外資系医療機器メーカーというのは、外資系企業の中でも医療機器の製造や販売を行っている会社になります。現在、国内の医療機器メーカーは大半が外資系企業で占められているといわれています。
こちらでは、外資系医療機器メーカーに転職する際にポイントとなることや、その人気ランキングなどをご紹介しています。
外資系医療機器メーカーは今後も発展が期待でき、転職市場でも高い人気を誇っている領域のひとつです。外資系企業や日系グローバル企業に強いエンワールドなら、外資系医療機器メーカーの求人も豊富に取り扱っているため、ご要望に応じた転職先のご紹介が可能です。
医療機器業界について
まず初めに、医療機器業界の全体像についてご説明します。
世界第2位の規模を誇る、日本の医療機器市場
日本国内における医療機器産業の市場規模は、2004年から増加に転じたという調査結果が報告されています。2004年の段階では約2兆円、2017年の段階では約3兆円、そして現在では約3.2兆円ほどの市場規模となっており、これは世界第2位の規模に位置しています。
また、世界全体で見ると、医療機器業界の市場規模は2014年が最大で、約40兆円となっています。これは、中国や東南アジア、アフリカ諸国などの新興国の市場の急速な成長が一つの要因でもあります。現在では、市場の伸びは落ち着いてきているものの、まだまだ拡大傾向は続いているといえます。
日本の医療機器メーカーと外資系医療機器メーカーの違い
医療機器メーカーのほとんどは、外資系企業が占めているといってよいでしょう。その背景として、米国や欧州が世界の医学界を牽引していることが挙げられます。そのため、医療機器の研究開発においても、米国や欧米諸国が主導権を握っているのは自然なことではないでしょうか。
そのため、日本の医療機器メーカーの場合、後発で特定の分野に特化した会社が多く、幅広い分野での製品を取り扱っている会社はそれほど多くありません。
それに対して、外資系の医療機器メーカーは多方面の分野を取り扱っているケースが多いです。例えば、業界1位のジョンソン&ジョンソンの場合、病院向けの医療機器から家庭用のヘルスケア用品まで幅広く製品の製造を行っています。また、医療機器と同時に医薬品の製造および販売も行っています。
医療機器業界の将来性と求人の傾向について
では、外資系医療機器メーカーをはじめとする医療機器業界の将来性についてはどうなっているのでしょうか。ここでは、医療機器業界の将来性と求人の傾向について説明します。
医療機器業界の将来性とは
日本の医療機器業界における将来性を語る際に話題に上がるのは、2025問題というものです。これは、とくに出生率が高かった団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる、2025年からその後にかけて発生が予測されている問題です。
後期高齢者は、認知症の他、脳血管疾患(脳梗塞や脳卒中など)や関節疾患など特有の病気を抱える傾向にあり、生活習慣病などによって動脈硬化も進んでいることが多いため、血管系の病気にもかかりやすいといわれています。
こうした病気は、ただ投薬や手術をすれば良いというわけではなく、様々な検査と並行して行われます。そのため、血圧や血液の測定の他、CT検査やレントゲン、MRI検査など様々な設備を用いて検査を行うことになりますが、こうした機器が充実している病院はまだそれほど多いとは言えず、さらなる充実が必要とされている分野だといえるでしょう。
また、海外でも東南アジアを始めとしたアジア諸国を中心とした発展が見込まれています。特に、タイやマレーシア、フィリピンなどでは医師不足が続いており、医療施設の発達が追い付いていない現状があります。こうした諸国への輸出が加速すれば、それだけ医療機器業界の市場も伸びていくことが予想されます。
医療機器メーカーにおける求人の傾向とは
外資系企業を含む医療機器業界全体の動向で言えば、中国や東南アジア諸国など、新興国の発展に伴って、医療機器の需要はどんどん増加している傾向にあります。そのため、外資系のみならず、医療機器産業全体で優秀な人材を募っていると考えて良いでしょう。
そして、外資系企業を含む医療機器メーカーは不況に強い産業であるとも言われています。一般的に、不況が続くと精神性の病気などが増える傾向にあることが分かっています。そのため、こうした患者の受け皿である病院やクリニックは、不況と共に需要が増加していくと考えられています。
また、外資系医療機器メーカーと言っても、その内部には様々な職種があります。最初に思い浮かべるのは研究職や開発職かもしれませんが、その他にも営業職や事務職といった職種もあります。
外資系医療機器メーカーの売り上げランキング
それでは、医療機器メーカーの売り上げランキングトップ10を見ていくことにしましょう。
1位:メドトロニック
第1位のメドトロニックは、アイルランドのダブリンに本社を構えている企業です。年間の売上高は296億ドルとなっています。
得意としているのは、心臓ペースメーカーの開発および製造で、その他に心臓用のカテーテルや糖尿病の患者向けのインスリンポンプなども販売しています。大手企業だけあり、様々な分野で製品を開発していますが、主に循環器系や呼吸器系の機器に強い企業です。
2位:ジョンソン&ジョンソン
第2位のジョンソン&ジョンソンの名前を知っている人は多いのではないでしょうか。年間の売上高は、第1位のメドトロニックに迫る約262億ドルとなっています。
綿棒やバンドエイドなど、家庭用の医療用品の開発元としても知られていますが、医薬品や医療機関向けの医療機器の製造と販売も行っています。
3位:フレゼニウス
第3位のフレゼニウスはドイツのヘッセン州に拠点を置いている会社です。開発している製品は血液透析や腹膜透析など、腎臓関連の機器に特化しており、これらの機器や関連機器を総合的に開発しています。
誕生したのは1996年と比較的新しい会社ですが、年間の売上高は約217億ドルと、上位2社に迫るものとなっています。
4位:GE
第4位のGEは、世界有数の企業であるゼネラル・エレクトリック社の一部門として設立された会社です。得意分野は医療画像処理システムや医療診断システム、患者監視システムといったデジタル関連の機器が多いです。CTやMRIなどの開発も自社で行っている他、新生児の黄疸治療器や保育器なども製造しています。年間の売上高はおよそ188億ドルです。
5位:フィリップス
第5位であるフィリップスの主な製品は、電気シェーバーや電動歯ブラシなど家庭用ヘルスケア用品ですが、CT診断装置やMRIなど、画像撮影・データ分析関連の医療機器も製造しています。
年間の売上高は約171億ドルと、上位4社にはおよばないもののやはりかなり高い額となっています。
6位:シーメンス
シーメンスはドイツのバイエルン州に拠点を置く外資系企業で、元々電信や電車などの部門から始まった会社ですが、現在では通信から医療、交通、防衛まで幅広い分野をカバーしています。
得意分野はX線CT装置や放射線治療器、マンモグラフィなどで、IT技術を活用した医療機器も多く開発しています。医療部門の年間の売上高は約166億ドルとなっています。
|7位:カーディナル・ヘルス
第7位のカーディナル・ヘルスは、主に入院患者向けの輸液・栄養摂取関連の機器や、血栓の予防装置、排液関連の装置などを開発・製造している外資系企業です。本社はアメリカ合衆国のオハイオ州にあり、年間の売上高ではおよそ140億ドルです。
8位:アボット
第8位のアボットは、アメリカのイリノイ州レイクブラフに本社を置く医療機器メーカーです。主な事業は、診断薬・機器、医療機器、ブランドジェネリック医薬品、栄養剤製品となっており、広範囲にわたって医療製品を提供している多角化ヘルスケア企業といえます。
年間の売上高は、123億ドルあまりとなっています。
9位:ストライカー
ストライカーは、アメリカ合衆国のミシガン州に拠点をかまえる医療機器メーカーです。
主に外科や整形外科関連の機器の製造を得意としており、製品としては手術用のパワーツールやストレッチャー、吸引機器などを開発しています。近年では、脳神経外科関連の機器も開発しています。年間の売上高は121億ドルとなっています。
10位:ベクトン・ディッキンソン
第10位のベクトン・ディッキンソンは、医療機器輸入会社として1897年ニューヨークに設立され、医療機器、医療用具、および診断システムを販売しています。本社はアメリカのニュージャージー州にあり、真空採血管やインスリン注射器、ヒト白血球細胞群の自動分離解析システムでは世界のトップシェアを誇っています。年間の売上高は、およそ121億ドルです。
まとめ
医療機器メーカーは元々外資系が多いことや、不況に強く成長著しい分野であることから、今後もさらなる発展が期待できる業界といえるでしょう。
外資系医療機器メーカーに転職する際には、しっかりとした経験を身に付けるとともに、外資系に強い転職サイトや転職エージェントを活用することをお薦めします。
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