少子高齢化による働き手の減少や人材の流動化によって採用の難易度が高まりつつあるとされる昨今、「採用ブランディング」が注目を集めています。
この記事では、採用ブランディングの内容や目的、メリット・デメリットや進め方のポイントなどについてFAQ形式で解説します。

|Q. 採用ブランディングとは?
「採用ブランディング」とは、自社に対する共通のイメージを確立し、特定のターゲットに向けて戦略的にアプローチすることで効率的な認知拡大を図る「ブランディング」と呼ばれるマーケティング手法を、採用の領域に転用したものです。
あらゆる「場」で一貫したコンセプトを掲げ、自社が求めるターゲットに直接アプローチすることで、最適なマッチングを生み出す採用活動を目指すことが可能です。
|Q. 採用ブランディングの目的は?
採用ブランディングの主な目的は、次の2つです。
事業戦略と連動した人材の採用
求める人物像を企業理念や事業戦略と照らし合わせるとともに、自社の価値を整理・言語化して発信することで、採用のミスマッチを防ぐことができます。
入社後の定着率向上
また、採用のコンセプトを明確化することで企業理念・文化が伝わり易く、入社後のイメージも容易になります。それにより、入社後に経験するさまざまなギャップを軽減でき会社への定着率の向上が期待できます。
|Q. 採用ブランディングのメリット・デメリットとは?
採用ブランディングにおける、主なメリットとデメリットを紹介します。
メリット
採用ブランディングによって企業価値が高まれば、社内外において多岐に渡るメリットを享受できる可能性があります。考えられる主なメリットは次の通りです。
採用のマッチング精度の向上
採用コストの削減
競合企業との差別化
従業員のモチベーションアップ
企業認知向上
デメリット
採用ブランディングを通じて発信される内容は、企業価値や企業文化といった企業活動の根底を成すものとなります。そのため、次のようなデメリットも考えられます。
発信内容と現場にギャップがないよう全従業員を巻き込む必要性がある
結果が出るまで時間がかかる(少なくとも2〜3年)
継続的に情報発信をする必要がある
|Q. 採用ブランディングの進め方は?
ここでは、採用ブランディングの進め方のひとつをご紹介します。
Setp1. 現状を把握し目的を設定する
まずは現状を的確に把握し、目的を設定しましょう。その際、「とりあえず優秀な人材を10名」といった曖昧な内容ではなく、以下の4つの観点から具体的に定めましょう。
自社の事業戦略における課題は何か?
採用を通じて自社にどんな影響を与えたいか?
採用活動の理想的な姿とは何か?
そのために、どのような人材を何人採用する必要があるか?
Setp2. 「誰に」「何を」「どう伝えるか」を決める
次に、採用したい人物像としてペルソナを設定し、ペルソナが持っている欲求や感情を言語化します。
その上で、会社・仕事・環境という3つの観点で伝えたい要素を抽出し、設定したペルソナが魅力的に感じるメッセージを作成しましょう。
Setp3. 採用サイトやSNSなどで情報を発信する
続いて、情報やメッセージを発信します。最も重要なのは採用サイトですが、SNSを活用するのも有効です。
Setp5. 会社説明会などで志望度を上げてもらう
企業説明会などのリアルの場で就職希望者にアプローチすることも大切です。説明会では、過度に飾りすぎず、ブランドイメージに沿った「自社の強み」や「魅力」を伝えましょう。
|Q. 採用ブランディングの事例は?
最後に、採用ブランディングの事例を紹介します。
長期的な認知拡大を目指す
ある国際的な通販企業は「われわれと未来を一緒に作っていきましょう」というメッセージを発信するなど、認知・興味喚起が長期的に持続するような取り組みを実施しています。また、企業が考える本来のあるべき姿と日本でのイメージギャップを確認しながら対象人材へのメッセージの伝わり方を検証し採用ブランディングを進めています。
キャリア採用戦略の推進
ある大手通信企業では、自社のオウンドメディアに採用に関する情報を集約することで採用ブランディングを行っています。
メディアには、従業員のインタビューやダイバーシティ推進コンテンツなどをたくさん掲載しており、従業員の人柄や業務内容、社内環境などを積極的に発信しています。
多角的な情報発信を重要視
ある大手インターネット企業は、採用ブランディングには多方面からの情報発信が重要であると考え、自社の採用ホームページやオウンドメディア、SNSに加え、Web広告への出稿、イベント実施など、さまざまな方法でアプローチしています。
今回は採用ブランディングについて解説しました。エンワールドは、企業のグローバル人材に関する採用課題をあらゆる方面からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
