リモートワークにおける社員の生産性を高めるためのベストプラクティス

当日のウェビナーはYoutubeでご覧いただけます。

昨今、日に日に数も増えていく“ウェブ+セミナー=ウェビナー”。 

エンワールドにとって、Zoomを使った初の取組みでしたが、第一回目のen world Webinarは、当初の計画を上回る60名を超える皆さまにご参加いただきました。 

 

テーマは、「リモートワークにおける社員のエンゲージメントとベストプラクティス」。 

 

ゲストとして、創業当初から100%全社員在宅勤務というスタイルの株式会社キャスターから、CASTER BIZ recruiting 事業部長 森数美保さん、“経済情報で世界を変える”をミッションに、SPEEDA、 NewsPicks など含め多角的に情報ビジネスを展開している株式会社ユーザベースから、Head of Culture & Talent 西野雄介さん、このお二人をお招きして、様々な角度からお話いただきました。 

リモートワークに対する2社の取り組み 

株式会社キャスター:https://caster.co.jp/
CASTER BIZ recruiting:https://recruiting.cast-er.com/

  • 2014年創業当初から100%全社員リモートワーク。お互いに一度も会ったことのない社員もいる
  • 社員は全国各地で仕事をしており、現在700名。採用も100%オンライン採用で行う

コミュニケーションツール 

Chatwork https://go.chatwork.com/ja/ 

Slack https://slack.com/intl/ja-jp/ 

株式会社ユーザベース : https://www.uzabase.com/ 

  • 創業当初から出社義務・勤務時間のない人事制度 
  • 新型コロナウイルス以前から在宅勤務は日常的に行われており、ミーティングを実施すると毎回約3割位の社員がオンラインから参加。現在はほぼ100%在宅勤務中 

コミュニーケーションツール 

Slack

リモートワークの秘訣は、「究極の性善説」

今回、参加者の皆さんから、事前にリモートワークに関する質問をいただきました。経営者や管理職、人事の方の参加が多い中、共通して多かった課題が「リモート環境でどうやって社員を管理すればよいか」でした。 

この質問に対し、「究極の性善説」というキーワードがゲストのお二人から出てきました。

社員を信じ、そもそも社員を“管理”しようとしないこと。これが社員のエンゲージメントを高め、生産性を高めるための秘訣とのことでした。社員が勤務時間にずっと仕事をしているか監視するのではなく、管理するのはあくまでもタスク状況とアウトプット。つまり、何時間働くかではなく、設定したタスクを期限内に、品質も保ちながらしっかり実行できているかどうか。そのために、各社共に、第一にしっかりとタスク設計を行っているとのことです。 

リモート環境で社員がきちんと仕事をしているかどうか不安だ、という管理職の声も聞きますが、お二人の見解としては、そもそもオフィスや在宅にかかわらず、しっかり仕事をする人は仕事をするし、怠ける人は怠けてしまう、問題はリモート環境に限った話ではないとのこと。 

また、キャスター 森数さんによると、働き方の自由度を上げたところ、かえって社員のモチベーションと生産性が上がったそうです。 

リモートワーク時に気を付けるべき6つのポイント 

それでは、リモートワーク時に社員のエンゲージメントを高めるためには、具体的にどういった点に気を付ければよいのでしょうか? 

1. 働きすぎに注意

特に在宅勤務では通勤等の身体的なメリハリがないため、際限なく仕事ができてしまいます。中には、朝から仕事をして気が付いたら夜中だった、ということも起こりえます。

社員が健康的に働けるよう、オン・オフの環境作りは非常に大切です。 

 

アドバイス 

  • 日々のルーティンを設定して生活のリズムをつくる 
  • 勤務中は在宅でも着替えをし、オン・オフのメリハリを作る 
  • 部署内で連携して、おはよう・お疲れ様のコミュニケーションを毎日とる  

2. “察する/察してもらう”ことに頼らない  

在宅勤務は基本的に一人。いわゆる空気を読むことが得意な人でも、その場にいない人の気持ちを察するのは至難の業です。
互いに気持ちを察してもらうことに頼らず、自発的にコミュニケーションをとることがとても大切です。 

 

アドバイス 

  • 自ら発信することが苦手な社員もいます。「言ってくれればよかったのに」という状況になる前に、管理職側からも社員が発信しやすい環境作りを心がけましょう。

3. 社員各々の環境が異なることに留意する 

自宅に仕事部屋があるかどうか。子供がいるかどうか。一人暮らしの方が集中できるかと思えば、一人でいることで際限なく仕事をしてしまう。
一方、配偶者の会社のリモートワークのスタイルと合わない、など、自宅の環境は様々。

まずは会社や上司が、各社員の仕事環境を把握することが重要です。

 

キャスターの事例

創業当初から100%リモートワークのキャスターでも、新型コロナウイルスの影響がありました。理由は社員の家族の生活スタイルが変わったからです。以前は、在宅で不自由なかった社員も、現在では常に子供が自宅にいたり、配偶者とデスクの取り合ったりと環境が変化しました。
キャスターでは、こうした影響による社員のメンタルケアを目的とした「ヘルプ申請フォーム」を設置し、社員がいつでも相談できる環境を整えたとのことです。

4. 細かいスケジューリングを行う(空き時間は不安を増長する)  

リモートワークでは、タスク管理とスケジュール管理がとても大切です。

出社しているだけでも仕事している気持ちになる、という声も聞きますが、在宅勤務ではそういったメリハリがありません。
人は多忙な状況よりも、何もスケジュールがないことの方が、不安になりストレスが溜まりやすいこともあるそうです。 

 

キャスターの事例

キャスターでは、できる限りスケジュールを細かく設定し、空き時間を減らす工夫をしているとのこと。ミーティング時間も基本は30分で、メリハリをつけ長引かせないことも重要とのことでした。 

5. 情報の透明性  

ユーザベース 西野さん曰く、「情報の透明性」がポイントとのこと。

ユーザベースでは、人事情報や個人情報等、機密性が高い情報以外はSlack内でフルオープンになっており、世界中にいる誰もが、役員会の内容や経営数値等すべての情報に対して、閲覧・コメントできるそうです。 

 

ユーザベース/キャスターの事例

ニューヨーク在住のユーザベースのCEO 梅田社長は、常にSlackで経営方針からプライベートの話までオープンに発信しており、社員からも気兼ねなくコミュニケーションがとれるとのこと。
また、キャスターでも会社の経営情報のみならず、社長から役員の給与がフルにオープンになっているそうです。

 

6. 感情・感覚に依らない人事評価制度 

フルリモートワークを目指す企業においては、評価者の感情や感覚に依ることのない、アウトプットの数値や質を客観的に評価できる人事評価制度の整備がとても重要です。 

ユーザベース 西野さんによると、「社員のエンゲージメントを高める取り組みは、やってやりすぎることはない。これでもかというほどやり続けることがとても大切」とのことでした。 

社員が最も楽しみにしている“日報”。大切なことは、“気持ちの共有”

​皆さんは“日報”と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか?
“日報=上司への報告書”というイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。 

キャスターやユーザベースでは、仕事の管理・報告のためではなく、“気持ちの共有”のために日報が活用されているそうです。 

キャスター 森数さんによると、社員が一日の中で楽しみにしているのが、日報でお互いに気持ちを共有しあうこと。日報では、最初にその時の自分の気持ちを共有する習慣があるそうです。 

リモートワークでは、自分の気持ちを伝える機会が限られています。また、ユーザベースのようにそもそも上司や同僚が日本にいない場合もあるでしょう。そうした環境でも、日々コミュニケーションを交わして気持ちを共有することは、社員がお互いに繋がっている安心感を持つためにも、そして社員のエンゲージメントを高めるためにも重要と言えます。 

採用はオンラインでも大丈夫

採用はオンラインでも大丈夫、と断言するキャスター 森数さん。

またユーザベース 西野さんは、シンガポールから日本へ帰国する際、シンガポールで転職活動を行ったそうですが、面接した数社すべてがオンライン面接で、最終面接含め実際に会うことなく、ユーザベースへの入社を決めたそうです。 

そもそも、「直接会って話をすることと、オンラインで話をすることの違い」とは何でしょう?

実は、さほど違いがないことに気づくのではないでしょうか。

空気感や雰囲気、とか言った声もあるかもしれませんが、多くが主観的な要素であり、採用の意思決定を行う際には必要がない要素ということもあります。 

特に、通信環境は以前より格段に良くなり、画面越しでも対面と同じように自然な会話が出来るようになりました。既に、オフライン面接とオンライン面接は垣根がなくなってきているのです。 

ちなみに、キャスターでは新入社員のオンボーディングもすべてオンライン。
ウェルカムランチもオンラインでセッティングし、チームで一緒にお祝いをするそうです。

オンライン研修では、事前にスケジュールや研修内容をしっかり練り、オンライン迷子が生まれないようハンドリングしているとのこと。 

最後に。ポストコロナ“ニューノーマル”と共に生きる  

ウェビナー最後のQ&Aセッションで、参加者から「新型コロナウイルスが終息した後の社会、ポストコロナをどう考えれば良いか」という質問がありました。 

新型コロナウイルスの影響で、私たちは、数か月前とは全く違う働き方を求められています。そしてこの危機を通して、今後も社会は大きく変化し続け、終息した後も、以前と同じような状態に戻ることはないでしょう。 

“ニューノーマル”が定着した社会において、私たちはさらに柔軟な働き方を選択するかもしれません。新型コロナウイルスの終息後も、リモートワークをスタンダードとして取り入れる会社が多く出てくるでしょう。

働く場所は大都市やその周辺に限らず、全国に分散していくかもしれません。 

ユーザベース 西野さんが言うように、大切なのは、元の生活に戻ることを考えて待つのではなく、社会の変化を受け止め、新型コロナウイルスの終息後も社会がどのように変化していくか、前向きに想像を巡らせることではないでしょうか。 

自粛生活が続き、いつ緊急事態宣言が解かれるかわからない状況が続いていますが、いち早く新型コロナウイルスが終息することを祈ると共に、本ウェビナーを通して、少しでも皆さんが前向きにリモートワークに取り組むきっかけになっていただければと願っています。 

最後に、お忙しい中、ゲストスピーカーとしてご参加いただいた株式会社キャスター 森数美保さん、株式会社ユーザベース 西野雄介さん、そしてご参加いただいた全てのリスナーの皆さま、本当にありがとうございました。 

 

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