「できる人」を雇う技術 -APAC編-

December 1, 2012

シンガポール在住の採用スペシャリストに聞く 「『できる人』を雇う技術 -APAC編-」

 

経済成長著しいアジア太平洋地域(APAC)。ビジネスを成功させるために現地採用の質は重要な鍵となります。そこで今回は、日本で8年間グローバル企業向け採用支援事業に従事した後、現在はシンガポールを拠点にen worldの東南アジアのビジネスを統括する、ポール・デュプイに、APACで企業が優秀な現地社員を雇用するための秘訣を聞きました。

 

 

-en worldはAPACに絞ってビジネスを拡大していますね。

今は世界経済が繋がっていますから、確かに不調な業種もありますが、他の地域と比べてAPACのビジネスは活況ですね。例えば私が今住んでいるシンガポールには約7,000社ものグローバル企業が存在していており、そのうち6割の企業が地域統括拠点を置いていると言われます。優秀な人材、いわゆる‘できる人’を確保したいという需要は根強いです。

 

 

-事業規模が小さかったり、有名企業でない場合は現地で『できる人』を確保するのは苦労すると思います。良い人材を確保するために有効な手段があれば教えてください。

 

「セールスポイントを明確にすることです。

 

私は人材紹介を生業にしていますが、お仕事を引き受ける際は、必ず会社のセールスポイントを2、3点でまとめていただくようにお願いしています。

 

例えば日系グローバル企業の方が良く口にされるのが『会社の安定性』なんですが、現地社員、とくにシンガポールのような新興国の人々にとって『会社の安定性』はセールスポイントではありません。それよりも『拡大期』であるとか、『イノベーション(画期的である)』や『若手社員のキャリアパス』を大事にしているというほうが魅力的です。」

 

 

 

「採用に成功している企業は、企業のユニークさを際立たせる工夫に力を入れていますね。

 

ある老舗企業が『東南アジア市場でNo.1になることが会社のミッションです。がんがん攻めていくから、がんがん採用します』ということを採用候補者の方にお話しされていました。候補者からすると、アジア市場に注力していことが伝わるし、会社が大きくなっていく期待もできる。また将来のキャリアパスも拡がるという雰囲気で受け取ったようです。」

 

(Copyright: screationzs-freedigitalphotos.net)

 

-現地で採用する際に、大事なポイントは何になりますか?

 

「クライアントには2点お伝えしています。

1つ目は、先ほども申し上げましたが、会社のセールスポイントを明確化させること。これがはっきりしていない企業が多いので、管理職が集まって一度『自社のセールスポイント』は何かをはっきりさせることです。

2つ目は、採用面接の際に、伝えるメッセージを統一することです。

 

通常面接は複数人、複数回で行うと思いますが、必ず同じメッセージを候補者に伝えることが大切です。候補者にしてみれば、同じ会社の印象を受け取りますし、何度も同じ内容を伝えたうえで入社してくるわけですから、雇用維持にも繋がります。」

 

-現地社員はすぐ辞めてしまうという嘆きを良く耳にします。どうしたら雇用を維持できるのでしょうか。

 

「新興国の人材の特徴はハングリー精神です。特に『できる人』ほど、その傾向が強いです。同じ業務をやるのはせいぜい3年くらいまでですね。3年経ったときに、新しい経験を社内で積めるかどうか。積めないのなら、他社に行こうと考えます。

また市場によっても考え方が違うため、細かくは対処方法が異なります。中国だったら成長中の市場ですから、やはり賃金が重要です。しかし同じ発展途上の国でも、インドだったら、タイトル(役職名)にこだわります。」

 

-ポールさんの目から見た「APACで重用される人材」とはどのような人でしょうか。

 

「APACの各国市場をきちんと理解できている人ですね。各国市場のビジネスのみならず、法律や習慣まで含めて理解できていることが必要です。 もちろん言葉は重要ですが、ベトナム市場だからといって、必ずしもベトナム語を話す必要はない。ただし市場を包括的に理解した上できちんとビジネスをまわしていく能力は必要です。日本で言うところの『根回し』ですね。そういう各国の細かい違いが分かって、根回しできることが重要なんです。」

 

-現地社員採用に取り組まれている読者の皆様に、アドバイスがあればお願いします。

 

「有名レストランで本当にあった話です。売上をあげるため、女性客向けにテーブルセッティングや花などに凝ったものの、全く売り上げが上がらなかったという話があります。基本に戻ってメニューを改訂したら、売上が増加したそうです。

 

優秀な人材を確保するのも同じことだと思っています。会社の安定性や歴史の長さを謳うのは良いことですが、補足する部分でしかありません。優秀な従業員を採用・維持できるかは、『ビジネスがエキサイティングかどうか』です。

 

拡大し続けているか、企業買収はどんどんやっているか、新しい経験が積めるか、魅力的な製品ラインナップになっているかどうかなど、貴社ビジネスの原点に立ち返って、より良い人材の確保に努められるのが良いかと思います。」

 

APAC地域での採用に関しましては、下記にお問合わせください。

(お問い合わせ先)
en world 東南アジア事業統括 Paul Dupuis
Email: paul.dupuis@enworld.com

Phone: +65-6420-0572