経営学修士（MBA）とは？難易度から取得するメリット、キャリアパスまで解説

2019.07.29

キャリアアップに有利に働く資格にはさまざまなものがありますが、そのひとつとして経営学修士（MBA）を挙げることができるでしょう。

この記事では、MBAの基本的な情報や取得するための方法、取得するメリットや取得後のキャリアパスまで解説します。MBAの取得を検討している方は参考にしてください。

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経営学修士(MBA)とは

MBA（Master of Business Administration）は日本語で経営学修士、あるいは経営管理修士と呼ばれています。専門職大学院に通って専門職学位課程を修めた場合は「経営管理修士（専門職）」の学位が、大学院の修士課程を修了した場合は「経営学修士」の学位が得られ、MBAホルダーを名乗れるようになります。

MBAの学位を授与する大学院はビジネススクールと呼ばれることも多く、多くの学校では純粋な経済学的研究よりも、企業活動の前線で活躍する実務家の育成を重視した教育を行っています。

経営学修士（MBA）プログラムの種類

先に述べた通り、MBAの学位を取得するためには、国内、あるいは海外のビジネススクールに通う必要があります。それぞれにメリットがあるため、個別に解説していきます。

日本国内のMBA

国内のビジネススクールの多くが、会社に勤めながらMBAを取得できるように夜間や休日に講義を開講したり、サテライトキャンパスやインターネットで講義を配信したりしています。また、国内のビジネススクールは海外のビジネススクールよりも比較的授業料が安価に設定されていることが多いです。

会社を退職、あるいは休職せずに学校に通えるため収入を途絶えさせず、かつ比較的安価にMBAを取得できる点が国内でのMBA取得のメリットといえるでしょう。

海外のMBA

特に著名な海外のビジネススクールには、世界中から優秀な学生が集まってくるでしょう。そのため、ハイレベルな学生たちと一緒に講義を受け、討論をかわせる高水準の学習環境を得る機会に恵まれると考えられます。将来、世界的に活躍するであろう人材とのネットワークを築ける点も大きなメリットといえるでしょう。

ただし、海外でのMBA取得は多くの場合、勤めている会社を退職、あるいは休職する必要があります。そのため、授業料や生活費などの費用が多額になってしまうなど経済的な負担が大きくなりがちな点がデメリットといえるでしょう。

経営学修士で学べること

MBAプログラムでは、ビジネスリーダーに必要とされる、経営に関する実践的な知識を学べます。大まかに分類すると、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報に加え、経済学（マクロ経済学・ミクロ経済学）や法律学（企業法務や知的財産権法）などの隣接する分野の講義も受けられます。

多くの学校で開講されているのが、組織行動論や人的資源管理（リーダーシップ・マネジメント）、マーケティングや経営戦略、ファイナンス、統計学などの講義です。その他、論理思考力や分析力、問題解決能力を高めるためのゼミ形式でのさまざまな事例研究なども行われます。

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経営学修士(MBA)の取得方法

MBAの学位を取得するためには、ビジネススクールに通い、所定の単位を取得する必要があります。また、学校によっては修士論文の執筆を必須としているところもあります。ここでは、MBAを取得するための流れを以下で解説します。

経営学修士を取得するには

国内ビジネススクールは、大学卒業、あるいは大学卒業と同等の学力を有し、かつ企業での実務経験を受験資格として求める学校が多いです。企業や団体から派遣されて入学する場合は派遣元が発行する推薦書が必要です。

欧米のビジネススクールを受験する場合はGMAT（ビジネススクールへの入学希望者が受ける適性テストで、英語・数学・論理的思考力を計る）やTOEFLスコア、会社や大学教授などの推薦書を求められることが多いようです。

入学後は必修科目と任意の選択科目を履修し、修了に必要な単位と必要年限を満たすとMBAを取得できます。

経営学修士の難易度

国内MBAの場合は、入学以前に特別な対策や知識をつけておく必要はありません。ただし、勤務を続けながら国内のビジネススクールに通う場合は、業務と学業を両立させる必要があります。

通常の勤務に加えて授業時間や予習復習に必要な時間、プレゼン資料を作るための時間なども捻出する必要があるため、会社や家族の理解と協力も必要となってくるでしょう。

海外のビジネススクールでは、入学以前の段階でGMATやTOEFLの対策が必要といえます。授業は現地語で行われるため高い語学力が求められるほか、世界中から人材が集まってくるような学校では講義や討論のレベルも高く、国内MBAと比較すると相対的にMBA取得の難易度は高いといえるでしょう。

取得にかかる時間と費用

国内のビジネススクールの多くが夜間や休日に授業を行っており、履修期間を2年間としていますが、フルタイムで講義を行うことで履修期間を1年としている学校もあります。また、自宅から国内ビジネススクールに通う場合、必要な費用は300～500万円程度になることが多いようです。

海外ビジネススクールも、履修期間は1〜2年としているところが多いです。海外のビジネススクールに通う場合、授業料に加えて生活費も必要になるため、必要な費用はおおむね1000万円を超えるとされています。

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経営学修士(MBA)を取得するメリット

ここでは、スキルアップやキャリアアップなど、MBAを取得するメリットを解説します。

☑ 経営に関する知識が身につく

ビジネススクールでは、いかに経営資源を活かして収益を最大化させるかなど、経営幹部に求められる知識を習得できます。また、企業統治（コーポレートガバナンス）やリスクマネジメントなど、損害やリスクを低減させる知識も学べます。

☑ 転職に有利に働く可能性がある

MBAを取得したからといって、必ずしも転職に有利になるとは限りませんが、プライベート・エクイティ・ファンド（投資ファンド）やコンサルタント会社など、MBAとしての知見を活かせる企業などでは有利に働く可能性があります。

また、外資系企業はMBAを比較的高く評価しているので、外資系企業に管理職として登用してもらう際にはMBAの学位が有利に働くこともあります。

収入アップにつながる可能性がある

MBAホルダーになると、勤めている企業の中で経営幹部として登用されて収入アップにつながる場合や、転職によってキャリアアップを実現して年収が上がる場合もあります。また、自分で起業して成功すれば大幅な収入アップも期待できるでしょう。

人脈が広がる

ビジネススクールは、経営に必要な実践的知識を学びたいという高い志をもったビジネスパーソンが多く集まる場だといえます。そして、さまざまな業界、業種、国籍の人々と講義やゼミなどで顔を合わせ、討論を交わす機会にも恵まれるでしょう。

よって、ビジネススクールに通うことで、普段の業務であれば知り合うことのなかったような層の人々と出会い、人脈を広げられるのではないでしょうか。

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経営学修士（MBA）を取得する際に心得ておきたい点

国内のビジネススクールには企業に勤めながら通うこともできますが、海外のビジネススクールに通う場合は一般的に、会社を退職あるいは休職する必要があります。

そして、会社を辞めてMBAを取得する場合は、授業料や生活費の負担があることに加え、収入が途絶えてしまうことも考慮する必要があるでしょう。また、IT業界など変化の早い業界では、学校に通っている間に生じたブランクを取り戻すために多大な労力が必要になる場合もあります。

これらを心得た上で、取得を検討したほうがよいでしょう。

経営学修士（MBA）の取得がおすすめな人

MBAは取得することそのものに価値があるわけではなく、MBAの取得に際して得た知識をどのように活かすかという視点が重要といえます。ここではどのような人にMBA取得がおすすめかを解説します。

外資系企業・コンサル系企業へ転職したい人

特に海外の有名ビジネススクールで取得したMBAは、外資系企業から高く評価してもらえる傾向にあります。外資系企業への転職を希望する場合は、MBAの取得を検討してみてもいいでしょう。

そのほか、俯瞰的に企業を見て課題を発見したり解決法を策定したりするコンサルティング業にもMBAの知見は有効に働きます。コンサルティングの企業へ転職したい方にとってもMBAの取得は検討する価値があるでしょう。

経営層へのキャリアアップを考えている人

企業によっては、MBAの取得が経営幹部へのキャリアアップの近道になることもあるでしょう。特に大手のグローバル企業などの中には、経営陣になるための必須条件としてMBAの取得をあげているところもあります。社内でのキャリアアップを目指している方はMBA取得を検討してみる価値があるでしょう。

起業を目指している人

ビジネススクールでは企業経営に関する広範な知見が得られ、また人脈の形成が可能です。そのため、MBAの取得は起業家としての下地を作る意味で有益といえます。ビジネススクールの中にはアントレプレナー（起業家）の育成に主眼を置いている学校もあり、起業を視野に入れてMBAを取得するならば起業へのサポート体勢が充実している学校を選んでも良いでしょう。

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