データサイエンティストの仕事に興味があり、転職を検討している方の中には、「未経験でも転職できるのだろうか」と疑問に思っている方もいることでしょう。
この記事では、データサイエンティストの役割や仕事内容、年収、需要などを詳しく紹介します。そのほか、必要なスキルや資格、未経験での転職可否、転職のときにチェックしたいポイントなど、転職で役立つ内容も解説します。データサイエンティストへの転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
■データサイエンティストとは?
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データサイエンティストに明確な定義はありません。一般的には、さまざまなツールや数式を用いてデータを分析し、企業の仕事に活用するための専門家のことをいいます。データサイエンティストの仕事領域は、企業によってさまざまです。データサイエンティストは、一般的にWeb系の企業で働いている人に多い傾向にあります。
そのほかにも、IT業界や広告業界など、幅広い場所で活躍できる職業であるといえます。
■データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの主な仕事内容は、次のとおりです。
・データの収集や活用
・プログラミング作業
・ビジネス課題の解決
・統計情報の理解、パターン解析
どのようなデータが必要かを考えるところから始まり、ビッグデータや業務システム、SNSなどからデータを集めます。その後に、集めたデータを分析し、分析したデータをもとに課題解決のための施策やアイディアを検討します。収集したデータや分析結果をレポートにまとめるまでが、データサイエンティストの仕事です。
■データサイエンティストの需要
日本のデータサイエンティストは、海外に比べるとまだまだ少ないのが現状です。その理由のひとつとして、データサイエンティストを育成するための環境が整っていないことが挙げられます。しかし、環境はまだ整っていないものの、ビックデータビジネスが増えてきた現在は、データサイエンティストの需要は増加傾向にあります。
AIや人工知能、ビッグデータといった分野はまだ発展途上にあるため、今後もデータサイエンティストの需要は高まると予想できます。
■データサイエンティストの年収はどれくらい?
データサイエンティストの平均年収はおよそ500万円です。企業によって年収の幅は、300〜900万円ほどになります。大手企業や有名企業の場合は、年収1,000万以上になることもあります。
■データサイエンティストの転職に必要なスキルは?
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ここでは、データサイエンティストの転職に必要な4つのスキルについて説明します。
|プログラミングスキル
データサイエンティストは、データを分析するだけでなく、プログラミングスキルも必須です。機械学習や統計解析でよく使われるPythonやR、SQLといった言語知識、コーディング力が必要になります。
プログラミング知識やIT業界のトレンドは日々進化しています。常に最新技術を学ぶ姿勢も重要なスキルのひとつです。
|統計学・機械学習などに関する知識
データサイエンティストには、統計学・機械学習などに関する知識が当然のように求められます。統計学では、実現したい事柄に応じて必要な統計手法を見極めるスキルが必要になり、大学の学士修了レベルの知識が求められます。機械学習に関しては、機械学習アルゴリズムという専門の処理を用いるため、大学で専門的領域を学んだレベルの知識が必要です。
|ビジネスに関する知識
データサイエンティストは、分析したデータをビジネスに活用するまでが仕事です。ビジネスモデルや経営戦略を理解した上でのアプローチ法、営業スキル・コミュニケーションスキルなどが必要になります。
|コンサルティングスキル
集めたデータで企業のデータ活用をサポートするには、提案スキル・コンサルティングスキルが必須です。提案内容が企業にとっていかに必要なものであるかを伝えるには、論理的思考力なども求められます。
■データサイエンティストは未経験でも転職できる?
データサイエンティストへの転職は、未経験の場合、難易度は高いといえます。実務経験がなくても、実際には大学などで機械学習やPython、データマイニングなどの専門的な知識を習得しているケースが多く見られます。
以下で、データサイエンティストの転職で役立つ資格や転職しやすい職種について解説します。
|データサイエンティストに役立つ資格
データサイエンティストに役立つ5つの資格を紹介します。
☑ 統計検定
統計検定は、統計学にまつわる知識やスキルを総合的に評価する検定試験です。知識レベルに応じて試験が複数用意されています。1~4級まであり、データサイエンティストは準1級程度の知識が求められます。
☑ 基本情報処理技術者試験
基本情報処理技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。情報処理技術者試験の1区分であり、IT知識やプログラミングの基本的な知識が求められます。
☑ 統計士・データ解析士
統計士・データ解析士は、一般財団法人実務教育研究所が開催する講座を修了することで取得可能な資格です。それぞれ、統計士の資格取得には現代統計実務講座の終了、データ解析士の資格取得には多変量解析実務講座の終了が必須です。
☑ オラクルマスター
オラクルマスターは、日本オラクル社が運営するデータベース認定試験です。民間資格でありながら世界的にも知名度が高く、IT業界でも広く認知された資格になります。データサイエンティストとして必要なデータベースの管理法や、SQLに関する知識習得がのぞめます。
☑ OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営する、オープンソースデータベースの技術力と知識を評価する資格試験です。シルバーとゴールドのふたつのレベルがあり、未経験であればデータベースシステムの設計・開発・導入・運用知識が求められるシルバーを受験してみましょう。
|データサイエンティストに転職しやすい職種はある?
未経験からデータサイエンティストに転職しやすい職種には、以下が挙げられます。
・データベースエンジニア
・インフラエンジニア
・サーバーサイドエンジニア
・コンサルタント
・マーケッター
データベースの操作に長けているデータベースエンジニアはもちろん、ネットワークやサーバーの設計・構築・運用を行うインフラエンジニアや、Webアプリケーションやウェブサイトのサーバーサイド側の処理を構築するサーバーサイドエンジニアも転職しやすいです。
そのほか、データの分析結果をもとにコンサルティングをしているコンサルタントや、市場調査・アンケートなどの情報収集を行い商品やサービスを考案するマーケッターといった職種も、データサイエンティストへの転職に向いているといえます。
■データサイエンティストの転職でチェックしたいポイント
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最後に、データサイエンティストの転職でチェックしたい3つのポイントを解説します。
|その企業におけるデータサイエンティストの役割・業務内容
データサイエンティストの役割・業務内容は、企業によって異なります。たとえば、募集要項にはデータサイエンティストと書かれていても、実際の業務はシステムの構造を設計するデータアーキテクトのような仕事だったという場合もあります。そのため、転職する際には求人情報・面接などで役割や業務内容、求められるスキルの事前確認が必要です。
|膨大なデータを扱っている企業か
転職を考えている企業が、データサイエンティストを本当に求めているのかを確認するには、「膨大なデータを扱っている企業か」がポイントです。多くのデータを活用するかどうかで、データサイエンティストの需要や存在価値が上がるため、膨大なデータを扱っている企業だと社内での立場が安定します。
|データ分析に本当に価値を置いているか
データサイエンティストを募集しているものの、データ分析のインフラが整備されていない場合は、データ分析に価値を置いているとはいえません。経営者が賛同しているかなども含めて、経営理念や社是で転職前に確認するようにしましょう。
■まとめ
この記事ではデータサイエンティストの仕事内容や需要、転職について紹介しました。未経験での転職は難しいですが、需要は増加傾向にあるため、必要なスキルを備えていれば転職できる可能性も上がります。この記事を参考に、データサイエンティストへの転職をぜひ成功させてください。
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