛躍と変革を、製薬業界のリーディングカンパニーの新たな挑戦

Pfizer Japan Inc.

西 健太郎氏 / 八雲 弥生氏

世界的な製薬会社として業界を牽引し、新薬とワクチン開発で常にイノベーションを生み出してきたファイザー株式会社。その日本法人ファイザージャパンは、昨年2023年に70周年を迎えました。先進的な医薬品開発と幅広い社会貢献を進めると同時に、部門を超えたキャリア形成やダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下DEI) の取り組みでも知られています。

充実した環境で驚異の人材定着率を誇るファイザージャパンですが、近年、中途採用によってさらなる飛躍を目指しています。人材採用の先頭に立ち、社員のキャリアパスを支えるJapan&South Korea Talent Acquisition Lead, People Experience人事採用部長の西 健太郎氏とSr. Manager, Colleague Communication and Engagementとして社内広報・DEI推進を担当している八雲 弥生氏にお話を伺いました。

人を成長させる力をたどって人事の道へ、医薬の力を実感して製薬企業へ

西様のこれまでのキャリアを教えてください。

西氏:大学卒業後、総合商社で営業と商品企画を担当していましたが、同期の成長の差を見て、この差が生じる原因は何だろうとタレントマネジメントに興味を持ちました。志願して人事・組織開発に携わるようになり、その後外資系保険会社、コンサル会社の人事を経て診断薬メーカーの人事総務部長に転職しました。これが、ヘルスケア業界に入った最初です。 

実はその頃、身近な方が難病と診断されたことがありました。結局その診断は間違っていたのですが、そのとき初めて医療や薬の力を実感し、それをきっかけに製薬企業に強い関心を持ちました。 

 

日本の製薬業界に変革の旗を立てるグローバル企業 

製薬業界のみならず、他業界における人事もご経験されている西様から見て、ファイザー社の魅力や強みはどんなところだと思われますか。

西氏:多くの会社を経験しましたが、ファイザー社の社員の社会人として、そして、ヘルスケア業界で仕事をする人間としての質の高さを感じます。部分的に優れている会社は、他にもいろいろあるでしょう。しかし、倫理観、人間性や仕事に対するモチベーション、多岐にわたってファイザーは優秀な方が多いと思います。 

また、労働時間の健全な短さも魅力です。大事なことに集中して、クオリティを上げる業務効率化のカルチャーが生きています。 

従来の業界の在り方を率先してより良いものへ変えようとしているのがファイザーだと考えています。 

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外部の風を取り入れてフレキシビリティを維持していく 

ファイザー社はこれまで新卒採用が中心で中途採用は活発に行っていない印象でしたが、ここ数年で力を入れ始めたのはどういった背景からでしょうか?

西氏:今までファイザーが中途採用をしていると思っていない人が、多かったのではないでしょうか。採用情報が、皆さんにあまり届いていなかったのではと考えています。 

ただ、中途採用が増えた背景には、やはり社外からの新しい血の必要性への気付きがあったと思います。もともと離職などによる人の入れ替わりが少ない会社なので、どうしても社員の同質化が起こりやすく、また、動もすると企業としての柔軟性が落ちてきます。そこで、外部から異質ながらも専門性を持った人、優秀な人たちを採用することで、学びや全体の活性化が可能となります。今で言うダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの実現でしょうか。

  

人に選ばれるブランディングと面接システムの積極的な整備 

採用における課題感や優秀な人材を採用するにあたって、貴社ならではの取り組みがあれば教えてください。 

西氏:ここ数年ファイザーはさまざまな大学の医学部や薬学部を巡って、積極的にパイプラインを作ってきました。新卒はもちろん中途採用のコネクションを増やすため、ネットワークを構築してきたのです。ドクターをはじめ多くの方々に、キャリアパスとしてファイザーという道があると知っていただくことから始め、医薬界の認識を更新してきました。 

実際、ファイザーが求人を出しているなら、他社でなくファイザーを受けようと選んでくださる方も多くいらっしゃいます。ファイザーは今、そのようなブランドになって来ていると実感しています。一方で、我々は面接を受ける側の負担減にも取り組んできました。面接回数を最小限に減らし、質問の数や内容も効果的に整備して採用プロセスを応募者視点に切り替えています。ファイザーでは、これを全世界的に“Candidate Experience”と呼んでおります。 

 

外資の効率性と日本文化を共に生かすグローカリゼーション

ここ数年で、中途採用でご入社される方も増えたかと思いますが、環境やカルチャーについて気になる方も多いと思います。西様から見た印象を教えてください。また、カルチャーについては八雲様からお伺いしてもよろしいでしょうか? 

西氏:効率性を求める外資系特有の風土はありますが、中で働いている社員はおおむね日本人です。日本のカルチャーが根づき、一方でグローバルな広がりも持っています。非常に落ち着いた社風の中でカジュアルで自由な職場環境が保たれており、一般的な本社があるニューヨークのメガカンパニーというイメージとは異なっています。 

八雲氏:煩瑣(はんさ)な手続きが少なく、上司とチームとのコミュニケーションがフラットで、風通しのいい環境です。驚いたのは、役員の皆さんが率先して手を動かしてくださることです。 

外資系らしいフレキシビリティと日本特有の文化や制度への理解があり、いわゆる「グローカリゼーション」というのがしっくりくる印象です。 

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患者さんのブレークスルーのため 人の潜在能力を引き出す挑戦を 

2019年にサイエンスを原動力とするバイオファーマに変化され、直近では米シージェン社を430憶ドルで買収されましたがこれらを踏まえ今後の事業展開や人材開発どうなっていくのでしょうか

西氏:我々の企業目的に「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす」というものがあり、それが企業買収、人事戦略などすべての前提となっています。2023年4月、ファイザーは今後数年間にわたって取り組む目標「Purpose Blueprint 2.0」を発表しました。そこでは「2027年までに年間10億人の人生を変える」という目標が掲げられています。 

人事戦略では、人を育てることが最も大切だという認識のもと、「社員の潜在能力を引き出す」という目標があります。部署を越えて社員の成長意欲に寄り添うキャリアパスの形成を大切にしています。DEIの推進もまた、その施策のひとつだと考えています。 

  

ジェンダーギャップの大きな日本でジェンダー的こだわりの解消を 

近年、製薬企業のみならず多くの企業が「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げておりますが、貴社でもそれを推進する特別な取り組みなどはございますか?

八雲氏:現在ファイザーは「DI」に「E(エクイティ)」を加え、「DEI ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(多様性・公正性・包括性)」を推進しています。エクイティ(公正性)は、さまざまな人が機会を均等に得られるよう、個々に合わせて不均衡を調整することを意味しますが、女性活躍、障がい者やLGBTQインクルージョン、ジェネレーションなど、それぞれの文脈の中にエクイティの要素を取り込んで浸透させていっています。

障がい者雇用も積極的に取り組んでいるテーマのひとつです。ほかにも他業種からの採用をどんどん行うなど、ファイザーはあらゆる壁を壊す変革を意識的に進めています。 

女性の活躍はグローバルな課題ですが、日本はジェンダーギャップが大きく、特別な対策が必要です。最近は「Men as Allies」という男性目線から女性の活躍を捉え直す活動などを通して、最終的にジェンダー自体へのこだわりを解消する地点を目指しています。 

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誰もがリーダーになれる世界で積極的に手を挙げよう 

このような組織作りの中で、貴社ではどんな方が活躍されており、またどういったマインドをお持ちの方がフィットするとお考えでしょうか? 

八雲氏自ら考えアジャイル行動したり、積極的に手を挙げてチャレンジしたりする人が求められています。役員がメンターになって社内の才能を育てようとする企画では、やはりそのような人が選ばれています。

また、「ボスを減らし、組織のあらゆるレベルでリーダーを増やす」という指針があります。ボスというと上下関係を連想させますが、リーダーは役職や階級に関係なくチーム、プロジェクトなどさまざまな挑戦の先頭に立つ存在です。いろいろな面で、誰もがリーダーになれる可能性があります。失敗を恐れず、積極的に発言し、挑戦を繰り返そうと謳っています。 

部門を越えたキャリア形成を会社ぐるみで応援する制度がある 

エンワールドでは、”enabling success”=「入社後の活躍」をコアバリューに置いています。ファイザー社の社員の皆様が持続的に活躍されるよう、取り組まれていることがあれば教えてください。 

西氏:部下と上司がキャリア、成長について継続的に対話し、ともに考え、上長が部下に寄り添ってその成長を助ける「グロースカンバセーション」という仕組みがあります。上長が部下のキャリア形成に関して回答を提供するというのではなく、経験豊富な上長が大切な部下に対して親身になって本人とは違う視点でアドバイスを与えるなどして一緒に部下のためになるキャリアを考えるというシステムです。

また、社内公募システムが充実しているので、希望があれば社員が部署異動して新しいキャリアを形成することを「ジグザグキャリアパス」として強く奨励しております。未経験でもポテンシャルなどがあれば、海外を含めて異動する選択肢が持てます。応募したからと言って必ず新しいキャリア(異動)が約束されているわけではないですが、 多くの社員が自由にチャレンジしています。

社内公募の中には「セコンドメント」「グロース・ギグス」といって期間限定あるいは時間限定で他の部署の業務が体験できる制度もあります。完全なキャリア変更には躊躇がある場合も、この制度を使えば、やってみてから判断できます。このように、ほんの部分的なトライを可能にするシステムなど、さまざまなレベルで部署を越えてキャリアやモチベーションを活性化する制度が整っています。

なお、それぞれの部署には、その部署の業務内容を説明してくれる「アンバサダー」と呼ばれるメンバーがいて、興味があればそのメンバーから説明を聞いて、業務のイメージをつかむことができます。 

八雲氏:実はDEIの活動も、部門や業務を越えた経験や繋がりを得られるという点で、社員から非常に人気が高いのです。DEIを積極的に推進することは人材育成の観点からもイノベーティブな環境を作り出していると言えます。 

 

  

自分のキャリアを作ろうとする人に最適な会社 

最後に、このページをご覧になっている皆様に一言お願いします。

西氏私は「自分のキャリアを自分で作っていくこと」がとても大事だと思っています。今だ!と思ったときに躊躇せずに挑戦してみてください。環境が変わると新たな出会いや気づきがありますし、前向きな想いや高い志は必ずご自身の成長につながると思います。

ファイザーは自分のキャリアを自分でデザインしたいと思う方々にとって、素敵な環境だと考えています。組織全体が社員のことを考えていて人に優しい会社です。ご関心を持たれた方は、ぜひチャレンジしていただきたいです。

カナダの精神科医であるEric Berne氏の言葉を最後にお贈りします。

“You cannot change others or the past. You can change yourself and the future.”

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西 健太郎

西 健太郎

Pfizer Japan Inc.
Japan&South Korea Talent Acquisition Lead, People Experience 人事採用部長

大学卒業後、AIG,PwC,Thermo Fisher Scientificなど複数の外資系企業の人事部門にてマネージメントを経験した後、2019年にファイザー株式会社へ入社。
2021年より現職。人事関連の豊富な知識を活かし現在は日本、韓国の採用統括を行っている。

八雲 弥生

八雲 弥生

Pfizer Japan Inc.
Sr. Manager, Colleague Communication and Engagement

LIXILにてインターナルコミュニケーションやコーポレイトプランニングのリーダーを経験した後、2022年にファイザー株式会社入社。
社員のコミュニケーションやエンゲージメントの強化の一環でDEI活動に携わる。

Haruko Yamajo

Haruko Yamajo

en world Japan
Life Science Division Principal Consultant

2020年エンワールド入社。 人材コンサルタントとして約10年間製薬業界に従事。
前職含め、複数の社内アワード受賞。
enabling success=入社後活躍を信念に、お一人おひとりへのキャリアコンサルテーションには定評があり、Principal Consultantとして活躍している。

Takuya Iwao

Takuya Iwao

en world Japan
Life Science Division Sales Senior Team Manager

2015年エンワールド入社。Life Scienceのフィールドで15年以上のキャリアを持つ。
人材コンサルタントとして数々の社内アワードを受賞するだけでなく マネージャーとして自身の経験をメンバーに共有しチームビルディングに取り組んでいる。

※2024年5月現在の内容です

▶この記事のインタビュー(英語)はこちら

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