AI時代の新たな頭脳を創る、PFNが挑むAI半導体MN-Core開発と、未来を創造する技術

2025.11.25
AI時代の新たな頭脳を創る、PFNが挑むAI半導体MN-Core開発と、未来を創造する技術

株式会社Preferred Networks

小野 直人氏 / 小倉 崇浩氏 / 坂本 亮氏

技術進化と社会との共創を軸に、社員一人ひとりが自ら課題を見つけ挑戦することで、未来を切り拓く株式会社Preferred Networks(以下、PFN)。多様な専門性を持つ人材が交わり新しい価値を創出する環境や、AI半導体MN-Coreの開発、技術の強み、そしてグローバル展開に向けた挑戦の数々について、PFNの最前線で活躍する小野氏、小倉氏、坂本氏にお話を伺いました。

異分野のトップランナーが集結、PFNを動かす3名のキャリア 

のこれまでのキャリアをお聞かせください。

小野氏1999年にNTTドコモでキャリアを開始しました。
海外事業や経営企画での経験を積んだ後、Amazon Japanやメルカリで事業開発を担当しました。その後、 BCG X ではBizDevAPAC統括パートナーを務め、2024年からPFNの経営企画本部長として成長戦略の推進に取り組んでいます。

小倉氏:私は2005年に富士通株式会社へ入社し、スーパーコンピュータの提案・構築・運用に従事しました。
2014年に理化学研究所に出向しスーパーコンピュータ富岳の開発を経験した後、2024年にPFNへ入社し、MN-Core事業を担当しました。同年11月にAIコンピューティング事業本部長に就任し、現在に至ります。 

坂本氏:2012年に株式会社フィックスターズでキャリアをスタートし、2016年からは株式会社PEZY Computingでスーパーコンピュータ開発に従事しました。
その中で、省電力性能を競う「Green500」で3年連続、世界1位を獲得しました。2023年にPFNの一員となり、2025年からはAICDソフトウェア開発部長として技術開発を牽引する役割を担っています。

日本の頭脳が世界を動かす、トップランナーを引きつけるPFNの魅力

PFNの魅力はどのようなところですか

小野氏PFNの特徴は、AI半導体から生成AI、ソリューションまでを自社で一貫して開発する「垂直統合」にあります。ハードウェアから基盤モデル、応用ソリューションまでを一体で手掛けることで、技術の深さと事業の広がりを両立している点が強みです。
また、この体制を支えるのは、多様な専門性を持つ人材が領域を越えて連携できる環境です。異分野の技術が交わることで革新的な発想が生まれるのも、PFNならではの強みだと思います。

小倉氏 :私は、最先端技術で世界に挑める環境こそ、PFNの魅力だと感じています。資金や設備が整うだけでなく、志を同じくする仲間と共に、本質的な技術開発に挑戦できる貴重な場所です。AIや高性能コンピューティング(HPC)、半導体といった世界最高水準の技術に日々触れながら研究開発を進め、社会実装まで見据えた取り組みができる点も特徴です。日本発のテクノロジー企業として、技術で世界に影響を与えられる手応えを感じます。

坂本氏:PFNは役職や分野、立場を越えて意見交換できる文化が根づいています。ソフトウェアとハードウェアの開発チームが密接に協力し合い、現場からの提案が製品に反映される自由な環境が整っています。一人ひとりの声が技術に反映される、信頼と自由の文化こそ、PFNの大きな魅力です。 

 

想像を超えたスケール感、多様な専門性が交わり新たな価値を創出

入社時に最も印象的だったのはどのようなところですか? 

小野氏:私がPFNに入社して最も印象的だったのは、組織に根づく多様性です。専門分野も経歴も異なるメンバーが、同じ目的に向かって議論を重ねながら新たな価値を生み出しています。
外から見ていた頃は、PFNが手掛ける事業の全貌をつかみきれていませんでした。しかし、実際に入社してみると、想像を超えるスケールでさまざまな挑戦が行われていることを実感しました。
 

「共に未来を創り出す」—刷新されたミッションが示す、PFNの次なるステージ

 PFNはどのようなビジョンを掲げているのでしょうか?また、経営企画室長の視点で見た企業戦略についてもお聞かせください。

小野氏PFNでは、2025年に刷新したミッション・バリューを軸に、企業の方向性を再定義しています。
新ミッション「現実世界を計算可能にし、共に未来を創り出す」は、技術中心から一歩進み、社会や顧客と共に価値を創造する姿勢を示すものです。バリューも4項目から5項目へと拡充し、「Learn or Die」の精神性を踏まえて、次の10年、20年を見据えた価値観を取り入れました。

経営戦略の面では、AI半導体から計算基盤、生成AI、ソリューションまでを包括する4層構造を強化し、各分野で柔軟にリソース展開を進めています。パートナーとの連携や新製品開発を通じて、事業領域を拡大しているところです。PFNは常にアクセルを踏み続け、技術の深化と社会との共創で未来を切り拓いていく方針です。

「汎用」から「特化」へ、AIの進化を支える半導体 

AI半導体とはどのようなものか、ご説明をお願いします。 

小倉氏:AI半導体とは、機械学習の学習・推論を高速化するために最適化されたチップです。これまでコンピューターの計算はCPUと呼ばれる汎用プロセッサで行われてきましたが、AIの学習や推論には膨大なデータの高速処理が求められるため、より特化した構造が必要になります。
そこで注目されたのがGPUです。元々グラフィックス処理用でしたが、AIに適した演算構造を持っていたため、活用が広がりました。私たちが開発するAI半導体MN-Coreは、さらにその先を見据え、AIが社会に浸透していく未来に合わせた最適なアーキテクチャを追求しています。

MN-Coreに込められた独自設計の強み 

AI半導体事業においてMN-Coreはどのような強みを持っているのでしょうか?

坂本氏:一般的にAIの処理にはGPUが多く使われていますが、GPUにはAIに不要な機能も多く含まれています。MN-Coreは、AIの計算に必要な要素だけを厳選し、徹底的に効率化した独自設計が最大の強みです。これにより、面積効率・電力効率の両面で優れたパフォーマンスを実現し、同じ規模でもより高い演算能力を発揮します。

一方で、GPUのような大規模なエコシステムを持たない私たちは、限られたリソースの中で優先的に開発すべき機能を見極め、ユーザーに本当に価値のある環境を届ける努力を続けています。現在は第2世代MN-Coreが実用化されており、次世代モデルやLLM(大規模言語モデル)向けハードウェアの開発も進行中です。

次世代チップ開発とグローバル市場開拓、全レイヤーでの挑戦で事業成長へ

今後、貴社が注力していく目標や、グローバルな展望についてお聞かせください。

小倉氏:私たちの現在の最優先課題は、進行中の複数プロジェクトを確実に完遂することです。中でも、NEDO委託の研究開発ではMN-Core第3世代につながるコア技術の開発を進めており、最先端の半導体技術を活用しながら成果を重ねています。また、推論処理に特化したAI半導体開発にも挑戦しており、最先端のメモリ技術を導入することで業界に新たな価値を創出したいと考えています。

さらに、今後は製品開発に加え、販売力の強化も必要です。エコシステムの構築やグローバルパートナーとの連携を深め、東南アジア・中東・欧州など多様な市場で事業を展開していきます。挑戦の連続ではありますが、技術開発から販売まで、全てのレイヤーでチャレンジを続けることが、私たちの成長を支える原動力です。

多様性と挑戦が共存する企業文化

弊社では一人ひとりの中長期的な活躍、キャリア支援を目指し“enabling success” をミッションにおいています。貴社で社員の持続的な成長・活躍を促すために行っている取り組みについてお聞かせください。

小野氏:PFNは、単一の価値観で統一された組織ではなく、多様な事業領域と専門性が融合して機能する集合体のような企業です。その中で共通して根付くのは、「Learn or Die」という言葉に象徴される、自ら課題を見つけ主体的に学び挑戦する姿勢です。
社員は自立したプロフェッショナルとして高い裁量を持ち、成果を前提に柔軟で創造的に働いています。

現在は、個々の自律性を重視しながら、組織として成長を支援する仕組みづくりも強化中です。特にミドル層の育成やオンボーディング体制の整備を進め、誰もが早期に活躍できる環境を整えています。個人の挑戦と組織の支援が相互に作用することで、社員一人ひとりの”enabling success”を実現していきます。

求めるのは「挑戦を楽しむ心」と「常識を打ち破る力」

こういった組織作りの中で、どのような方が活躍していますか?

小倉氏:AIコンピューティング事業本部では、未知の課題にも臆せず挑戦し、失敗を恐れずに前進できる人が活躍しています。日々変化の激しい開発環境の中で、挑戦を楽しみ、前向きに問題を解決していける姿勢が成果につながります。
また、自身の専門領域を明確に持ち、「この分野を極めたい」という強い意志を持つことも欠かせません。特に、一つの技術で突出した力を発揮できる人は、事業全体を推進する重要な存在です。

一方で、決められた業務を淡々とこなすだけでは、この環境では成長が難しいかもしれません。混沌とした状況の中でも自ら考え行動できる人が、弊社の文化に最もフィットすると考えています。

坂本氏:そうですね。組織が拡大するとスピードが鈍りがちですが、突出した技術を持つ人がその停滞を打破し、新たな方向へ導くことこそベンチャーの醍醐味です。多様な視点で事業を牽引してくれる人を求めています。 

今しか体験できない技術と挑戦の場

最後に、この記事の読者にメッセージをお願いします。

小野氏:PFNは多様な専門性が交差し、常に新しい価値を生み出す「カオス」な環境が魅力です。自ら課題を見つけ、事業やプロダクトをゼロから形にしていく力を持つ方にとっては、大きなチャンスが広がっています。
特に、プロダクト開発や事業開発の領域では、Webスタートアップでの経験を活かし、事業をスケールさせたい方を歓迎しています。
今後
はアプリケーション領域での新規事業創出にも注力しており、挑戦意欲のある方にとって理想的なフィールドです。

小倉氏 :私たちのAI半導体開発に携わることは、国家プロジェクトにも関わる最前線で活躍できる、今しか経験できない貴重な機会です。
「技術の原理原則を理解し、産業の立ち上がりを肌で感じられる」。それはここでしか得られない特別な経験になるでしょう。

 坂本氏:AI半導体をハードウェアからソフトウェアまで自社で手掛けられる企業は、世界でもごくわずかです。自分の手で世界を動かす仕組みを作る。そのような醍醐味を味わえるのがPFNで、弊社のこの上ない魅力だと感じています。 

 

小野 直人

小野 直人

Preferred Networks
経営企画本部 本部長

1999年NTTドコモ入社後、国際事業部で海外キャリアとのアライアンスを担当。その後渡米しMBAを取得。帰国後は経営企画部で中期事業計画や新規事業、IR部で機関投資家対応を推進。
2011年Amazon JapanでシニアPdMとして「Amazon Student(現Prime Student)」やAmazon Booksの立ち上げと事業運営を管掌。2014年メルカリ参画、事業開発本部長として物流・決済などの新規事業を推進しIPOに貢献。2020年BCG Xに参画後、パートナー/APACベンチャーアーキテクト部門代表を務め、2025年4月に株式会社Preferred Networksで経営企画本部長に就任。

小倉 崇浩

小倉 崇浩

Preferred Networks
AIコンピューティング事業本部 本部長

2005年に富士通株式会社に入社しSEとして国内外のスーパーコンピュータシステム提案、構築、運用保守プロジェクトに従事。2014年から2021年まで、国立研究開発法人理化学研究所に出向し、ポスト京(富岳)設計開発プロジェクトを完遂。2024年より株式会社Preferred Networksで MN-Core事業担当VPに就任。2024年11月にAIコンピューティング本部を立上げ本部長に就任。

坂本 亮

坂本 亮

Preferred Networks
AIコンピューティング事業本部
ソフトウェア開発部 部長

2012年に株式会社フィックスターズに入社し、CPUやアクセラレータに対するプログラムの最適化業務に従事。2016年からは株式会社PEZY Computingにて、プログラマーとして従事。PEZY-SC2 / PEZY-SC3の開発・立ち上げやGreen500 3期連続1位への貢献を果たす。2023年より株式会社Preferred Networksに参画。MN-Core事業において、プログラミング環境の開発、ビジネス展開、および最新プロセッサ開発を推進。2025年8月にソフトウェア開発部 部長に就任。

長尾 健誠

長尾 健誠

エンワールド・ジャパン株式会社
NIKKEI部門
シニアコンサルタント

大学在学中に建設会社を立ち上げ、5年間にわたり経営から現場まで一貫して携わる。その後、人材ベンチャー企業で新人賞を受賞するなど成果を重ね、2019年にen world Japanへ入社。外資系企業を中心とした製造業を担当後、現在は日系・日系グローバルIT企業における次世代リーダー層からミドル~ハイクラス層まで幅広いポジションの支援を手がける。特に、ベンチャー×レガシー産業DX、ディープテック、DX/AI/アナリティクスコンサルティング領域において豊富な実績と深い知見を有する。

※2025年9月現在の内容です

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