コンサルタント出身者として転職する場合、自らのキャリアやスキルを活かせる転職先を探したいですが、実際にはどのような転職先が多いのでしょうか?
この記事では、コンサル出身者の主な転職先や、転職するタイミング、転職で失敗しがちなポイントについて解説します。コンサルから転職した成功事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
エンワールド・ジャパンでは、各分野におけるトップ企業とつながりを活かして多様なキャリアやワークスタイルに合わせた転職先のご提案が可能です。さまざまな可能性のあるポストコンサルの転職に妥協したくないあなたの理想の転職が実現できるよう、エンワールド・ジャパンは全力でサポートいたします。
■ポストコンサルとは?
ポストコンサルとは、コンサルティングファームでの勤務経験がある人を指します。どのような種類のファーム出身かで専門領域が異なるため、培ったスキルや転職以降のキャリアも異なってきます。
総合系・戦略系・シンクタンク系のファーム出身者は、企業戦略や事業戦略、M&A、組織変革など幅広い業務を経験している点が特徴です。そのため、ゼネラリスト的な経営幹部を目指すキャリア形成が多く、さまざまな業界の企業に転職可能です。
財務系・IT系・人事系などのファーム出身者は、専門領域に特化した業務を経験している点が特徴です。幅広い業界に転職も可能ですが、スペシャリストとしての専門性を活かせる部門や競合ファームへの転職が多い傾向があります。
■コンサルの主な転職先は

ここでは、ポストコンサルの具体的な転職先を業種別に解説します。
| PEファンド
PEファンドは転職先として人気がありますが、年間数名ほどの採用しかないともいわれる非常に狭き門です。総合・戦略系ファームなどでコンサル経験があり、MBAを保持する20代後半〜30代前半の人材を求める傾向があります。
転職先として人気がある理由として、ファームよりも深くかつ長期間で企業の経営戦略に携われる点、Exitなど結果が見えやすい点などが挙げられます。また、担当企業の業績アップにともないキャリーボーナスが支給されるのも大きな魅力です。
| 投資銀行
投資銀行では、財務系ファーム出身者など、財務系のスキルに加え海外とやりあえる語学力を持った20代の人材を求める傾向があり、特に投資銀行部門で積極的なポテンシャル採用を行っています。
そのため、コンサル経験後の投資銀行への転職は、業界でも標準的なキャリアパスとされています。
人気の理由として、給与水準が高めの外資系ファームよりもさらに給与が高い点、企業戦略を大きく推進するM&Aに携われる点などが挙げられます。
| 事業会社
事業会社では、総合系・戦略系ファーム出身者など、投資先企業の企業戦略などを推進できる人材が求められます。グローバル展開を見込んで国際的に活躍できる人材、会社の業界事情に精通しておりBtoB・BtoCビジネス経験がある人材なども必要とされます。
世界展開する大企業の意思決定に携われる点などが人気の理由ですが、中途採用がそれほど一般的ではないため、入社後の待遇などは転職活動時に確認する必要があります。
| 外資系企業
外資系企業は外資系ファームの最大の転職先であり、総合系・戦略系ファーム出身者など、経営企画やマーケティングなどのスキルを持つ人材を求める傾向があります。
人気の理由として、実績次第で高い給与が支給される点、幹部職などの現在のポジションと報酬を下げずに転職可能な点などが挙げられます。外資系企業には世界的に事業展開する知名度の高い企業が多く、そうした企業に参画できるのも魅力です。
| ベンチャー企業
ベンチャー企業の経営者は若いため、総合系・戦略系ファーム出身者など、幅広い業務経験があり問題解決力が高い人材を求める傾向があります。
コンサル業務を経験した結果、自身でビジネスを行いたくなったものの起業のリスクは負いたくない人に人気があります。また、若手でも経営陣への抜擢が珍しくない点、社会問題を解決できる事業に主体的に携われる点、IPOのストックオプションなども理由に挙げられます。
| IT系企業
IT系企業では、IT系ファーム出身者などインターネットビジネスの経験・スキルや、総合系・戦略系など経営企画やM&Aなどの経験・スキルを持つ人材を求める傾向があります。
また、事業の海外展開も多いため、英語力があると評価が高いです。
人気の理由として、新規事業進出やグローバル展開など積極的な事業展開が多く、大きなやりがいを感じられる点などが挙げられます。
| 他のコンサルティングファーム
他のコンサルティングファームでは、即戦力としてポストコンサルを求める傾向があります。
総合系ファームから専門性を磨くために財務系など特化系ファームに転職する人、あるいはその逆、多忙のためワークバランス改善のために転職する人など、さまざまな理由で転職する人がいます。
ファームの種類は多種多様なため希望の転職先が探しやすい点、給与が同水準なため金銭的な心配をせずに済む点などが人気の理由です。
■コンサルから転職するタイミング

コンサルから転職するタイミングですが、コンサルからコンサルへの転職であれば、年齢についてはあまり気にする必要はありません。
一方、コンサル以外の事業会社などへの転職においては、30代前半ごろまでのコンサル経験者への求人が多いという現状があります。加えて、コンサルティングの業務経験3年以上を求める企業が多いです。
そのため、業務経験を3年以上積んだうえで若いうちに転職活動を行うのがおすすめです。
転職のタイミングを考えるうえでは、現職できちんと成果を出している点、転職先での目標を明確に持っている点も重要ですので、日ごろから意識して業務に携わるようにしましょう。
■コンサルからの転職で失敗しやすいポイント
それでは、コンサルからの転職で失敗しやすいポイントを解説します。
☑ 給与やポジションを優先、希望する業界・事業内容ではない
ポストコンサルの転職失敗事例で多いのは、給与やポジションを優先するあまり、希望しない業界や事業内容を行っている企業に転職してしまうケースです。
たとえば、戦略系ファーム出身者が、起業直後の企業にどうしても転職したいため、業界や事業内容を問わずにどこでも転職可といった希望を出すケースがあります。その結果、転職後にズレを感じて、再び転職を考える事態に陥ることも少なくありません。
そのため、転職先の業界や事業内容については必ず検討しましょう。
☑ コンサルから事業会社への転職で起こりやすい失敗
コンサルから事業会社への転職失敗事例で多いのは、コンサルティングファームと事業会社との違いに慣れることができないケースです。
理由として、次の点などが挙げられます。
・事業会社では調整に時間を取られる
・現場から改善案を出しても反発が多い
・自力で改善案を実行しようとして、オペレーション地獄に陥る
事業会社では、地道なプロセスの積み上げが求められ、ときには非合理と思われることを受け入れる必要がある点を頭に置きましょう。うまくいかない可能性も想定したうえで、自らがやりたいこと、そのために必要なキャリアパスに適した企業の選択が大切です。
■コンサルからの転職事例
ここでは、コンサルから転職した実際の事例を紹介します。
| ベンチャー企業への転職事例
大学卒業後にファーム2社で、マーケティングや事業再生などのコンサル業務を経験後、ベンチャー企業に転職したAさんの事例を紹介します。
| 転職理由
Aさんは、ファーム経験後は事業会社に転職したいと入社時から考えていました。同期コンサルの起業が続いたことをきっかけにキャリアパスを見直し、事業会社への転職活動を開始します。
| 転職活動の詳細
Aさんは人材紹介会社に登録し、事業会社の案件を紹介してもらいました。自らが裁量権を持てるよう、探したのはベンチャー企業やファンド投資先です。
そして、IPOを目指すベンチャー企業と、事業再生の経験を活用できるファンド投資先の2社から内定をもらいました。結果、待遇のよいファンドよりも、事業の展望に共感したベンチャー企業を選びました。IPOを経験したいというのも理由のひとつです。
| 成功ポイント
Aさんは、事業会社での勤務経験がなかったため、転職活動当初は何をPRすればよいか分かっていませんでした。人材紹介会社から面接対策などを通して指導を受けたことが、大きな成功ポイントといえます。
| 事業会社への転職事例
大学卒業後に総合系ファームで、業務改善や新規事業立ち上げのコンサル業務を経験後、事業会社へ転職したBさんの事例を紹介します。
| 転職理由
Bさんは、コンサルとして成長した結果、上司から昇進話を切り出されました。ファームで管理職として働く自分を想像したり、上司をモデルケースと考えたりした結果、このままファームにいるよりも外の世界を見てみたいと思うようになりました。
| 転職活動の詳細
Bさんも、人材紹介会社に登録して案件を紹介してもらいます。女性のため、ワークライフバランスを意識して事業会社を希望しました。転職活動自体が初めてだったため、ベンチャーや外資系、日系企業などを数社受けるなかで、外資系に狙いを定めました。
| 成功ポイント
Bさんは、面接に臨んだりキャリアパスを考えたりするなかで、人材紹介会社と密に連絡を取るようにしていました。Bさんのキャリアに対する考え方をまとめてくれたり、自分では思いつかない提案をしてくれたり、充実した転職サポートを受けられたと実感しています。
■まとめ
コンサルの業務経験がある「ポストコンサル」の転職事例を紹介しました。主な転職先には、PEファンド・投資銀行・事業会社・外資系企業・ベンチャー企業・IT系企業・他のファームなど挙げられます。
転職の際には、給与やポジションなどの条件を優先しすぎず、あくまで自身のキャリアを中長期で見据え、転職先の業界や事業内容を必ず検討するようにしましょう。給与に関しては、コンサルタントとしての給与を事業会社で同水準をキープすることは業界にもよりますが難しい可能性もあります。その際には何を優先したいのかという自分の中の優先順位(価値観)を明確にする必要があります。
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