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トップブランドのリーダーが語る「セールス&マーケティング」 〜コロナ時代の新戦略と人材のこれから〜

Posted by en world Japan

約2ヶ月前

今回のウェビナーでは、日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(KFC Holdings Japan Ltd、以下KFC) セネラルマネージャーの小室氏、シック・ジャパン株式会社(Schick Japan K.K.、以下Schick) ビジネスディベロップメントマネジャーの成田氏、レブロン株式会社(Revlon Inc、以下Revlon) マーケティングディレクターの米増氏をお迎えし、「トップブランドのリーダーが語る、セールス&マーケティング〜コロナ時代の新戦略と人材のこれから〜」をテーマにコロナ禍でのトップブランドのマーケティング戦略と今後セールスやマーケティングに求められる人材や能力について、パネルディスカッション形式でお話しいただきました。


当日のウェビナーはYoutubeでご覧いただけます。

コロナの影響を受け、消費者の生活スタイルや購買行動は大きく変化。不安な状況下においても「ブランド価値」を提供し続けるため、ブランドのあり方・顧客とのコミュニケーション方法など、マーケティング戦略の大胆な方向転換が必要なフェーズに直面しています。
セッションでは、事前アンケート「コロナ禍において、どのプロセスの「変化」について関心がありますか?」という質問に対して、関心の集まった戦略そのもの・チャネル施策(EC含む)・商品まわり(プロモーション含む)について関連した3つのトピックについて、それぞれの立場と経験を交えてディスカッションいただきました。


■トピック1. コロナ禍においての変化とは?

まずは、コロナ禍でパネリストの方々が体験、感じている市場の変化についてです。


|バリューへの変化 / デリバリーの強化(KFC 小室氏)

・バリューの変化

コロナの影響により、この先がわからないという不安な状況になり、財布の紐は固くなりました。その結果、お得な価格のモノを購入する意識が高まったため、KFCでは、お得なモノに集中して対策を考えました。
また、お得な価格のモノのニーズと同時に、定番・わかっているモノを求める傾向も高まり、オリジナルチキンなどの定番モノの売上が増加しました。


・デリバリーの強化

非接触、ソーシャルディスタンスの意識が高まる中、2020年の4・5月からは、KFCでも宅配重要が高まりました。

宅配の強化では次のようなことを行いました。

1. 宅配を扱う店舗数を増やし、ニーズを取り切る
2. 自社宅配サイトを改善し、顧客のドロップアウトを防ぐ。
3. Uber Eatsとキャンペーンを企画し、KFCの宅配をアピールする

緊急事態宣言で全体的な外食ビジネスの売上は落ちていますが、ファストフード業界は、どこの店も売上を伸ばしていました。KFCは、宅配が好調のため、宅配分がプラスの状況です。

・コロナ影響によるTV CMの変更

年間の広告プランを立てていましたが、コロナ禍において間に合う範囲で変更・修正を行いました。例えば、TV CMなどでは、ソーシャルディスタンスを尊重し、3人以上が一緒に登場する家族のシーンなどはNGとし、一人ひとりのカットに分けるなどの工夫をしています。


|商品起点(既存市場)からの脱却(Schick 成田氏)

・コロナ影響による市場のシュリンク

コロナ禍で、外出を控えるようになり、他人の目を意識して使うモノの利用は減少、財布の紐もかたく市場は全体的に縮小しました。


・自分と向き合う機会の増加

他人の目を気にするという状況が一転し、自分と向き合う機会が増えたため、Schickでは、シェービングツールを義務的利用のツールから自己演出ツールにいかに昇華させるかが1番の課題でした。過去の調査では、男性が体毛ケアするのは全体の12.5%と非常に低く、自己演出の一つとして、男性にグルーミング市場を根付かせたいと言う思いから、男性用ボディ専用カミソリの新商品で市場に一石を投じたいと考え「ライザップ」とのコラボレーションを行いました。


|激変!withマスク時代のメイクスタイル(Revlon 米増氏)

・マスクから出ている部分のアイメイクが市場の中心に

コロナ禍でマスクで物理的に顔を覆うようになり、マスクにつく艶のある、濃いリップのニーズは減り、マスクから出ているところ、特にアイメイクに市場は動きました。
Revlonは、日本では元々アイメイクが強くなかったのですが、2020年後半は、Revlonの強みである「カラーが豊富で色の組み合わせが楽しめる:カラーエキスパート」を軸に、守りだけでなく、攻め系のアイシャドーを提案した結果、アイシャドーの売上が伸びています。


・リップは、ケア商品に注目が集まる

リップ商品は、「見た目」ではなく「ケア」に注目が集まりました。唯一のケア商品である「キスシュガースクラブ」に注力し、2021年3月には、トムアンドジェリーとの日本ローカルでの初コラボを実現させ、ある販売店ではRevlonの売上30%のシェアを占めています。


・激変した売り場の環境への対策

コロナ禍の影響で販売店がなくなったり、店頭のテスターがなくなったり、売り場の環境は激変し顧客がRevlonの商品を試す手段がなくなってしまいました。顧客にいかに色をリアルにイメージしてもらえるかが大事なポイントと考え、RevlonではQRコードを店頭に設置し、カラーラインナップを詳しく説明するWEBページへ誘導するなどの施策を行いました。

■トピック2. マーケターとして重要視したこととは?

2つ目は、トピック1のように変化したマーケットにおいて施策を打ち出す際、マーケターとしてそれぞれ重要視したことについて語っていただきました。


|柔軟性(KFC 小室氏)

状況が刻々と変わっていくので、顧客がどう思っているのか考えてもなかなか正解はわからず、計画して動くことは難しい状況です。そのため、私は、行動しながら、理解できた時に修正していく柔軟性が必要だと考えます。


|お客さま起点で(既存市場)からの脱却(Schick 成田氏)

財布の紐が硬いご時世に、どこのメーカーも同じような訴求だと、どうしても顧客は安いモノを選んでしまいます。
そのため、「どれがあなたのためになるのか」を訴えることが重要だと考えました。今までは機能性ばかりをうたってきましたが、顧客感情に訴えかけるようなアプローチにしたことで、「極」は、男性カミソリ市場20%のシェアと近年稀に見るヒット商品になっています。いかに売り手視点を脱却し、買う人視点になれるかが大事だと思います。


|ゲームチェンジャー(Revlon 米増氏)

私は、「ゲームチェンジャーであること」は、マーケッターの必須条件であり、目指すべきポリシーだと思っています。
コロナというビジネス環境だからこそ、ゲームチェンジャーになれないと生き残れないのではと考えます。通常の戦略を少し変えたくらいでは、ニーズが限られてしまいますので、大きくギアを変える戦略が必要です。


■トピック3. これから求められる人材とは?

これから求められると思われる人材、一緒に働きたいと思われる人材についてもお話いただきました。


|失敗から原因の仮説を立てて、実行に移せる行動力(KFC 小室氏)

KFCは、年間30から40のプロモーションを実施していますが、すべてが成功するわけではありません。私は失敗した際に原因の仮説をたて、実行に移せる行動力のある方と一緒に働きたいと思います。


|前向きなマインドセット(Schick 成田氏)

Schickは、日本ではシェイビングケアが主流ですが、グローバルではスキンケア全般を取り扱っています。どうすれば、日本でもトータルスキンケアカンパニーに成長できるのか、どのような新しいモノを生み出していけるのかを前向きに考えられる人と働きたいと思います。

|セルフマネージメント(Revlon 米増氏)

コロナの影響下で、テレワークが定着している会社もあります。そのため、自分自身で仕事の内容を考え実行していける人材が求められると思います。
課題を抽出し、その解決策を少しでも多く出せる人がチームにいると、ゲームチェンジに繋がります。そのような集合体でありたいと私は考えます。


■まとめ

今回は、パネリストの方に非常に濃厚なアドバイスやメッセージをいただきました。ご自身の業務において、参考にできる要素がたくさんあったのではないかと思います。
本ウェビナーを通して、自分が目指すべきマーケター像をしっかり持った中で、戦略的に、対策力をあげながら取り組むきっかけになっていただければと願っています。

最後になりましたが、お忙しい中ご参加いただいたKFC小室氏、Schick成田氏、Revlon米増氏、ご参加いただいた全てのリスナーの皆さま、本当にありがとうございました。