金融経済新聞「金融人の転職事情」第8回 資金運用業界スペシャリストの採用増

2020年11月02日

第8回「金融人の転職事情」資金運用業界スペシャリストの採用増

2020年も早くも11月を迎えました。やや出足の遅かった金融業界でも、在宅勤務を推奨する企業が以前と比べて増えており、ニューノーマルが浸透し始めてきていることを実感しています。

  

今月は「資産運用業界」の採用動向についてお話しさせていただきたいと思います。

2019年はETF(上場投資信託)や確定拠出型年金制度向けのファンド、ラップファンドなどの公募投信の売上増が支えとなり、各社の採用も、機関投資家営業、ポートフォリオマネジメント、クライアントサービスなどの職種で安定した需要がありました。

2020年は新型コロナの影響で、1月から6月にかけて採用を控える傾向が強く、特に外資系資産運用会社では海外本社からのヘッドカウント(採用人数)の承認待ちなどが多く発生していました。しかし、7月以降、ビジネスインパクトに直結する営業職やクライアントサービスなど、顧客とのやり取りが発生するポジションから、少しずつ採用が回復してきてきます。

また、グローバルにビジネスを展開する資産運用会社では新型コロナの影響をより大きく受けており、アジア圏やビジネスの重要拠点において、新しいBCP/リスク管理のスペシャリストを採用している企業が増加。企業が存続していくための準備に人員と予算を投入する動きが見られています。

新型コロナを要因とする企業の採用凍結は一時的には見られましたが、現在は下降の一途をたどっている訳ではなく、前述の通り、新型コロナの影響から回復することを目的とした採用枠の増加や、新しい戦略を遂行するための新規採用なども増えてきています。

新型コロナ流行の長期化への予測と共に、採用に慎重になっている企業もありますが、会社のビジネスを推し進め、企業を成長させていくために、本当に必要な人材に対しては採用意欲が高い企業が目立ちます。

採用面接もオンラインが主流になり、企業にとっても、転職希望者にとっても、より多くの面接を効率良く進めることが可能になりました。その利点を十分に活かしていただき、採用も転職もコロナ禍だから、という理由だけで先送りにするのではなく、しっかりとした情報収集を行った上で、将来の計画を見据えた選択をされることをお勧めしたいと考えています。

◆プロフィール

金融チーム チームマネージャー玄間勇介

金融チーム チームマネージャー
玄間勇介 (げんま・ゆうすけ?)

アメリカの大学を卒業後、イギリス系の人材紹介会社で転職コンサルタントとしてのキャリアを積む。2018年にエンワールド・ジャパンへ。業界歴10年以上。金融xIT業界を専門とし、外資系、およびグローバル企業のミドル~ハイクラスの採用支援、転職支援を得意とする。

2020年11月2日号 「金融経済新聞」掲載 ※無断転載・引用を固く禁じます。

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