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経営者が語るビジネスを創るSCM

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Posted by en world Japan

8ヶ月 前

​今回は、元フェイスブック ジャパン代表で2019年にMOON-X株式会社を創業したCEOの長谷川晋さんと、SCMシリーズの第1回からご登壇いただいている、MOON-X Head of SCMの小坂尚子さんをゲストにお迎えし、「ビジネスを創るSCM」について様々な角度からお話いただきました。 

当日のウェビナーはYoutubeでご覧いただけます。


会社の規模に関わらずSCMは大切なビジネスパートナー 

会社の規模や事業内容にかかわらず、SCMのロールや役割、自分にとってどのような対象であるかは、基本的に変わりません。それは、SCMはビジネス上のパートナーであるという点が一貫しているからです。

会社が提示したアイデアが実現可能かを見極め、どう世に出していけばよいのか、真っ先に相談する相手がSCM。

小坂さんイよると、皆、自分たちがいなければ商品を市場に出すことはできないというくらいの自負とプライドを持って、仕事に向き合っているとのことでした。 


ビジネス的観点から見た無形商材と有形商材の違い 

扱うものが無形商材か有形商材かによって様々な違いはありますが、最も大きな違いは在庫の有無です。

例えば、無形ビジネスのフェイスブックやグーグルなどは、広告事業が売り上げの大半を占めていて、広告枠を入札という形で行っています。このユーザーに対してこの広告を出すという枠がある場合、全世界からの入札が同時並行的に起こり、入札価格だけではなく、様々なアルゴリズムによって表示されるものが決まっていきます。

当然ですが、需要がある時には価格が高騰しますし、需要がない時には低くなる仕組みですから、絶対に余るということがありません。

この入札制度は、最もカスタマイズと消費者体験がうまくいくように設定されている、素晴らしい仕組みだといえるでしょう。 


長谷川さんによると、将来的には有形商材においても、この考え方が当てはまっていくと考えているそうです。

有形の場合は、需要があれば最も高く売れるようにしますし、需要がなければ、価格や卸値をダイナミックに変動させることが必要です。これはユーザーや仕入れ業者にも大きく影響しますので、ビジネスにおいて最もパワーを生むエリアだと言えるわけです。

企業はそれら全部をアルゴリズムやテクノロジーでやっているので、SCMが実際の仕事の中にどう融合していくかが大事なトピックになります。 


SCMには価値提供を最大化にする「攻めの一歩」が必要 

SCM人材が組織の中で活躍するために必要なものは「攻め」の姿勢です。強みや経験は人それぞれですが、しっかりと脇を固めて守り切れる人材がたくさんいることが、ビジネスではとても大事だと言えます。 


SCMでは、マーケティング目線はもちろん、経営目線と消費者目線を持つ必要があります。

消費者の体験や消費者に対する価値提供をいかに高めるかという観点から攻めること。どちらかといえば、作り手だけではなく消費者の目線がSCMの主要な任務であり、追うべきKPIにまで落とし込むことが大切です。 


ビジネスの理想と現実の融合がSCMの腕の見せ所 

創業以前から、SCMを"nice to have"ではなく、"mandatory"のファンクションという位置づけで見ていたという長谷川さん。

MOON-Xは日本にある素晴らしいモノづくりの会社とのコラボレーションを通じて、よい物を作っていただき、それをブランドに変え、テクノロジーを使って発信していくというビジネスモデルを掲げています。 

経営者目線のSCMに対する期待値や役割 

・製造パートナーをしっかり見極める 

いかに信頼を得て、一緒に同じ意欲で作っていけるコラボパートナーを見つけられるかが、重要だと言います。どういう物をどう作っていくのかから始まり、実際の倉庫の確保や、最終的には消費者にどのような形で届くかまで、完全にコントロールしなければなりません。 


SCM人材目線での期待値や役割 

・シンプルかつ効率よくよいモノを作っていくこと 

SCMは消費者体験のフィードバックと直につながっているため、コストを下げて、シンプルかつ効率よくできるようにend to endで改善できるところがSCMの面白味であり、重要な役割です。

在庫管理や製造コストの削減に留まらず、こういう消費者体験をさせたいと思った時に、コストと両立しながら、しかもスケジュールがある中で、どう実現するかを考えなければなりません。 


・当事者意識を持って踏み込む 

当事者意識を持って踏み込み、ビジネスの理想と現実をいかに調整していくのかがSCMの腕の見せ所。

小坂さんは、SCMにとって100点は当たり前で、マイナスもゼロにして、そこから、さらに10点20点取るためにどうするのかを考えることが楽しい分野だと実感しているそうです。 


MOON-XのSCMに求められる3つ要素 

1. スピード感

真摯に仕事に向き合い、スキルと経験を生かして、決してコースアウトせず、ギリギリの絶妙なところを攻められる人。 


2. アウトプットにこだわる

SCMはインパクト、結果、アウトプット重視。「一生懸命頑張った」ではなく、アウトプットを出す事にどれだけこだわれるか。 


3 .少数精鋭を楽しむ 

少人数でもビジネスをスケールアップしていくためには、一人ひとりの負荷や範囲が広くなるので、それを無理なく楽しめる人が向いている。

今後は、ますますマーケターとエンジニアの垣根がなくなり、幅広い知識や理解とテクノロジーの活用が必須。いかにテクノロジーを使うためのキャリアを積んでいくかが重要。 


こだわりのある企業ほど消費者フィードバックを重視 

OEMでの商品企画、開発をする場合、製造パートナーはそれぞれの会社によって、強みやテクノロジーが違うので、柔軟に使い分けできるところがメリットです。

一方、デメリットは、コラボ相手がいることでスピードが落ちたり、思い通りのものが作れなくなったりするところです。

ですから、そこを巻き込んで動かし、いかに二人三脚でやり切れるかが肝になります。


また、職人や技術者の理想と、展開できるビジネスとのギャップを埋めるポイントとして、本当にこだわってモノづくりをしている人こそ、どうしたらもっとよくできるかというパッションを持っていると長谷川さんは強く実感しています。

そのように人を動かすベストな方法は、消費者フィードバックを一緒にテーブルに並べて見せることです。

例えばビールの場合、製造ロットがあがる度に味や香り、炭酸の強さなど、様々な項目の視聴者の意見を提示すると、社長や職人が食い入るように見ることに驚くそうです。

さらに、どう改善するかという会話自体を楽しんでいるようにも見えます。作り手と消費者の距離が遠かった時代とは異なり、自分がこだわって作ったものを消費者はどう思っているのかを、今は簡単にスケール感を持って、しかもスピーディーに知る事ができるため、充実したディスカッションができます。 

  

Circular EconomyについてSCMが取り組めること 

循環型社会は、SCMのファンクションや人材が、より勝つためのコントリビューションをするためにも大事な役割を果たせるエリアです。

たとえば、MOON-Xでは、男性用スキンケア商品のクレイ洗顔に、今まで廃棄されていたお米のもみ殻から作られた炭素素材を使っているそうです。

今後は、このような効果効能、品質によい原材料を採用するだけではなく、循環型社会への貢献や環境への配慮が両立するモノづくりの会社が増えていくでしょう。

さらに、作り手や消費者が積極的に発信することで、今まで循環型社会に興味がなかった人の参画が期待できます。 


MOON-X流 新規事業参入の見極めポイント 

1. サイズ感・規模感 

実際に成功した時のスケーラビリティ。 


2. 勝てる可能性 

デジタルとの親和性、日本のモノづくりとして勝てるカテゴリーなのか、ファウンディングメンバーが圧倒的な知識を持っているか、人脈を持っているかなどの部分も含めて勝てるのか。 


3. 粘り強く続けるパッション 

問題が出てきた時に粘り強くやり続けようと思うパッションを、チームメンバーが持てるか。 

MOON-Xがビールと男性化粧品からスタートしたのは、どちらも日本のモノづくりが生きる、かつグローバルにスケーラビリティがあるカテゴリーだからだそうです。ビールは、実は楽しくてキラキラしたものだということをもっと多くの日本人に知ってもらいたい、そして男性化粧品は、女性より脂分が多く水分量が少ない男性にも是非スキンケアに取り組んでもらいたいという思いが込められています。 



SCMはインパクトにプライドを持つべき 

目立つ華やかな部門ではありませんが、SCMはコストやキャッシュなど、会社にとっての血流の部分でもインパクトを出していますし、実際の消費者体験を最大化して競争優位をもたらすという部分でも大きな成果を出しています。

SCMをビジネスバディ、そしてビジネスをコントロールするオーナーシップを持っていると考える長谷川さんは、SCMはもっとプライドを持つべきだと言います。 


最後に、お忙しい中、ゲストスピーカーとしてご参加いただいた長谷川晋さん、小坂尚子さん、そしてご参加いただいた全てのリスナーの皆さま、本当にありがとうございました。